COVID-19 北海道の感染者数プロファイルの解析 [11月2日]
Profile analyses of COVID-19 affected numbers in Hokkaido [November 2nd, 2020]
図1に4月20日から本日までの,日別の感染者数(日別obs),日別感染者数の7日間移動平均価(日別ave)を示します(2月10日からのプロットは10月18日をご覧ください)。累計calcは最適化によって得た累計値の計算値,日別calcは累計calcから算出した日別感染者数の計算値です。
9月上旬までの感染者数と解析したプロファイルについては,先の2つのブログの内容からの大きな変更はありません。図1では,日別感染者数の計算値も第3波(先駆)として,9月中旬からのなだらかな大きいプロファイル5をプロットしています。
感染者数は10月23日から大きく増えはじめ,とくに先週から本日までは感染者数がさらに増えました。第3波(先駆)のプロファイルのみでは感染者数の動向を表現しきれなくなったので,前回のブログで述べたように,新たに第3波(急峻)としてプロファイル6を導入しました。このプロファイル6はまだピークに達していないようで,得られたパラーメータの精度は詳細を記述するには充分ではありませんが,最近の3週間の感染者数をよく反映しています。
第3波(先駆)のプロファイルは,環境収容力(得られたパラメータが継続するとしたときの全感染者数)は890名,基本再生生産数の相当値は第2波と同じ値の1.7,ピークは10月7日頃と得られました。第3波(急峻)のプロファイルは,本日までに660名の感染者数をカバーしており,ピークは1週間程度先と算出されました。したがって,感染者数が多い状況が3週間程度は続くのではと,とても危惧されます。
第3波(急峻)の基本再生産数の相当値は2.1程度(1週間で倍増するペース)と大きい値が得られています。第3波全体としては,2つのプロファイルの和なので,ピークの時期と環境収容力はまだ精度が充分ではないのですが,和としての環境収容力は3,600名と算出され,第1波の約4倍,第2波の約7倍と大きな数です。これまでに報告された感染者数として,第3波に帰属される感染者数は約1,470名で,9月7日以降の感染者数に対応します。
図1. 北海道の感染者数プロファイルの詳細と再生産率 [図のクリックで拡大] |
Data source: 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する情報: 北海道オープンデータポータル https://www.harp.lg.jp/opendata/dataset/1369.html
図2での感染者数の累計値は,累計数の直近の値(最大値)で除して1となるように規格化して累計obs',最適化した累計値も同じ値で除して累計calc'としてプロットしてあります。この2つのプロットがよく重なっていれば最適化が良好であることを意味します。
τ×平均は実質的な増加率であり,最適化で得られるτ×増加率を追随しています。これは計算モデルが適切であること,モデルが実際を充分に追跡できていることを意味しています。図2の矢印は,直近の計算値の追随性について留意すべき箇所(赤い矢印)を指します。
図の見方などは,"COVID-19 感染者数プロファイルの計算モデルと見方"もご覧ください。
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