2020/07/31

COVID-19 東京都の感染者数プロファイルの解析 [7月31日]

COVID-19 東京都の感染者数プロファイルの解析

[7月31日]

Profile analyses of COVID-19 affected numbers in Tokyo [July 31, 2020]


東京都が本日7月31日に発表した感染者数は463名で,木曜日30日のこれまでの最大値367名を大きく越えました。確定日別のデータは,30日分が318名です。29日分が444名と140名も追加され,過去最大となりました。

連休直後は"τ×平均2"が"τ×増加率"よりも値が小さかったのですが,29日と30日の値はかなり大きくなりました。連休中の小さかった分を帳消しにする傾向です。

"日別obs"の7日間平均は"日別calc"の7日間平均値に近くなりましたが,まだ小さめに推移しています。"τ×増加率"のカーブが示す感染ピークは確定日ベースの7月29日のままで,変更はありません。

東京都の第2波の基本再生産数は1.55程度で,私が別途見積もった大阪府の2.0に近い値や愛知県の2.5に近い値よりは低い値で,感染のピークにも既に達していると推察されます。

グラフの見方」は図の下方に挙げてあります。
 
7月31日発表の東京都の確定日別データ(7月30日まで)に基づいています [図をクリックすると拡大]
"τ×平均2"が,"τ×増加率"よりも小さい(下方の)時は収束の傾向(実効再生産数が減少),大きい(上方の)時はいっそう拡大の傾向(実効再生産数が増大)を意味しています。なお,"τ×増加率"自体も日々のデータに応じた最適化により,更新されていることにご注意ください。

グラフの見方


感染確定日データの日別の感染者数の累計が,"累計obs"です。ただし,最新の値で割って,最大値が1となるようにした"累計obs'"をグラフにプロットしています。

累計obsに合致するようにロジスティック関数を最適化し,最適化した関数による計算値が"累計calc"です。この値を最新の累計obsで割った"累計obs'"と"累計calc'"をプロットしています。最新の"累計obs'"は1です。

"日別obs"は,日別の感染者数です。最適化した関数から計算される日別の感染者数が"日別calc"です。

最適化した関数から計算される内的自然増加率 r から計算される実効再生産数が,"τ×増加率"です。ここでの τ (tau) は,感染者が感染させてしまう平均日数で,値は7を採用しています。初期の頃の"τ×増加率"に1を加えた数が基本再生産数に対応すると考えられ,東京都の第1波では2,第2波では1.55程度です。

日別の感染者数から見積もることができる"τ×増加率"に相当する値について,素のデータが曜日ごとのばらつきが大きいため,7日間の移動平均をとった値が"τ×平均"です。第1波について"τ×平均1",第2波について"τ×平均2"としています。最新の3日間では7日間移動平均が適用できませんが,動向を把握するために,最新日は実際の値そのもの,前日では3日間の,前々日では5日間の移動平均を採用しています。そのため,最新日と前日の値の変動の幅は大きくなっています。

これら"τ×平均"は関数モデルが妥当ならば,"τ×増加率"に次第に合致するはずです。"τ×平均1"は第1波の"τ×増加率"によく沿っていて,"τ×平均2"は変化しながらも第2波の"τ×増加率"に追随しています。

"累計calc'""日別calc""τ×増加率"は日付を指定すれば計算できるので,数日後の値もプロットしています。

日別感染者数がピークに達するとき,"日別calc""τ×増加率"は変曲点に来ます。変曲点に来ると"τ×増加率"が初めのころの値の1/2となります。"τ×増加率""τ×平均"が次第に小さくなって,半分となる時期が感染のピークです。このときの累計感染者数を2倍すると,最大値になります。

"日別calc"はピークを挟んでグラフでは左右対称となります(偶関数です)。ピークの前と後では日別感染者数,および,その累計値(こちらは奇関数)はほとんど同じ値になります。

2020/07/30

COVID-19 東京都の感染者数プロファイルの解析 [7月30日]

COVID-19 東京都の感染者数プロファイルの解析

[7月30日]

Profile analyses of COVID-19 affected numbers in Tokyo [July 30, 2020]


東京都が本日7月30日に発表した感染者数は367名で,先週木曜日の23日の最大値366名を越えました。確定日別のデータは,29日分が304名です。28日分が266名と56名追加に,27日分が241名(5名追加)に増えました。

連休直後は"τ×平均2"が"τ×増加率"よりも値が小さかったのですが,28日と29日の値は大きくなりました。

"τ×増加率"のカーブが示す感染ピークは確定日ベースの7月29日のままです。感染者数の"日別calc"のピークは滑らかなので,今後のデータの推移によっては多少の変動があり得ます。

グラフの見方」は図の下方に挙げてあります。
 
7月30日発表の東京都の確定日別データ(7月29日まで)に基づいています [図をクリックすると拡大]
"τ×平均2"が,"τ×増加率"よりも小さい(下方の)時は収束の傾向(実効再生産数が減少),大きい(上方の)時はいっそう拡大の傾向(実効再生産数が増大)を意味しています。なお,"τ×増加率"自体も日々のデータに応じた最適化により,更新されていることにご注意ください。

グラフの見方


感染確定日データの日別の感染者数の累計が,"累計obs"です。ただし,最新の値で割って,最大値が1となるようにした"累計obs'"をグラフにプロットしています。

累計obsに合致するようにロジスティック関数を最適化し,最適化した関数による計算値が"累計calc"です。この値を最新の累計obsで割った"累計obs'"と"累計calc'"をプロットしています。最新の"累計obs'"は1です。

"日別obs"は,日別の感染者数です。最適化した関数から計算される日別の感染者数が"日別calc"です。

最適化した関数から計算される内的自然増加率 r から計算される実効再生産数が,"τ×増加率"です。ここでの τ (tau) は,感染者が感染させてしまう平均日数で,値は7を採用しています。初期の頃の"τ×増加率"に1を加えた数が基本再生産数に対応すると考えられ,東京都の第1波では2,第2波では1.55程度です。

日別の感染者数から見積もることができる"τ×増加率"に相当する値について,素のデータが曜日ごとのばらつきが大きいため,7日間の移動平均をとった値が"τ×平均"です。第1波について"τ×平均1",第2波について"τ×平均2"としています。最新の3日間では7日間移動平均が適用できませんが,動向を把握するために,最新日は実際の値そのもの,前日では3日間の,前々日では5日間の移動平均を採用しています。そのため,最新日と前日の値の変動の幅は大きくなっています。

これら"τ×平均"は関数モデルが妥当ならば,"τ×増加率"に次第に合致するはずです。"τ×平均1"は第1波の"τ×増加率"によく沿っていて,"τ×平均2"は変化しながらも第2波の"τ×増加率"に追随しています。

"累計calc'""日別calc""τ×増加率"は日付を指定すれば計算できるので,数日後の値もプロットしています。

日別感染者数がピークに達するとき,"日別calc""τ×増加率"は変曲点に来ます。変曲点に来ると"τ×増加率"が初めのころの値の1/2となります。"τ×増加率""τ×平均"が次第に小さくなって,半分となる時期が感染のピークです。このときの累計感染者数を2倍すると,最大値になります。

"日別calc"はピークを挟んでグラフでは左右対称となります(偶関数です)。ピークの前と後では日別感染者数,および,その累計値(こちらは奇関数)はほとんど同じ値になります。

COVID-19 日本の感染者数プロファイルの解析 [7月30日]

COVID-19 日本の感染者数プロファイルの解析

[7月30日]

Profile analyses of COVID-19 affected numbers in Japan [July 30, 2020]



日本国内でのCOVID-19の感染者数(朝日新聞発表,7月30日現在)の累計値を,ロジスティック関数への最適化で解析しました。
 
7月18日に掲載した前回の解析の結果からはプロファイルの概形には大きな変更はありません。日別の感染者数は棒グラフの"日別obs"で,大きく変動しています。綠の実線の"日別calc"はこれらをよく追随しています。

"τ×増加率"は関数から得られる実効再生産数に相当する値(独自に定義しています),"τ×平均"は日別感染者数から算出される実効再生産数の相当値です。計算モデルが妥当ならば,累計数が増えるにしたがって"τ×平均"は"τ×増加率"に近づきます。
第1波ではこの様子がよく顕れています。第2波の現在の値は0.44程度です。

プロファイルの初期の頃の"τ×増加率"に1を加えた数が基本再生産数に対応し,第1波はおよそ1.8で東京都よりは小さめ,第2波は1.6程度でやや大きめです。第1波は東京都よりは緩やかに,第2波はすこし急に感染が拡大しています。ただし,これらの特徴は,東京都も含めた日本全体をひとまとめで解析した結果で,得られる値は小さめです。

実効再生産数が初期の頃の値の半分になると,変曲点(日別感染者数のピーク)です。第2波では0.28に相当しますが,まだまだ先です。

 
7月30日までの日本国内の感染者数の累計データに基づいています [クリックで拡大]
"τ×平均2"が,"τ×増加率"よりも小さい(下方の)時は収束の傾向(実効再生産数が減少),大きい(上方の)時はいっそう拡大の傾向(実効再生産数が増大)を意味しています。なお,"τ×増加率"自体も日々のデータに応じた最適化により,更新されていることにご注意ください。

計算モデルとグラフの見方は,"COVID-19 感染者数プロファイルの計算モデルと見方"
(https://ysatow.blogspot.com/2020/07/covid-19_23.html)
をご覧下さい。

COVID-19 大阪府の感染者数プロファイルの解析 [7月30日]

COVID-19 大阪府の感染者数プロファイルの解析

[7月30日]

Profile analyses of COVID-19 affected numbers in Osaka Pref. [July 30, 2020]



大阪府でのCOVID-19の感染者数(大阪府発表,7月30日現在)の累計値を,ロジスティック関数への最適化で解析しました。

感染者数の累計値は,
"累計obs'"が1となるように最新の値(最大値)で除し,同様に計算値も除して"累計calc'"としてグラフに示しています。日別の感染者数は棒グラフの"日別obs"で,大きく変動しています。綠の実線の"日別calc"は計算値で,これらをよく追随しています。

"τ×増加率"は関数から得られる実効再生産数に相当する値(独自に定義しています),"τ×平均"は日別感染者数から算出される実効再生産数の相当値です。計算モデルが妥当ならば,累計数が増えるにしたがって"τ×平均"は"τ×増加率"に近づきます。
第1波ではこの様子がよく顕れています。第2波の現在の値は0.67程度と依然として大きな値です。

プロファイルの初期の頃の"τ×増加率"に1を加えた数が基本再生産数に対応し,第1波はおよそ1.9で,第2波も1.9程度で東京都や日本国内の値よりもかなり大きい値です。第2波は急峻に感染が拡大していて,これは第2波の最終的な累計感染者数が第1波の4倍以上と見積もられているためです(変曲点の前では,誤差が大きく,精度は十分ではありません)。

実効再生産数が基本再生産数の半分になると,変曲点(日別感染者数のピーク)になります。第2波では0.45に相当しますが,まだまだ先のようです。


7月30日までの大阪府の感染者数の累計データに基づいています [クリックで拡大]
Data Source: 大阪モデル モニタリング指標の状況 http://www.pref.osaka.lg.jp/iryo/osakakansensho/corona_model.html
 
"τ×平均2"が,"τ×増加率"よりも小さい(下方の)時は収束の傾向(実効再生産数が減少),大きい(上方の)時はいっそう拡大の傾向(実効再生産数が増大)を意味しています。なお,"τ×増加率"自体も日々のデータに応じた最適化により,更新されていることにご注意ください。

計算モデルとグラフの見方は,"COVID-19 感染者数プロファイルの計算モデルと見方"
(https://ysatow.blogspot.com/2020/07/covid-19_23.html)
をご覧下さい。

2020/07/29

COVID-19 東京都の感染者数プロファイルの解析 [7月29日]

COVID-19 東京都の感染者数プロファイルの解析

[7月29日]

Profile analyses of COVID-19 affected numbers in Tokyo [July 29, 2020]


東京都が本日7月29日に発表した感染者数は250名でした。確定日別のデータは,28日分が210名です。27日分が236(34名追加)に,26日分が107名(+3名)に増えました。

連休直後は"τ×平均2"が"τ×増加率"よりも値が小さかったのですが,28日の値も小さいままです。"τ×増加率"のカーブは小さな発表数の影響を受けて,計算での感染ピークは7月29日に早まりました。
 
月曜日と火曜日のPCR検査の数が連休前の水準に近づき,陽性率も6.5%と安定していること,"τ×増加率"も次第に減少したことから,感染ピークの変曲点に近いことが判ります。
 
早まったのには,人々が感染拡大を自覚して適切に行動したこと,天候の不順,連休での行動の自粛などが寄与しているかもしれません。収束傾向が早まると,全体としての感染者数(ピークとその前後の数にほぼ比例)が大きく減少することを意味しています。

これまでは木曜日と金曜日の発表数が著しく大きかったので,この木曜日と金曜日の発表にはとくに注目です。感染者数"日別calc"のピークは,大きな変動が無ければ今週末です。

グラフの見方」は図の下方に挙げてあります。

7月29日発表の東京都の確定日別データ(7月28日まで)に基づいています [図をクリックすると拡大]

"τ×平均2"が,"τ×増加率"よりも小さい(下方の)時は収束の傾向(実効再生産数が減少),大きい(上方の)時はいっそう拡大の傾向(実効再生産数が増大)を意味しています。なお,"τ×増加率"自体も日々のデータに応じた最適化により,更新されていることにご注意ください。

グラフの見方


感染確定日データの日別の感染者数の累計が,"累計obs"です。ただし,最新の値で割って,最大値が1となるようにした"累計obs'"をグラフにプロットしています。

累計obsに合致するようにロジスティック関数を最適化し,最適化した関数による計算値が"累計calc"です。この値を最新の累計obsで割った"累計obs'"と"累計calc'"をプロットしています。最新の"累計obs'"は1です。

"日別obs"は,日別の感染者数です。最適化した関数から計算される日別の感染者数が"日別calc"です。

最適化した関数から計算される内的自然増加率 r から計算される実効再生産数が,"τ×増加率"です。ここでの τ (tau) は,感染者が感染させてしまう平均日数で,値は7を採用しています。初期の頃の"τ×増加率"に1を加えた数が基本再生産数に対応すると考えられ,東京都の第1波では2,第2波では1.55程度です。

日別の感染者数から見積もることができる"τ×増加率"に相当する値について,素のデータが曜日ごとのばらつきが大きいため,7日間の移動平均をとった値が"τ×平均"です。第1波について"τ×平均1",第2波について"τ×平均2"としています。最新の3日間では7日間移動平均が適用できませんが,動向を把握するために,最新日は実際の値そのもの,前日では3日間の,前々日では5日間の移動平均を採用しています。そのため,最新日と前日の値の変動の幅は大きくなっています。

これら"τ×平均"は関数モデルが妥当ならば,"τ×増加率"に次第に合致するはずです。"τ×平均1"は第1波の"τ×増加率"によく沿っていて,"τ×平均2"は変化しながらも第2波の"τ×増加率"に追随しています。

"累計calc'""日別calc""τ×増加率"は日付を指定すれば計算できるので,数日後の値もプロットしています。

日別感染者数がピークに達するとき,"日別calc""τ×増加率"は変曲点に来ます。変曲点に来ると"τ×増加率"が初めのころの値の1/2となります。"τ×増加率""τ×平均"が次第に小さくなって,半分となる時期が感染のピークです。このときの累計感染者数を2倍すると,最大値になります。

"日別calc"はピークを挟んでグラフでは左右対称となります(偶関数です)。ピークの前と後では日別感染者数,および,その累計値(こちらは奇関数)はほとんど同じ値になります。

2020/07/28

COVID-19 東京都の感染者数プロファイルの解析 [7月28日]

COVID-19 東京都の感染者数プロファイルの解析

[7月28日]

Profile analyses of COVID-19 affected numbers in Tokyo [July 28, 2020]


東京都が本日7月28日に発表した感染者数は266名でした。確定日別のデータは,27日分が202名です。26日分が104(37名追加)に,25日分が189名(+12名)に増えました。これら感染者数の大多数は連休中に検査に付された方々についてのものでしょう。

連休直後のため,"τ×平均2"が"τ×増加率"よりも値が小さく,25日と26日の値はとくに小さくなっています。"τ×増加率"のカーブは小さな発表数の影響をそれほどは受けてはいませんが,感染ピークは7月30日になりました。感染者数"日別calc"のピークは,今後の変動があったとしても,今週末か来週早々です。
 
今後,連休中の少なかった検査数の反動で,日別の感染者数が2倍近くに大きくなると考えられることから,日別の増加数の軸の最大値を大きくしてあります。

ワクチン開発が世界中で加速されているとのニュースを見聞きします。感染を拡大させない免疫保持者(集団免疫)の割合は,基本再生産数 R0 を用いると 1-(1/R0) で表されます。第1波の見かけの R0 が2.0でしたので約5割が必要です。第2波の見かけの R01.55程度なので約3割が必要となります。緩やかな第3波ならば R0 はもっと小さくなり,感染拡大もより緩やかとなり,集団免疫に必要な割合もさらに低下することになります。

グラフの見方」は図の下方に挙げてあります。

7月28日発表の東京都の確定日別データ(7月27日まで)に基づいています [図をクリックすると拡大]

"τ×平均2"が,"τ×増加率"よりも小さい(下方の)時は収束の傾向(実効再生産数が減少),大きい(上方の)時はいっそう拡大の傾向(実効再生産数が増大)を意味しています。なお,"τ×増加率"自体も日々のデータに応じた最適化により,更新されていることにご注意ください。

グラフの見方


感染確定日データの日別の感染者数の累計が,"累計obs"です。ただし,最新の値で割って,最大値が1となるようにした"累計obs'"をグラフにプロットしています。

累計obsに合致するようにロジスティック関数を最適化し,最適化した関数による計算値が"累計calc"です。この値を最新の累計obsで割った"累計obs'"と"累計calc'"をプロットしています。最新の"累計obs'"は1です。

"日別obs"は,日別の感染者数です。最適化した関数から計算される日別の感染者数が"日別calc"です。

最適化した関数から計算される内的自然増加率 r から計算される実効再生産数が,"τ×増加率"です。ここでの τ (tau) は,感染者が感染させてしまう平均日数で,値は7を採用しています。初期の頃の"τ×増加率"に1を加えた数が基本再生産数に対応すると考えられ,東京都の第1波では2,第2波では1.55程度です。

日別の感染者数から見積もることができる"τ×増加率"に相当する値について,素のデータが曜日ごとのばらつきが大きいため,7日間の移動平均をとった値が"τ×平均"です。第1波について"τ×平均1",第2波について"τ×平均2"としています。最新の3日間では7日間移動平均が適用できませんが,動向を把握するために,最新日は実際の値そのもの,前日では3日間の,前々日では5日間の移動平均を採用しています。そのため,最新日と前日の値の変動の幅は大きくなっています。

これら"τ×平均"は関数モデルが妥当ならば,"τ×増加率"に次第に合致するはずです。"τ×平均1"は第1波の"τ×増加率"によく沿っていて,"τ×平均2"は変化しながらも第2波の"τ×増加率"に追随しています。

"累計calc'""日別calc""τ×増加率"は日付を指定すれば計算できるので,数日後の値もプロットしています。

日別感染者数がピークに達するとき,"日別calc""τ×増加率"は変曲点に来ます。変曲点に来ると"τ×増加率"が初めのころの値の1/2となります。"τ×増加率""τ×平均"が次第に小さくなって,半分となる時期が感染のピークです。このときの累計感染者数を2倍すると,最大値になります。

"日別calc"はピークを挟んでグラフでは左右対称となります(偶関数です)。ピークの前と後では日別感染者数,および,その累計値(こちらは奇関数)はほとんど同じ値になります。

2020/07/27

COVID-19 東京都の感染者数プロファイルの解析 [7月27日]

COVID-19 東京都の感染者数プロファイルの解析

[7月27日]

Profile analyses of COVID-19 affected numbers in Tokyo [July 27, 2020]


東京都が本日7月27日に発表した感染者数は131名でした。4連休の間の検査数が大幅に少なくなったため,感染者数は少なくなりました。
 
確定日別のデータは,26日分がわずか67名です。25日分が177(49名追加)に,24日分が247名(+7名)に増えました。最適化では,最小二乗法での重みを24-26日分は半分としました。

連休直後のため,"τ×平均2"が"τ×増加率"よりも値が際立って小さくなって,26日の値は非現実的な値となっています。"τ×増加率"のカーブはそれほどは小さな発表数の影響を受けておらず,プロファイルは大きくは変わっていません。ただ,感染ピークは31日になりました。
 
今後,連休中の少なかった検査数の反動で,日別の感染者数が2倍近くに大きくなると考えられることから,日別の増加数の軸の最大値を大きくしました。

グラフの見方」は図の下方に挙げてあります。

7月27日発表の東京都の確定日別データ(7月26日まで)に基づいています [図をクリックすると拡大]

"τ×平均2"が,"τ×増加率"よりも小さい(下方の)時は収束の傾向(実効再生産数が減少),大きい(上方の)時はいっそう拡大の傾向(実効再生産数が増大)を意味しています。なお,"τ×増加率"自体も日々のデータに応じた最適化により,更新されていることにご注意ください。

グラフの見方


感染確定日データの日別の感染者数の累計が,"累計obs"です。ただし,最新の値で割って,最大値が1となるようにした"累計obs'"をグラフにプロットしています。

累計obsに合致するようにロジスティック関数を最適化し,最適化した関数による計算値が"累計calc"です。この値を最新の累計obsで割った"累計obs'"と"累計calc'"をプロットしています。最新の"累計obs'"は1です。

"日別obs"は,日別の感染者数です。最適化した関数から計算される日別の感染者数が"日別calc"です。

最適化した関数から計算される内的自然増加率 r から計算される実効再生産数が,"τ×増加率"です。ここでの τ (tau) は,感染者が感染させてしまう平均日数で,値は7を採用しています。初期の頃の"τ×増加率"に1を加えた数が基本再生産数に対応すると考えられ,東京都の第1波では2,第2波では1.55程度です。

日別の感染者数から見積もることができる"τ×増加率"に相当する値について,素のデータが曜日ごとのばらつきが大きいため,7日間の移動平均をとった値が"τ×平均"です。第1波について"τ×平均1",第2波について"τ×平均2"としています。最新の3日間では7日間移動平均が適用できませんが,動向を把握するために,最新日は実際の値そのもの,前日では3日間の,前々日では5日間の移動平均を採用しています。そのため,最新日と前日の値の変動の幅は大きくなっています。

これら"τ×平均"は関数モデルが妥当ならば,"τ×増加率"に次第に合致するはずです。"τ×平均1"は第1波の"τ×増加率"によく沿っていて,"τ×平均2"は変化しながらも第2波の"τ×増加率"に追随しています。

"累計calc'""日別calc""τ×増加率"は日付を指定すれば計算できるので,数日後の値もプロットしています。

日別感染者数がピークに達するとき,"日別calc""τ×増加率"は変曲点に来ます。変曲点に来ると"τ×増加率"が初めのころの値の1/2となります。"τ×増加率""τ×平均"が次第に小さくなって,半分となる時期が感染のピークです。このときの累計感染者数を2倍すると,最大値になります。

"日別calc"はピークを挟んでグラフでは左右対称となります(偶関数です)。ピークの前と後では日別感染者数,および,その累計値(こちらは奇関数)はほとんど同じ値になります。