COVID-19 東京都の感染者数プロファイルの解析
[7月10日]
Profile analyses of COVID-19 affected numbers in Tokyo [July 10, 2020]
東京都が本日7月10日に発表した感染者数は243名でした。確定日別のデータは9日が191名です。8日分は243(+47)名へと遡って大きく増えました。
感染者数が2日連続で大幅に増えたので,矢印で示す"τ×平均2"値は大きくなりました。3月25日の頃の"τ×平均1"に似たプロファイルになるのでしょうか。確定日別の過去の最大値は4月9日の266人でした。
"日別obs"の増加を反映して,"累計calc'"と"日別calc'"の計算値が今後に向けて大きな立上りの傾向です。平均的な実効再生産数に相当する"τ×増加率"も大きくなっています。9日の"日別calc'"値は147とまだ小さいのですが,"日別calc'"と"累計calc'"の先行きの計算値はいっそう大きくなっています(変曲点前では誤差が大きすぎますので,とても書けません)。"日別calc'"は4月の最大値に匹敵しており,今回の緩やかなピークから,5月までの5千名の累計を大きく超える累計値となることは想像に難くはありません。
昨日の増加分は月曜日の検査分から来ているらしく,週の後半には週の前半の結果も合わせた数値となってきます。本日発表の243名のうち,確定患者との接触歴がある濃厚接触者が142名,"調査中"が101名で,うち重症者は0名です。昨日までの区市町村別患者数を見ると,人口10万人当たりでも,新宿区が特に多く.ついで豊島区,中野区,渋谷区となっています。他の地域でもじわじわと増えています。大きく増えた時には,クラスター(感染集団)発生が報道されていましたが,この頃は特にそのような事例は目にしておりません。
最近のWHOの分類では,日本はこれまで"Clusters of cases"でした。米国や,ヨーロッパの大量の感染者が出た国々は"Community transmission"に分類されています。ロシアはまだ"Clusters of cases"で,スペイン,フランスとドイツは最近この"Clusters of cases"に戻りました。"Community transmission"は"市中感染"に相応し,感染経路が不明("調査中")の割合が増えると,epidemicからpandemicに突入でしょうか。
最近のWHOの分類では,日本はこれまで"Clusters of cases"でした。米国や,ヨーロッパの大量の感染者が出た国々は"Community transmission"に分類されています。ロシアはまだ"Clusters of cases"で,スペイン,フランスとドイツは最近この"Clusters of cases"に戻りました。"Community transmission"は"市中感染"に相応し,感染経路が不明("調査中")の割合が増えると,epidemicからpandemicに突入でしょうか。
7月10日発表の東京都の確定日別データ(7月9日まで)に基づいています |
計算,理論,説明などは,7月2日分(7月3日にアップ)をご覧ください。
"τ×平均2"の値が,"τ×増加率"よりも小さい(下方の)時は収束の傾向(実効再生産数が減少),大きい(上方の)時はいっそう拡大の傾向(実効再生産数が増大)を意味しています。なお,"τ×増加率"自体も日々のデータに応じた最適化により,更新されていることにご注意ください。
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