2021/01/30

COVID-19 東京都の感染者数プロファイルの解析 [2021年1月10日; 30日更新]

COVID-19 東京都の感染者数プロファイルの解析 [2021年1月10日; 17日; 22日; 30日更新]

Profile analyses of COVID-19 affected numbers in Tokyo [Jan. 10th, 2021; Updated 17th, 22th and 30th]

 
東京都が2021年1月10日に報道発表した感染者数は1,493名でした。累計の感染者数は74,944名です。1月1日から4日までは1,000名未満であったものが,7日から9日までは2,000名を越える大きな感染者数となり,7日の2,447名がこれまでの最大数です。感染の診断が確定された日の"確定日"ベースでは,感染者数は漸次に修正・更新されていきますが,6日の2,367名が現時点での最大数です。年末・年初の少なかった数がその後の新たな数の増加によって補われ,ほぼ帳尻が合ってきたようです。そこで,感染者数のプロファイルの解析を更新し,以下に述べます。
 
感染者数の増減を相殺するように計算した解析プロファイルは,ほぼこれまでの経過を踏襲しても良いという結果です。しかし,そのパラメータには大きな変化がありました。まず,環境収容力(プロファイルの全期間の感染者数)が著しく大きくなりました。これはクラスター感染(Clusters of cases)から市中感染(Community transmission)に感染の様式が変化したことを示唆します。次に,これまでは変曲点(ピーク)に達しそうな時期が何度かありました。そのたびに機会が生かされずに,変曲点が後へと伸び,感染拡大が継続する状況にありました。
 
前回のブログ(1月10日)の"東京都の感染者数プロファイルの解析"では,第3波が2つのプロファイルAとBから成るモデルとし,後の方のプロファイルBが増え続けていることを述べました。確定日ベースの感染者数を用いて,これまでと同じ方法によってロジスティック関数の最適化を行ない,感染者数のプロファイルを解析しました。なお,以下の日付は確定日ベースで,報道発表データよりは概ね1日早くなります(1日差し引く)。
 
1月30日更新プロファイルを30日までの"確定日"データ(29日まで)での解析を更新しました(感染者数は図0-4)。 1月22日更新のときのプロファイルC(第3波C1/21)を図中に黒い破線で示します。本日のプロファイルとは重なっていて,変化は僅かですが,幅が少し広くなりました。変曲点(日別の感染者数のピーク)は1月10日ですが,約1時間40分だけ遅くなりました。環境収容力(プロファイルの終焉までの累計の感染者数)も約2,000名増えました。それでも,2月中旬までのプロファイルと感染者数は前回の更新の結果との差は僅かです。
 
図0-4. 東京都が1月30日発表の確定日別データ(1月29日まで)に基づく [図をクリックすると拡大]

1月22日更新プロファイルを22日までの"確定日"データ(21日まで)での解析を更新しました(感染者数は図0-3)。 変曲点(日別の感染者数のピーク)がさらに早まり,1月10日となりました。 
 
実際の感染のピークは2日ないし3日となり,6日からの大きな感染者数が報道される前,緊急事態宣言の発令のもっと前です。発症のピークが4日という東京都のエピデータともよく対応します。 都民の感染抑止への自主的な対応が機能したと言えます。現在の再生産率(実効再生産数に相当する指標)は0.46まで低下しています。
 
解析のパラメータは,20日,21日,本日22日の解析ではほぼ一定の値が得られました。本日は変曲点から12日間も経過していることから,パラメータの確度は高くなっています。経過がこのまま順調ならば,来週の金・土曜日には日別の感染者数は400名台となるはずです。なお,緊急事態宣言の効果はパラメータからは認知できてはいませんが,効果があると300名台となるかもしれません。
 
プロファイルBの環境収容力は48,000名まで減少しました。内的自然増加率は0.1294(基本再生産数に相当する値R0が1.90)まで増加しました。このパラメータが大きくなるのは,データの日付が変曲点を経過するときで,増大はプロファイルの急峻化を表し,環境収容力の低下,変曲点の早期化をもたらします。プロファイル解析の詳細を図0-4に示します。プロファイルBの増加率2と平均2が初期の値の1/2よりも小さくなり,ピークアウトは明確です。また両者は互いに合致しています。更新は以上。
 
図0-3. 東京都が1月22日発表の確定日別データ(1月21日まで)に基づく [図をクリックすると拡大]

図0-4. 東京都の感染者数プロファイルの最適化の詳細: 1月22日付 [クリックで拡大]
 
1月17日更新プロファイルを17日までの"確定日"データ(16日まで)を用いて解析を更新しました(感染者数は図0-1)。 年初の多数の感染者で都民にブレーキが働いたのか,ピークが早まり,ほぼピークに入ったようです。 緊急事態宣言の効果と見るには早すぎるでしょう。 9-11日の休日の影響から,先週の前半は数が少なかったのですが,この過少が週後半の過大で相殺する解析でも,先週のデータには減少傾向の先駆けが現われているようです。
 
プロファイルBの環境収容力は87,000名に減少し,変曲点が17日に早まりました。内的自然増加率は0.0796(基本再生産数に相当する値R0が1.55)まで増加しました。このパラメータが大きくなることはあまり無く,増大はプロファイルの急峻化を意味し,環境収容力の低下,変曲点の早期化をもたらします。プロファイル解析の詳細を図0-2に示します。
 
最近の東京都の感染数の発表には,混乱が現われているように見えます。17日の午後3時の速報の報道数は1,592名でした。 夜9時頃の確定数を見ると,前日の16日分が952名で,なんと253名分が7日以上も前(過去)の感染者数です。これまでは7日以前の数は速報値の2%程度でした。大きな過去数は過去最大数であった1月7日にもありました。また,1月14日の1,502名のうち前日分はわずか318名でした。集計が確定数の実態を追い切れていないようです。医療崩壊が集計にも表れているのでしょうか。報道では,17日は日曜日としては過去最多と言われていましたが,内訳を見ると実情とは異なります。更新は以上。
 
図0-1. 東京都が1月17日発表の確定日別データ(1月6日まで)に基づく [図をクリックすると拡大]

図0-2. 東京都の感染者数プロファイルの最適化の詳細: 1月17日付 [クリックで拡大]

以下は1月10日の元々の記述です
 
最適化した最もよくデータと合致する解は,プロファイルBの内的自然増加率が0.0571(基本再生産数に相当する値R0が1.40)での場合で,その環境収容力は約290,000名,変曲点が2月14日,その時の日別感染者数が最大となり4,150名です。このブログでの解析では,プロファイルBはほぼ期間が3ケ月間のデータを反映していますが,この先1月を見渡すほどの確度は疑問です。しかし,これが最もありうる想定です。図4に2月1日までの,日別感染者数と累計感染者数の計算値を示します。
 
内的自然増加率が0.0641(R0が1.45)の場合を計算すると,環境収容力は約170,000名,変曲点が2月1日,最大の日別感染者数が2,730名となりました。なお,感染者数は休日・曜日等により大きく変動しますが,2週間程度のスパンでは非常によく実際の数と解析の値は対応しています。図5に2月1日までの,日別感染者数と累計感染者数の計算値を示します。
 
希望的な解析として,もっと早くピークアウトするケースとして,内的自然増加率が0.0714(R0が1.50)の場合を計算すると,環境収容力は約123,000名,変曲点が1月25日,最大の日別感染者数が2,200名が得られました。年初の感染者の数,非常事態宣言に入ったこと,11日の休日を考えて,この日頃にはピークアウトして欲しいという意味での試算です。図3に2月1日までの,日別感染者数と累計感染者数の計算値を示します。
 
図1に,R0が1.50の場合の1月16日までの,日別の感染者数(日別obs),その7日間移動平均値(日別ave),本ブログの解析による日別の感染者数の計算値(日別calc),そして"再生産率"を挙げます。"第3波"としてはプロファイルAとBの和として日別の感染者数の計算値をプロットしてあります。"再生産率"は"実効再生産数"に相当する値で,1よりも大きければ大きいほど感染は拡大し,1でピーク,1よりも小さければ小さいほど収束に向かう傾向が大きくなります。
 
再生産率は,11月末にほぼ1.0となり,いったん日別の感染者数のピークに達した後にすぐ感染者数が増加に転じました。その後,12月28日頃に最大値1.33となってから,再生産率は小さくなり始めました。それでも現在は1.25で,感染者数の増加が続いています。再生産率は小さいのですが,感染者数自体が大きいので,(再生産率)×(感染者数)が示す,およそ1週間後の感染者数は大きな数となっています。
 
第3波のプロファイルAは,基本再生産数相当値(R0)が1.7,環境収容力(全期間の感染者数)が約14,400名,変曲点が11月23日ですプロファイルBは,R0が1.50の先述の環境収容力と変曲点です。前回のブログよりも基本再生産数相当値が小さくなり (時間・空間的に広がった),環境収容力はさらに大きくなりました。別のR0での計算では違った値になりますが,最適解のR0=1.40の計算では,これらR0前回のブログとほぼ同じで,プロファイル自体には変化ほぼ無いことを意味します。
 
プロファイルBの変曲点はかなり先の時点で,解析結果は暫定的で,不確定の要素は大です。変曲点までの累計の感染者数は環境収容力の半分です。この数は約62,000名ですので,これからの2週間で,これまでの累計感染者数の約75,000名に近い新規感染者が見込まれることになります(楽観的なケースでも)。
 
図1. 東京都が1月10日発表の確定日別データ(1月9日まで)に基づく: R0=1.50 [図をクリックすると拡大]

第2波の"主要"なプロファイル(日別感染者数はD f2 calc),第3波のプロファイルA(D f3A calc)とプロファイルB(D f3B calc),これらすべてをを合成した計算値(日別calc)を図1と図2に示しています。"第3波"はAとBの和です。感染者数の累計値(累計obs')に計算値を最適化した結果(累計calc')は図2に示してあります(最新の累計感染者数で除して最大値が1となるように規格化した値です)。

第3波の2つの近接するプロファイルのパラメータは,連続的な累計感染者数から求めた便宜的なもので,和としてのプロファイル(図1と2の"第3波")の方が意味のあるものです。プロファイルAはほぼ終息に達しましたが,Bはまだ収束段階(ピークアウト)には入っていません。東京都,周辺の埼玉県,千葉県と神奈川県の場合は同じようなプロファイルで,感染者数が増加の傾向が続き,ピークにはまだ到達していません。
 
図2. 東京都の感染者数プロファイルの最適化の詳細: R0=1.50 [クリックで拡大]

図2に東京都の感染者数プロファイルの詳細を示します(1月16日まで)。第3波についての"τ×平均"と"τ×増加率"は第3波AにBを繰り込んだものです。τ×平均は実質的な増加率であり,最適化で得られるτ×増加率を追随していて,12月末の大きな感染者数,年末・年初の減少が先週の大きな増加で相殺されていることから,実際の感染者数はプロファイルの範疇にあることを指し示しています

第2波はピークを過ぎて日別感染者数がピークの半分に近くに減ってから,再生産率が1近辺の値に留まり,収束には至りませんでした。第3波の日別の感染者数がピークを過ぎても,実際に感染を惹起する感染者数はさらに1週間程度は増え続けます。したがって,感染者数が多いと,感染が再拡大してしまう,クラスターが発生し易い,のように感染プロファイルを変えてしまう要因は多々ありえます。

図4-6に,第1波,第2波,第3波の感染者数とその計算プロファイルを挙げます。これらの感染の規模と経過を把握できるでしょう。

図3. 東京都の確定日別の感染者数のデータと計算値: R0=1.50 [クリックで拡大]

図4. 東京都の確定日別の感染者数のデータと計算値: R0=1.40 (最適解)[クリックで拡大]

図5. 東京都の確定日別の感染者数のデータと計算値: R0=1.45 [クリックで拡大]

図の見方は,"COVID-19 感染者数プロファイルの計算モデルと見方"をご参考ください。

COVID-19 茨城県の感染者数プロファイルの解析 [2021年1月30日]

COVID-19 茨城県の感染者数プロファイルの解析 [2021年1月30日]

Profile analyses of COVID-19 affected numbers in Ibaraki Pref. [Jan. 30th, 2021]

茨城県の新型コロナウイルス感染症の感染者数のプロファイルをロジスティック関数への最適化により解析しました。使用したデータは,茨城県が公表している「新型コロナウイルス感染症陽性者一覧」で,本日2021年1月30日までの最新の累計感染者数です。12月半ばから増加していた第3波のプロファイルCは,1月14日にピークに達した後,減少を続けています。しかし,1月24日頃からは減少のペースが遅くなったように見えます。

茨城県については,前回のブログ"COVID-19 茨城県の感染者数プロファイルの解析 [1月14日]"にて採り上げた後,21日に直近の更新を行いました。1月15日にはこれまでの最大の感染者数の159名がありました。23日には132名もの感染者数が報道されましたが,その前後にはこのような大きな数は現れず,この大きな数は単発的で,プロファイルを大きく変えることはありませんでした。第3波としては3つのプロファイルを採るものとする,前回と同じ方法で感染者数のプロファイルを解析しました。

図1に,日別の感染者数(日別obs),その7日間移動平均値(日別ave),累計の計算値から得られる日別の感染者数の計算値(日別calc)をプロットしました。クラスターの発生に起因する日別obsの大きなばらつきが,日別aveでは滑らかになっています。1日ないし2日の鋭く棒状に増えている日別感染者数は典型的なクラスターの発生を示唆します。なお,7月26日以前のグラフについては過去のブログをご覧ください。黒い破線の"日別1/23”は,1月23日の解析で得られた第3波Cのプロファイルで,この日と本日の結果の比較のために載せました。

図1. 茨城県の感染者数と最適化による計算値: 1月30日結果 [図をクリックすると拡大]

Data source: 茨城県が公表している「新型コロナウイルス感染症陽性者一覧」https://www.pref.ibaraki.jp/1saigai/2019-ncov/ichiran.html

図の"再生産率"は,実効再生産数に相当する指標で,再生産率が1よりも大きければ大きいほど感染は拡大し,1ならばその状態が継続,1よりも小さければ小さいほど収束に向かう傾向が大きくなります。1を切る時点がピークです。また,(再生産率)×(日別感染者数)がほぼ1週間後の感染者数となります。

第3波はプロファイルA,BとCで表されています。これらの環境収容力の和は約4,320名で,今後の感染者も含めた第3波全体の累計感染者数です。プロファイルAとBは既に終息しており,現在はCがほぼ全てです。Cの環境収容力は約3,020名,基本再生産数の相当値は1.90,変曲点(ピーク)は1月14日でしたが,最近は半日遅くなった15日と算出されています。このプロファイルは,変曲点に到達する頃の解析では,基本再生産数が小さく,環境収容力も大きく見積もられていました。本日は変曲点から2週間を経過しているので,パラメータの確度は高くなっています。23日の解析でのプロファイルCと本日のものとの差異は極めて小さくなっています。

第3波Cのうち,これまで出現した数は2,635名となり,今後に見込まれる感染者数は約370名まで小さくなっています。なお,1月24日の解析では,Cの環境収容力は2,880名,基本再生産数相当値が1.96でした。本日の解析との差は僅かですが,有意なものと考えています。

第3波は,再生産率が10月24日頃に1を越えて急に大きくなり,11月8日頃には2.2の最大値を示しました。その後の減少も早く,11月24日頃には1を切り,日別感染者数はいったんピークとなりました。12月10日頃には0.5まで低下してからは増加に転じ,第3波Cが卓越しだしました。12月18日には1を越えて感染者数は増加に転じ,29日には1.65まで大きくなってから減り始め,1月14日頃に1を切りました。これが感染者数のピークです。その後の減少も順調で,本日は0.33まで小さくなっています。

現在の日別感染者数は,計算上はピークのほぼ半分となっています。このままのペースが続くと,2月11日頃の感染者数は12名程度と見込まれます。しかしながら,23日のプロファイルの幅よりも本日現在の幅が広くなっており(内的自然増加率,基本再生産数が小さくなる傾向にある),減少のペースが遅くなる可能性が解析では現われています。とくに,25日以降は日別の感染者数の減少が小さくなっているように見えます。この傾向には十分な注意が必要です。

図2. 茨城県の感染者数プロファイルの最適化の詳細 [クリックで拡大]
 
図2は,各プロファイルからの日別感染者数の計算値(第2+γ波がD f2' calc,第3波のAがD f3A calc,BがD f3B calc,CがD f3C calc)と,これらを合成した計算値(日別calc)を示します。感染者数の累計値(累計obs')に計算値を最適化した結果(累計calc')は図2に示してあります(最新の累計感染者数で除して最大値が1.2となるように規格化した値です)。
 
第3波Cについて"τ×平均"と"τ×増加率"の指標を図2に示しています。τ×平均は実質的な増加率であり,最適化の計算で得られるτ×増加率が上下に振れながら,τ×平均を追随しています。年末年初の減少とその後の増大が顕著で,休日の11日の後に少し減り,またτ×増加率に近づいています。これら指標が初期の値の1/2になる時点が変曲点ですので,変曲点からは大きく経過しています。1月25日頃からは"τ×平均"が"τ×増加率"よりもやや大きなっていることない注目ください。

図の見方などについては,"COVID-19 感染者数プロファイルの計算モデルと見方"をご覧ください。

COVID-19 北海道の感染者数プロファイルの解析 [2021年1月17日; 30日更新]

COVID-19 北海道の感染者数プロファイルの解析 [2021年1月17日; 23日; 30日更新]

Profile analyses of COVID-19 affected numbers in Hokkaido [Jan. 17th, 2021; Updated Jan. 23th and 30th]

北海道のCOVID-19新型コロナウィルス感染症の感染者数について,本日2021年1月17日発表までのデータを使用して,感染者数のプロファイルを解析しました。減少傾向にあった第3波は,12月30日と31日に感染者数の増加があった後に年初は最小の状態にありました。しかし,1月6日からは急な増加を示し,週末と11日の休日には減少したものの,先週の後半には感染者が多く報告されました。

北海道のデータについては,前回12月16日の"COVID-19 北海道の感染者数プロファイルの解析(前回)"のブログでは,第3波が収束に傾向にあることを述べました。上記のような感染の再拡大が見られたことから,新たにプロファイルCを導入し,ロジステック関数でプロファイルを最適化する方法で,今回の解析も前回と同様に行いました。

1月30日更新: 図0-2は30日現在までのデータを用いた解析の結果(内容説明は図1と同じ)です。プロファイルCの変曲点(ピーク)は前回の13日から14日になりました。

第3波のプロファイルAとBは終息し,Cも収束の傾向を継続しています。第3波の環境収容力の和は約14,700名から15,260名に増え,Cだけだと約3,900名から約4,900名に増えました。Cのうち4,250名が現在まで現れたことから,今後の分は約650名です。Cの基本再生産数の相当値は2.1から1.86に低下し,減少のペースが遅くなったことを示しています。再生産率(実効再生産数に相当)は0.36まで低下しています。

図の黒い破線(日別1/23)は,1月23日のプロファイルCです。本日のプロファイルCが幅広にになり,基本再生産数相当値の減少に伴って,感染者数の減少のペースが低下していることが明瞭に表れています。これをもたらしているのは,主に今週になってからの感染者数が高止まりしているに由来しています。この傾向は新たなプロファイルの発生を示唆しているのかもしれず,今後も注目する必要があります。更新はここまで。

図0-2. 北海道の感染者数プロファイルの詳細と再生産率: 1月30日更新 [図のクリックで拡大]

1月23日更新: 図0-1は23日現在までのデータを用いた解析の結果(内容説明は図1と同じ)です。プロファイルCは,19日に変曲点(ピーク)が13日まで早まり,その後は現在までほぼ一定のパラメータとなりました。変曲点からほぼ10日間が経過したことから,パラメータはほぼ確定です。

日別の感染者数は,20日にはやや大きい値を示しましたが,累計の計算値よりも未だ小さく,直前の少なかった数を相殺するものです。23日の感染者数も同様です。第3波のプロファイルAとBはほぼ終息し,Cも収束の傾向を継続しています。第3波の環境収容力の和は一定となって約14,700名で,Cだけだと約4,000名です。和のうち13,900名が現在まで現れ散ることから,今後の分は約800名です。Cの基本再生産数の相当値は2.1なので,1.7のBよりは減少のペースは早めです。

再生産率(実効再生産数に相当)を見ると,第3波の立ち上がりは速めでした。1を切って減少し始めて28日間が経過してからCが増え始めました。そのCも1月13日には1より小さくなり,現在は0.35までも小さくなっています。第3波のAとBの合計が最大の40%まで低下してからCが卓越したことが,速やかに増減し,かつ環境収容力が小さいプロファイルで第3波の後半が経過したことにつながりました。

日本の他の都府県では,年末から年初にかけて,とても大きな感染者が生じています。北海道は,第3波のピークを11月20日頃に迎える形で抑制することができ(他の都府県ではこの頃には抑制できませんでした),その後の減少の期間も長かったことから,プロファイルCの規模を小さく抑えることができたといえます。Cの今後についても,十分に数を低下させることができれば,次の感染(第4波?)の規模も小さくできると期待できます。更新はここまで。

図0-1. 北海道の感染者数プロファイルの詳細と再生産率: 1月23日更新 [図のクリックで拡大]

図1に9月6日から本日までの日別の感染者数(日別obs),日別感染者数の7日間移動平均値(日別ave)を示します(以前のプロットについてはこれまでのブログをご覧ください)。累計calcは最適化によって得た累計値の計算値,日別calcは累計calcから算出した日別感染者数の計算値です。"第3波"のプロファイルは,プロファイルA(図2のD 3fA calcに相当),B(D f3B calc),C(D f3C calc)の日別の感染者数の計算値の和です。

図1には,再生産率をプロットしてあります。この再生産率は日別感染者数の計算値から求めたもので,詳細は"COVID-19 東京都の感染者数プロファイルの解析 [10月11日]"(図の見方,説明などもこちら)をご覧ください。

再生産率は,1人の感染者が新たに引き起こす感染者の数,すなわち,実効再生産数に相当する値です。 図1の再生産率を見ると,その高いところの値は基本再生産数の相当値に対応して現れていますが,プロファイルが重なっているために,鈍化して低めの値,重なりの結果次第では1以下の値となっています。再生産率が1を越えると日別の感染者数が増えだし,1を切って小さくくなるところでピークを迎えて減少し始めます。COVID-19の感染の拡大・縮小期では,ある時点での感染者数に再生産率を乗じた数の感染者が,1週間後の新たな感染者数の目安となります。

図1. 北海道の感染者数プロファイルの詳細と再生産率[図のクリックで拡大]

Data source: 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する情報: 北海道オープンデータポータル https://www.harp.lg.jp/opendata/dataset/1369.html 

プロファイルAとBの環境収容力(プロファイルの終わりまでの全体の感染者数)の和は10,570名となりました。1月に入ってからは減少傾向のBと増加傾向のCが感染の主体となり,現在は大部分がCです。Bの基本再生産数相当値は1.72,Cの基本再生産数相当値は1.78で,基本再生産数相当値がほぼ等しいプロファイルです。

これら3つのプロファイルのパラメータは,連続的な累計感染者数から求めた便宜的なもので,和としてのプロファイルの方が個々のプロファイルよりも有意なものです。ただし,プロファイルCは,プロファイルAとBが一つの山となっているのに対して,別のピークで起点もかなり遅くなっています。第4波と呼んでもよいかもしれませんが,全国的にこのピークは第3波としてほぼ同じ時期に現れていることから,第3波Cとここでは呼びます。

日別calcと日別aveを見ると,年末年初には日別aveは日別calcを下回り,その後は逆に大きく上回っています。これは,年末年初には感染者数が少なく報告され,それが6日以降に加算されて大きな数になったと考えました。この過多と思われる分を過少の方へ移動させる補正を施すと,計算されるプロファイルとの合致が著しく改善されました。

解析では,この補正を行った結果を採用しています(補正を施さないと,1月6日からの分布が1週間程度の孤立したピークとなりました)。なお,他の都府県でも同様な過少と過多が顕著で,このブログのような補正を行わないと,適切な解釈が得られていない,あるいは感染拡大の過大なシグナルと捉えるのではとの危惧が推察されます。多くの都道府県の感染者数のデータは,年末年始の他にも,週末と休日の後の報告数が少なく,その後の週の後半に,この過少分が合わさって大きな感染者数となる場合がほとんどです。

図1の再生産率を見ると,11月27日には1を越え,感染者数の増加が始まりました。1月7日に1.30に達して,現在は1.10程度です。このまま経過すると19-20日には1を切り,この頃がプロファイルCの変曲点(ピーク)となります。Cの環境収容力は約6,600名と得られています。Cの基本再生産数相当値はBよりやや大きく,Bよりは減少ペースが早めです。個々のプロファイルは変曲点を挟んで時刻軸では左右対称なので(図2のD 3f calc を参照),収束には1ケ月間以上は要します。

北海道のプロファイルCは,他の都府県と比較して規模が小さく,収束も速やかのように見えます。これは,北海道では,12月には感染が明らかな減少傾向にあったこと,感染への取り組みが功を奏してきていた,などが背景にあるのでは推察しています。

図2 北海道の感染者数プロファイルの最適化の詳細 [図のクリックで拡大]
 
図2には,最適化解析の詳細として,各プロファイルの日別感染者数の計算値として,第3波のプロファイルAについてD f3A calc,BについてD f3B calc,CについてD f3 C calcも示します。

図2での感染者数の累計値は,累計数の直近の値(最大値)で除して1となるように規格化して累計obs',最適化した累計値も同じ値で除して累計calc'としてプロットしてあります。この2つのプロットがよく重なっていれば最適化が良好であることを意味します。第3波についての"τ×平均"と"τ×増加率"は,第3波のBにCを組み込んだものです。

図の見方などは,"COVID-19 感染者数プロファイルの計算モデルと見方"もご覧ください。

2021/01/24

COVID-19 神奈川県の感染者数プロファイルの解析[2021年1月24日]

COVID-19 神奈川県の感染者数プロファイルの解析[2021年1月24日]

Profile analyses of COVID-19 affected numbers in Kanagawa Pref. [January 24th, 2021]

 
神奈川県のCOVID-19新型コロナウィルス感染症の感染者数のプロファイルを解析しました。使用した感染者数データは,本日1月24日現在の神奈川県が公表の感染者数の累計です。感染者数のピークは1月14日となり,その後の減少は速やかです。
 
前回のブログ(1月1日)では,第3波が2つのプロファイルAとBから成り,Aはほぼ終息しているものの,Bはまだ拡大の傾向にあることを述べました。今回の解析も前回と同様に行いました。

図1に,日別の感染者数(日別obs),その7日間移動平均値(日別ave),累計の計算値から得られる日別の感染者数の計算値(日別calc)をプロットしました。曜日,クラスターの発生におもに起因する日別obsの大きなばらつきが,日別aveでは滑らかになっています。
 
年末と年初では感染者数が大きく減少し,その後の7日からは大きな増加が見られました。9日にはこれまでの最大数995名が記録されました。休日の11日の後も減少と増加が見られ,18日までこれら減少・増加は続きました。週末と休日の間とその直後の減少は,その後の増加で相殺されるので,累計すると2週間程度の後では減少・増加の解析結果への影響は小さくなります。神奈川県の場合は,東京都ほどはこの影響が強くなかったので,特別な操作は行っていません。

第3波プロファイルについて,プロファイルAとBの日別感染者数の計算値の和を図示しています。図の"再生産数"は,実効再生産数に相当する指標で,再生産率が1よりも大きければ大きいほど感染は拡大し,1ならばその状態が継続,1よりも小さければ小さいほど収束に向かう傾向が大きくなります。1を切る時点がピークです。

第3波のプロファイルはAとBの2つから成り,AとBは相関が強く,AはBが卓越してくるとBの影響を受けて本来(初期)のパラメータから変わってきます。Aは,初期の環境収容力は約3,000名でしたが,現在は約13,000名になり,基本再生産数の相当値が2.0から1.4まで下がりました。変曲点(ピーク)は11月20日から12月9日に移りました。これら変化は,解析がAとBの和の累計感染者数を最適化しているためです。

プロファイルBは既に変曲点を過ぎました。変曲点は14日です。ピークを越えて10日間を経過しており,Bのパラメータの確度は高くなっているはずです。その環境収容力は約24,400名,基本再生産数相当値は1.9と得られました。現在はプロファイルBが感染者数の大部分を占めています。合計した第3波の環境収容力は約37,200名です。合計した第3波のうちこれまで出現した数は30,400名なので,今後に見込まれる感染者数は6,800名となり,かなり少なくなりました。減少が加速すれば,今後の数は多少は少なくなります。

実際に感染がピークとなったのは,感染者数のピーク日の8日程度前と短めでも,1月6日になります。緊急事態宣言の前であり,その後の経過には効果があったのでしょうか。ちなみに,東京都の場合は,感染者数のピークが1月10日,実際の感染のピークが2日または3日です。東京都の発症日のピークはエピデータでは4日頃です。神奈川県は数日遅めです。なお,埼玉県と千葉県のプロファイルは神奈川県とよく似ており,感染者数のピークはまだ暫定的ですが,埼玉県が15日,千葉県が16日と,すこし遅めです。これで首都圏の4都県はピークを越えて明瞭な減少に入りました。

神奈川県の再生産率は,第2波の後も長くほぼ1に近い状態で,第2波の余波が一定の日別感染者数で推移しました。10月中旬には再生産率は1を越えて第3波となりました。増加のペースは12月10日頃から速くなり,1月1日頃には1.41の最大値を示しました。この値は,プロファイルAに,ほぼ同時進行したプロファイルBが大きく寄与しています。その後は減少に転じ,1月14日には1を切りました。ここが日別感染者数のピークです。11月20日頃にも再生産率が1を切りそうな状況がありましたが,Bの寄与が大きくなり,結果としてこのBが大きな感染者数を年初以後にもたらしました。

第2波が終息に至らなかったこと,第3波での11月下旬での減少の機会を逸したこと,などが長く大きな第3波の感染者数をもたらしたようです。この第3波も終息に向かっていますが,未だ感染者数はとても多く,今後の再拡大(第4波?)と高い感染力の変異ウイルスの脅威などを想起すると,感染者数を第2波の余波の状態よりも小さくすることが肝要と考えます。現状の人々の高まった感染への対応意識で,昨年の9月から10月の生活の状態を考えると,さほど不自由ではなく,経済活動も良好に過ごせそうです。

図1. 神奈川県のCOVID-19感染者数のプロファイル解析(1月24日) [図をクリックすると拡大します]

Data source: 神奈川県公表"新型コロナウイルス感染症対策 陽性患者数及び陽性患者の属性データ"
http://www.pref.kanagawa.jp/docs/t3u/dst/s0060925.html

累積の感染者数(累計obs)について最小二乗法により4つの関数プロファイルを最適化しています。図2は,各プロファイルからの日別感染者数の計算値(第2波(主要)がD f2 calc,これに付随するものがD f2' calc,第3波のAがD f3A calc,BがD f3B calc,合計がD f3 calc)と,これらを合成した計算値(日別calc)を示します。感染者数の累計値(累計obs')に計算値を最適化した結果(累計calc')は図2に示してあります(最新の累計感染者数で除して最大値が1.0となるように規格化した値です)。
 
図2. 神奈川県の感染者数プロファイルの最適化の詳細 [クリックで拡大]

第3波のプロファイルBについて"τ×平均"と"τ×増加率"を図2に示しています。τ×平均は実質的な増加率であり,最適化の計算で得られるτ×増加率を追随していて,このプロファイルのパラメータが感染者数をよく反映するものであることを意味しています。年末と年初の減少が顕著ですが,その後の一致度は良好です。

図の見方などについては,"COVID-19 感染者数プロファイルの計算モデルと見方"をご覧ください。

2021/01/18

COVID-19 茨城県の感染者数プロファイルの解析 [1月14日; 21日更新]

COVID-19 茨城県の感染者数プロファイルの解析 [2021年1月14日; 18日; 21日更新]

Profile analyses of COVID-19 affected numbers in Ibaraki Pref. [Jan. 14th, 2021; Updated Jan. 18th then 21th]

茨城県の新型コロナウイルス感染症の感染者数のプロファイルをロジスティック関数への最適化により解析しました。使用したデータは,茨城県が公表している「新型コロナウイルス感染症陽性者一覧」で,本日2021年1月14日までの最新の累計感染者数です。減少していた第3波の感染者数は,12月半ばから再び増え始め,このプロファイルCはかつてない規模で大きく増え続けています。

茨城県については,前回のブログ"COVID-19 茨城県の感染者数プロファイルの解析 [11月27日]"にて採り上げた際に,増加に転ずる兆候があったことから,12月28日,1月1日,1月8日と更新しながら経過をブログに追加してきました。これら追加更新では,これまでの第3波のプロファイルAとBに加えて,プロファイルCを加えて解析を行い,関東4都県で顕著な12月以降の増加傾向と対応する兆候と見て,感染の経過を考察してきました。

1月8日には127名もの感染者数が報道されました。12月中旬までは,大きな感染者数はクラスターに由来する突出した単発の数で,多くは県南部で発生したものでした。それ以降の感染は県内ほぼ全域に広がった,"市中感染"の傾向を示してきたようです。年末と年初には感染者数の減少がありましたが,1月5日からはこれまでにはない数の感染者数の増大となりました。1月5-12日の感染者数は年末年初の減少分を相殺する数を多く含んでおりましたが,これらを考慮しても増加の傾向がほぼ一定の増加率の拡大傾向を示しました。第3波としては3つのプロファイルを採るものとする,前回と同じ方法で感染者数のプロファイルを解析しました。

1月21日更新: 21日までの日別感染者数で計算すると,収束の傾向が明瞭となりました(図0-2)。水曜日と木曜日の感染者数は,少し多くなっていますが,少なめに報告される月曜日と火曜日の数を補っても,計算値よりも少なくなっています。その結果,第3波プロファイルCの変曲点がさらに早まって14日となりました。変曲点を過ぎて7日となっていることから,解析のパラメータは次第に確かなものとなってきました。

環境収容力は約2,770名まで小さくなり,基本再生産数の相当値は2.0まで増えました。これらパラメータの変化は収束傾向が確実さを増したことを示しています。実際に感染が最大となったのは6日ないし7日と考えられ,年初の大きな感染者数が現われ始めた頃です。これは年初には人々が感染に対処し,防ごうとする姿勢を強めたことを物語っています。

関東の他県は未だ明瞭な収束の傾向を見出すことができない状態ですが,東京都は既に10日頃に変曲点を過ぎています。感染最大の日から既に2週間近いこと,基本再生産数の相当値がやや大きいことから,新たなクラスターやプロファイルが出現しなければ,プロファイルCに沿って感染者数は減少するでしょう。更新はここまでです。

図0-2. 茨城県の感染者数と最適化による計算値: 1月21日結果 [図をクリックすると拡大]

1月18日更新: 先週の15日には159名のこれまでで最大の感染者数が報道されました。それでも,18日までの感染者数で計算すると,収束の傾向が見られます(図0-1)。月曜日の報道される感染者数は少ないこと,第3波プロファイルCはまだ変曲点を過ぎていないことから,以下の解析のパラメータは暫定的です。

環境収容力は約4,240名まで小さくなりました。基本再生産数の相当値は1.76と大きくなり,変曲点は1月19日頃へと早まりました。年初の大きな感染者数を目の当たりにして,人々が感染に対処し,防ごうとする姿勢が強くなったのでしょうか。更新はここまでです。

図0-1. 茨城県の感染者数と最適化による計算値: 1月18日結果 [図をクリックすると拡大]

図1に,日別の感染者数(日別obs),その7日間移動平均値(日別ave),累計の計算値から得られる日別の感染者数の計算値(日別calc)をプロットしました。クラスターの発生に起因する日別obsの大きなばらつきが,日別aveでは滑らかになっています。1日ないし2日の鋭く棒状に増えている日別感染者数は典型的なクラスターの発生を示唆します。なお,7月26日以前のグラフについては前回のブログをご覧ください。

図1. 茨城県の感染者数と最適化による計算値: 1月14日結果 [図をクリックすると拡大]

Data source: 茨城県が公表している「新型コロナウイルス感染症陽性者一覧」https://www.pref.ibaraki.jp/1saigai/2019-ncov/ichiran.html

図の"再生産率"は,実効再生産数に相当する指標で,再生産率が1よりも大きければ大きいほど感染は拡大し,1ならばその状態が継続,1よりも小さければ小さいほど収束に向かう傾向が大きくなります。1を切る時点がピークです。また,(再生産率)×(日別感染者数)がほぼ1週間後の感染者数となります。

第1波のプロファイルの環境収容力(そのプロファイル全体の感染者数)は約170名,基本再生産数の相当値(感染の初期において1人の感染者が引き起こす新たな感染者の数の目安)は2.2,変曲点(日別感染者数のピークの日時)は4月8日でした。第2波の主要なプロファイルは,環境収容力が約410名,基本再生産数相当値が1.7,変曲点が8月8日でした。

第3波のプロファイルAは,環境収容力は約530名,基本再生産数の相当値は2.5,変曲点は11月18日へと更新されました。プロファイルBは,環境収容力は約640名,基本再生産数相当値は2.4,変曲点は12月1日となりました。AとBを合計した環境収容力は約1,170名で,第2波(主要)の3倍近い規模です。Bは11月28日頃から減少に向かい,12月28日頃には感染者数への寄与はゼロとなりました。これに代わって,プロファイルCが大きく現われ,現在はすべてがCの寄与です。

第3波プロファイルCは,まだまだ増加の傾向にあり,以下の解析のパラメータは暫定的です。環境収容力は約8,300名,基本再生産数の相当値は1.61,変曲点は1月31日です。変曲点で,日別の感染者数が最大の180名越えとなり,累計の感染者数は環境収容力の半分の約4,150名です。これらパラメータの確度はピークを越えないと確度は低い(ほぼ単一のプロファイルとなったので最適化の精度はAとBよりは良です)のですが,このCは極めて規模の大きなものです。Cは,11月中頃から現われ,12月中旬に顕在化し,1月末頃に最大となります。その後の経過は,出現の経過を逆に辿るので,収束へ向かう人為的な強い効果が出ないと,3月末まで大きな感染者数を惹起してしまいます。

第3波Cのうち,これまで出現した数はまだ2,160名なので,今後に見込まれる感染者数は4,140名となります。これら感染者数,重症化する割合と"致死率"(概ね0.5%)を数に乗ずると,今後の医療への負担を概算できます。状況は深刻です。

第3波は,再生産率が10月17日頃から急に大きくなりはじめ,20日頃には1を越えました。増加のペースは速く,11月7日頃には2.15の最大値を示しました。この値は,プロファイルAと,ほぼ同時進行したプロファイルBの寄与の分を反映しています。その後は減少に転じ,11月24日頃には1を切りました。この頃に日別感染者数はいったんピークとなりました。

第3波AとBが成すピークを越えてからはプロファイルBの寄与が大きくなり,再生産率が0.45までも低下した後,また増え始めました。この増加はプロファイルCがもたらしたものです。12月17日頃に再生産率は1を越え,12月30日頃に1.52に達してから緩やかな減少に入りました。1月14日現在でも1.40の大きな値を示しています。感染の拡大は再生産率が1を越えた状態なので,拡大の期間が12月中旬からは1.5月間以上も続くことになりそうです。

図2. 茨城県の感染者数プロファイルの最適化の詳細 [クリックで拡大]
 
図2は,各プロファイルからの日別感染者数の計算値(第2+γ波がD f2' calc,第3波のAがD f3A calc,BがD f3B calc,CがD f3C calc)と,これらを合成した計算値(日別calc)を示します。感染者数の累計値(累計obs')に計算値を最適化した結果(累計calc')は図2に示してあります(最新の累計感染者数で除して最大値が1.2となるように規格化した値です)。
 
第3波Cについて"τ×平均"と"τ×増加率"の指標を図2に示しています。τ×平均は実質的な増加率であり,最適化の計算で得られるτ×増加率が上下に振れながら,τ×平均を追随しています。年末年初の減少とその後の増大が顕著で,休日の11日の後に少し減り,またτ×増加率に近づいています。これら指標が初期の値の1/2になる時点が変曲点です。

図の見方などについては,"COVID-19 感染者数プロファイルの計算モデルと見方"をご覧ください。