COVID-19 神奈川県の感染者数プロファイルの解析[1月1日]
Profile analyses of COVID-19 affected numbers in Kanagawa Pref. [January 1st, 2021]
第3波プロファイルについて,プロファイルAとBの日別感染者数の計算値の和を図示しています。図の"再生産数"は,実効再生産数に相当する指標で,再生産率が1よりも大きければ大きいほど感染は拡大し,1ならばその状態が継続,1よりも小さければ小さいほど収束に向かう傾向が大きくなります。1を切る時点がピークです。
第2波の主要なプロファイルの環境収容力(そのプロファイル全体の感染者数)は約3,850名,基本再生産数の相当値(感染の初期において1人の感染者が引き起こす新たな感染者の数の目安)は1.5,変曲点(日別感染者数のピークの日時)は8月13日でした。
第3波のプロファイルAは,環境収容力は約3,000名,基本再生産数の相当値は2.0,変曲点は11月20日と得られました。プロファイルBは未だピークに達しておらず,結果は暫定的で,ピークを越えて1週間に達しないと誤差が大きいものです。その環境収容力は約23,100名,基本再生産数相当値は1.6,変曲点は1月6日と得られました。現在はプロファイルBが感染者数の大部分を占めています。合計した第3波の環境収容力は26,100名で,第2波(主要)の9倍に近い大きな規模です。合計した第3波のうちこれまで出現した数は12,100名なので,今後に見込まれる感染者数は14,000名となり,まだまだ第3波は拡大します。
再生産率が9月23日頃からほぼで1で,第2波の余波が一定の日別感染者数で推移しました。10月20日頃に再生産率は1を越え,第3波となりました。増加のペースはやや速く,11月10日頃には1.41の最大値を示しました。この値は,プロファイルAと,ほぼ同時進行したプロファイルBの寄与の分を反映しています。その後は減少に転じ,11月23日には1を切りました。ここが日別感染者数の最初のピークです。このピークを越えてからはプロファイルBの寄与が大きくなり,12月1日には再び1を越えて感染は大きく拡大しました。
再生産率は12月17日には1.35まで達し,減少しながらも1を越えた状態で現在に至っています。感染の拡大は再生産率が1を越えた状態なので,拡大の期間が1ケ月間以上も続いています。たとえ直ちに収束に向かうとしても,期間は1ケ月は続くことになります。
図1. 神奈川県のCOVID-19感染者数のプロファイル解析(1月1日) [図をクリックすると拡大します] |
Data source: 神奈川県公表"新型コロナウイルス感染症対策 陽性患者数及び陽性患者の属性データ"
http://www.pref.kanagawa.jp/docs/t3u/dst/s0060925.html
図の見方などについては,"COVID-19 感染者数プロファイルの計算モデルと見方"をご覧ください。
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