COVID-19 北海道の感染者数プロファイルの解析 [11月16日]
Profile analyses of COVID-19 affected numbers in Hokkaido [November 16th, 2020]
図1に7月1日から本日までの日別の感染者数(日別obs),日別感染者数の7日間移動平均値(日別ave)を示します(7月以前のプロットについてはこれまでのブログをご覧ください)。累計calcは最適化によって得た累計値の計算値,日別calcは累計calcから算出した日別感染者数の計算値です。
9月上旬までの感染者数と解析したプロファイルについては,これまでのブログの内容から大きな変更はありません。図1では,日別感染者数の計算値も第3波(先駆)として,9月中旬からのなだらかな幅広いプロファイル5をプロットしています。急峻に立ち上がっているプロファイル6が第3波(急峻)です。
第3波(急峻)は,本日の解析では14日にピークに達したようです。ただ,ピークからの日数が少なく,1週間程度を経過しないと,得られたパラーメータの精度はまだ充分ではありません。
なだらかな第3波(先駆)のプロファイルは,環境収容力(得られたパラメータが継続するとしたときの全感染者数)は1,470名に達し,基本再生生産数の相当値は1.5,ピークは10月17日頃となりました。第3波(急峻)のプロファイルは,環境収容力4,350名,基本再生生産数の相当値は2.4ととても大きいもの(1週間で2.4倍に増加)です。増大が急峻なだけに,減少も速やかなはずです。ピークは14日頃,"再生産率"もこの日に1.0を切りました。本日の再生産率は0.72と算出されました。
第3波は,第3波(先駆)と第3波(急峻)と合わせて,本日までに3,900名の感染者数をカバーしており,4月の第1波の4.5倍を既に超えています。この2つの環境収容力の合計は5,800名ですから,今後でも2,000名の感染者を少なくとも生ずることになります。さらなるクラスターの発生などがあるとこの数を越えてしまいます。
日別の感染者数のピークは,実際に感染を引き起こす感染者の数のピークを1週間程度先立ちます。報告される感染者数がピークに達した後の1週間(今週)は,感染の増大を引き延ばす,クラスターを発生し易いなど,とくに注意が必要です。
図1. 北海道の感染者数プロファイルの詳細と再生産率 [図のクリックで拡大] |
Data source: 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する情報: 北海道オープンデータポータル https://www.harp.lg.jp/opendata/dataset/1369.html
図2での感染者数の累計値は,累計数の直近の値(最大値)で除して1となるように規格化して累計obs',最適化した累計値も同じ値で除して累計calc'としてプロットしてあります。この2つのプロットがよく重なっていれば最適化が良好であることを意味します。
τ×平均は実質的な増加率であり,最適化で得られるτ×増加率を追随しています。これは計算モデルが適切であること,モデルが実際を充分に追跡できていることを意味しています。図2の矢印は,直近の計算値の追随性について留意すべき箇所(赤い矢印)を指します。
図の見方などは,"COVID-19 感染者数プロファイルの計算モデルと見方"もご覧ください。