2020/08/08

COVID-19 東京都の感染者数プロファイルの解析 [8月8日]

COVID-19 東京都の感染者数プロファイルの解析

[8月8日]

Profile analyses of COVID-19 affected numbers in Tokyo [August 8th, 2020]


東京都が本日8月8日に発表した感染者数は429名です。確定日の8月7日分は288名で,6日分は403名(104名追加)に,5日分は413名(29名追加)に変更されました。発表された数は,1週間前の8月1日の472名(これまでの最大値)よりは少なくなっています。なお,確定日ベースの最大値は7月31日の475名です。

変曲点(日別感染数のピーク)は確定日ベースの8月1日10時となり,昨日の解析結果からはほぼ1日の増です。"τ×平均2"を見ると,7月24日の連休前後に低下した実効再生産数が,7月上旬から続いている一連の流れに戻っています。感染者数プロファイルには大きな変化はなく,収束の傾向は続いています。

連休前のデータを用いた7月24日と25日の解析では,変曲点を8月1日としていました。23日には"感染者数プロファイルの計算モデルとグラフの見方"を掲載したのですが,ほぼその結果と同じ状況になっています。7月の連休前後に発表された感染者数の影響を受けたものの,ほぼ2週間以上にわたって感染者数のプロファイルは同じ傾向にあったことになります。
 
グラフの見方」は図の下方に挙げてあります。
 
8月8日発表の東京都の確定日別データ(8月7日まで)に基づいています [図をクリックすると拡大]
"τ×平均2"が,"τ×増加率"よりも小さい(下方の)時は収束の傾向(実効再生産数が減少),大きい(上方の)時はいっそう拡大の傾向(実効再生産数が増大)を意味しています。なお,"τ×増加率"自体も日々のデータに応じた最適化により,更新されていることにご注意ください。

グラフの見方


感染確定日データの日別の感染者数の累計が,"累計obs"です。ただし,最新の値で割って,最大値が1となるようにした"累計obs'"をグラフにプロットしています。

累計obsに合致するようにロジスティック関数を最適化し,最適化した関数による計算値が"累計calc"です。この値を最新の累計obsで割った"累計obs'"と"累計calc'"をプロットしています。最新の"累計obs'"は1です。

"日別obs"は,日別の感染者数です。最適化した関数から計算される日別の感染者数が"日別calc"です。

最適化した関数から計算される内的自然増加率 r から計算される実効再生産数が,"τ×増加率"です。ここでの τ (tau) は,感染者が感染させてしまう平均日数で,値は7を採用しています。初期の頃の"τ×増加率"に1を加えた数が基本再生産数に対応すると考えられ,東京都の第1波では2,第2波では1.55程度です。

日別の感染者数から見積もることができる"τ×増加率"に相当する値について,素のデータが曜日ごとのばらつきが大きいため,7日間の移動平均をとった値が"τ×平均"です。第1波について"τ×平均1",第2波について"τ×平均2"としています。最新の3日間では7日間移動平均が適用できませんが,動向を把握するために,最新日は実際の値そのもの,前日では3日間の,前々日では5日間の移動平均を採用しています。そのため,最新日と前日の値の変動の幅は大きくなっています。

これら"τ×平均"は関数モデルが妥当ならば,"τ×増加率"に次第に合致するはずです。"τ×平均1"は第1波の"τ×増加率"によく沿っていて,"τ×平均2"は変化しながらも第2波の"τ×増加率"に追随しています。

"累計calc'""日別calc""τ×増加率"は日付を指定すれば計算できるので,数日後の値もプロットしています。

日別感染者数がピークに達するとき,"日別calc""τ×増加率"は変曲点に来ます。変曲点に来ると"τ×増加率"が初めのころの値の1/2となります。"τ×増加率""τ×平均"が次第に小さくなって,半分となる時期が感染のピークです。このときの累計感染者数を2倍すると,最大値になります。

"日別calc"はピークを挟んでグラフでは左右対称となります(偶関数です)。ピークの前と後では日別感染者数,および,その累計値(こちらは奇関数)はほとんど同じ値になります。

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