2021/01/30

COVID-19 茨城県の感染者数プロファイルの解析 [2021年1月30日]

COVID-19 茨城県の感染者数プロファイルの解析 [2021年1月30日]

Profile analyses of COVID-19 affected numbers in Ibaraki Pref. [Jan. 30th, 2021]

茨城県の新型コロナウイルス感染症の感染者数のプロファイルをロジスティック関数への最適化により解析しました。使用したデータは,茨城県が公表している「新型コロナウイルス感染症陽性者一覧」で,本日2021年1月30日までの最新の累計感染者数です。12月半ばから増加していた第3波のプロファイルCは,1月14日にピークに達した後,減少を続けています。しかし,1月24日頃からは減少のペースが遅くなったように見えます。

茨城県については,前回のブログ"COVID-19 茨城県の感染者数プロファイルの解析 [1月14日]"にて採り上げた後,21日に直近の更新を行いました。1月15日にはこれまでの最大の感染者数の159名がありました。23日には132名もの感染者数が報道されましたが,その前後にはこのような大きな数は現れず,この大きな数は単発的で,プロファイルを大きく変えることはありませんでした。第3波としては3つのプロファイルを採るものとする,前回と同じ方法で感染者数のプロファイルを解析しました。

図1に,日別の感染者数(日別obs),その7日間移動平均値(日別ave),累計の計算値から得られる日別の感染者数の計算値(日別calc)をプロットしました。クラスターの発生に起因する日別obsの大きなばらつきが,日別aveでは滑らかになっています。1日ないし2日の鋭く棒状に増えている日別感染者数は典型的なクラスターの発生を示唆します。なお,7月26日以前のグラフについては過去のブログをご覧ください。黒い破線の"日別1/23”は,1月23日の解析で得られた第3波Cのプロファイルで,この日と本日の結果の比較のために載せました。

図1. 茨城県の感染者数と最適化による計算値: 1月30日結果 [図をクリックすると拡大]

Data source: 茨城県が公表している「新型コロナウイルス感染症陽性者一覧」https://www.pref.ibaraki.jp/1saigai/2019-ncov/ichiran.html

図の"再生産率"は,実効再生産数に相当する指標で,再生産率が1よりも大きければ大きいほど感染は拡大し,1ならばその状態が継続,1よりも小さければ小さいほど収束に向かう傾向が大きくなります。1を切る時点がピークです。また,(再生産率)×(日別感染者数)がほぼ1週間後の感染者数となります。

第3波はプロファイルA,BとCで表されています。これらの環境収容力の和は約4,320名で,今後の感染者も含めた第3波全体の累計感染者数です。プロファイルAとBは既に終息しており,現在はCがほぼ全てです。Cの環境収容力は約3,020名,基本再生産数の相当値は1.90,変曲点(ピーク)は1月14日でしたが,最近は半日遅くなった15日と算出されています。このプロファイルは,変曲点に到達する頃の解析では,基本再生産数が小さく,環境収容力も大きく見積もられていました。本日は変曲点から2週間を経過しているので,パラメータの確度は高くなっています。23日の解析でのプロファイルCと本日のものとの差異は極めて小さくなっています。

第3波Cのうち,これまで出現した数は2,635名となり,今後に見込まれる感染者数は約370名まで小さくなっています。なお,1月24日の解析では,Cの環境収容力は2,880名,基本再生産数相当値が1.96でした。本日の解析との差は僅かですが,有意なものと考えています。

第3波は,再生産率が10月24日頃に1を越えて急に大きくなり,11月8日頃には2.2の最大値を示しました。その後の減少も早く,11月24日頃には1を切り,日別感染者数はいったんピークとなりました。12月10日頃には0.5まで低下してからは増加に転じ,第3波Cが卓越しだしました。12月18日には1を越えて感染者数は増加に転じ,29日には1.65まで大きくなってから減り始め,1月14日頃に1を切りました。これが感染者数のピークです。その後の減少も順調で,本日は0.33まで小さくなっています。

現在の日別感染者数は,計算上はピークのほぼ半分となっています。このままのペースが続くと,2月11日頃の感染者数は12名程度と見込まれます。しかしながら,23日のプロファイルの幅よりも本日現在の幅が広くなっており(内的自然増加率,基本再生産数が小さくなる傾向にある),減少のペースが遅くなる可能性が解析では現われています。とくに,25日以降は日別の感染者数の減少が小さくなっているように見えます。この傾向には十分な注意が必要です。

図2. 茨城県の感染者数プロファイルの最適化の詳細 [クリックで拡大]
 
図2は,各プロファイルからの日別感染者数の計算値(第2+γ波がD f2' calc,第3波のAがD f3A calc,BがD f3B calc,CがD f3C calc)と,これらを合成した計算値(日別calc)を示します。感染者数の累計値(累計obs')に計算値を最適化した結果(累計calc')は図2に示してあります(最新の累計感染者数で除して最大値が1.2となるように規格化した値です)。
 
第3波Cについて"τ×平均"と"τ×増加率"の指標を図2に示しています。τ×平均は実質的な増加率であり,最適化の計算で得られるτ×増加率が上下に振れながら,τ×平均を追随しています。年末年初の減少とその後の増大が顕著で,休日の11日の後に少し減り,またτ×増加率に近づいています。これら指標が初期の値の1/2になる時点が変曲点ですので,変曲点からは大きく経過しています。1月25日頃からは"τ×平均"が"τ×増加率"よりもやや大きなっていることない注目ください。

図の見方などについては,"COVID-19 感染者数プロファイルの計算モデルと見方"をご覧ください。

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