COVID-19 東京都の感染者数プロファイルの解析
[8月15日]
Profile analyses of COVID-19 affected numbers in Tokyo [August 15th, 2020]
東京都が本日8月15日に発表した感染者数は385名です。確定日の8月14日分は244名と大きな数です。13日分は409名(126名追加)へと大幅に増えました。12日分は243名(12名追加)に変更されました。
昨日と本日の感染者数が多かったため,連休で少なかった累計数の分が解消されました。変曲点(日別感染数のピーク)は確定日ベースの8月1日4時で,昨日の解析よりも約6時間遅くなりました。日々の発表数のばらつきが大きいため,変曲点は7月31日と8月1日を中心に,解析の日毎に前後していますが,ほぼ一定しています。感染者数プロファイルには大きな変化はなく,収束の傾向は続いています。
致死率は1.9%まで低下し,低下の傾向は続いています。また,重症者の数も小さな値に留まっています。6月1日以降の感染者については致死率は0.3%を下回っています。感染者の半数以上が若い人たちであることが低下の主因です。一方,40代から70歳未満の中高年の感染者が増えているとの指摘もあります。
「グラフの見方」は図の下方に挙げてあります。
8月15日発表の東京都の確定日別データ(8月14日まで)に基づいています [図をクリックすると拡大] |
グラフの見方
感染確定日データの日別の感染者数の累計が,"累計obs"です。ただし,最新の値で割って,最大値が1となるようにした"累計obs'"をグラフにプロットしています。
累計obsに合致するようにロジスティック関数を最適化し,最適化した関数による計算値が"累計calc"です。この値を最新の累計obsで割った"累計obs'"と"累計calc'"をプロットしています。最新の"累計obs'"は1です。
"日別obs"は,日別の感染者数です。最適化した関数から計算される日別の感染者数が"日別calc"です。
最適化した関数から計算される内的自然増加率 r から計算される実効再生産数が,"τ×増加率"です。ここでの τ
(tau) は,感染者が感染させてしまう平均日数で,値は7を採用しています。初期の頃の"τ×増加率"に1を加えた数が基本再生産数に対応すると考えられ,東京都の第1波では2,第2波では1.55程度です。
日別の感染者数から見積もることができる"τ×増加率"に相当する値について,素のデータが曜日ごとのばらつきが大きいため,7日間の移動平均をとった値が"τ×平均"です。第1波について"τ×平均1",第2波について"τ×平均2"としています。最新の3日間では7日間移動平均が適用できませんが,動向を把握するために,最新日は実際の値そのもの,前日では3日間の,前々日では5日間の移動平均を採用しています。そのため,最新日と前日の値の変動の幅は大きくなっています。
これら"τ×平均"は関数モデルが妥当ならば,"τ×増加率"に次第に合致するはずです。"τ×平均1"は第1波の"τ×増加率"によく沿っていて,"τ×平均2"は変化しながらも第2波の"τ×増加率"に追随しています。
"累計calc'","日別calc"と"τ×増加率"は日付を指定すれば計算できるので,数日後の値もプロットしています。
日別感染者数がピークに達するとき,"日別calc"と"τ×増加率"は変曲点に来ます。変曲点に来ると"τ×増加率"が初めのころの値の1/2となります。"τ×増加率"と"τ×平均"が次第に小さくなって,半分となる時期が感染のピークです。このときの累計感染者数を2倍すると,最大値になります。
"日別calc"はピークを挟んでグラフでは左右対称となります(偶関数です)。ピークの前と後では日別感染者数,および,その累計値(こちらは奇関数)はほとんど同じ値になります。
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