COVID-19 東京都の感染者数プロファイルの解析
[8月18日]
Profile analyses of COVID-19 affected numbers in Tokyo [August 18th, 2020]
東京都が本日8月18日に発表した感染者数は207名です。確定日の8月17日分はわずか110名です。16日分は136名(43名追加),15日分は271名(25名追加)となりました。本日の発表数のうち21名は7月24日まで遡った追加分です。
変曲点(日別感染数のピーク)は確定日ベースの8月1日1時で,約1時間早まりましたが,値の変動はわずかです。感染者数プロファイルには変化はありません。
東京都と最新の埼玉県(8月11日掲載はこちら)のプロファイルを比較すると,環境収容力(第2波全体の累計感染者数を表す)が東京都は16,940,埼玉県は2,930で,日別感染者数のピークでは東京都が5.8倍となっています。この点を除けば,プロファイルの概形,すなわち内的自然増加率(基本再生産数)と変曲点の日時)が極めてよく合致し,まったく同じプロファイルといえます。東京型や埼玉型のような感染パターンを認知はできませんでした。
「グラフの見方」は図の下方に挙げてあります。
8月18日発表の東京都の確定日別データ(8月17日まで)に基づいています [図をクリックすると拡大] |
グラフの見方
感染確定日データの日別の感染者数の累計が,"累計obs"です。ただし,最新の値で割って,最大値が1となるようにした"累計obs'"をグラフにプロットしています。
累計obsに合致するようにロジスティック関数を最適化し,最適化した関数による計算値が"累計calc"です。この値を最新の累計obsで割った"累計obs'"と"累計calc'"をプロットしています。最新の"累計obs'"は1です。
"日別obs"は,日別の感染者数です。最適化した関数から計算される日別の感染者数が"日別calc"です。
最適化した関数から計算される内的自然増加率 r から計算される実効再生産数が,"τ×増加率"です。ここでの τ
(tau) は,感染者が感染させてしまう平均日数で,値は7を採用しています。初期の頃の"τ×増加率"に1を加えた数が基本再生産数に対応すると考えられ,東京都の第1波では2,第2波では1.55程度です。
日別の感染者数から見積もることができる"τ×増加率"に相当する値について,素のデータが曜日ごとのばらつきが大きいため,7日間の移動平均をとった値が"τ×平均"です。第1波について"τ×平均1",第2波について"τ×平均2"としています。最新の3日間では7日間移動平均が適用できませんが,動向を把握するために,最新日は実際の値そのもの,前日では3日間の,前々日では5日間の移動平均を採用しています。そのため,最新日と前日の値の変動の幅は大きくなっています。
これら"τ×平均"は関数モデルが妥当ならば,"τ×増加率"に次第に合致するはずです。"τ×平均1"は第1波の"τ×増加率"によく沿っていて,"τ×平均2"は変化しながらも第2波の"τ×増加率"に追随しています。
"累計calc'","日別calc"と"τ×増加率"は日付を指定すれば計算できるので,数日後の値もプロットしています。
日別感染者数がピークに達するとき,"日別calc"と"τ×増加率"は変曲点に来ます。変曲点に来ると"τ×増加率"が初めのころの値の1/2となります。"τ×増加率"と"τ×平均"が次第に小さくなって,半分となる時期が感染のピークです。このときの累計感染者数を2倍すると,最大値になります。
"日別calc"はピークを挟んでグラフでは左右対称となります(偶関数です)。ピークの前と後では日別感染者数,および,その累計値(こちらは奇関数)はほとんど同じ値になります。
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