2020/08/04

COVID-19 東京都の感染者数プロファイルの解析 [8月4日]

COVID-19 東京都の感染者数プロファイルの解析

[8月4日]

Profile analyses of COVID-19 affected numbers in Tokyo [August 4th, 2020]


東京都が本日8月4日に発表した感染者数は309名です。確定日の8月3日分は197名で,2日分は207名(74名追加)に,1日分は358名(29名追加)に変更されました。 確定日ベースの31日分の472名(10名追加)がこれまでの最大です。

連休後の感染者数の増大で,"τ×平均2"が"τ×増加率"よりも大きかった値が,"τ×増加率"に近づきました。"τ×平均2"と"τ×増加率"がともにやや小さくなり,初期の頃の値の半分を下回りました。変曲点(日別感染数のピーク)は確定日ベースの7月29日22時で,ほぼ確定です。なお,昨日のブログの時刻の取り扱いに記したように,実質的な変曲点は30日と考えることができます。

7月24日前後の週は日別感染者数が少なく,その様子が"τ×平均2"に現れています。その影響で変曲点が2日間ほど早まりました。1日早まると約600名の減少なので,2日間では約1,200名も感染者が少なくなったはずです。7月23日の時点での"COVID-19 感染者数プロファイルの計算モデルと見方"の図を現時点での結果と併せて解釈しても,このブログでの解析の精度は良好ではないでしょうか。
  
グラフの見方」は図の下方に挙げてあります。
 
8月4日発表の東京都の確定日別データ(8月3日まで)に基づいています [図をクリックすると拡大]
 
"τ×平均2"が,"τ×増加率"よりも小さい(下方の)時は収束の傾向(実効再生産数が減少),大きい(上方の)時はいっそう拡大の傾向(実効再生産数が増大)を意味しています。なお,"τ×増加率"自体も日々のデータに応じた最適化により,更新されていることにご注意ください。

グラフの見方


感染確定日データの日別の感染者数の累計が,"累計obs"です。ただし,最新の値で割って,最大値が1となるようにした"累計obs'"をグラフにプロットしています。

累計obsに合致するようにロジスティック関数を最適化し,最適化した関数による計算値が"累計calc"です。この値を最新の累計obsで割った"累計obs'"と"累計calc'"をプロットしています。最新の"累計obs'"は1です。

"日別obs"は,日別の感染者数です。最適化した関数から計算される日別の感染者数が"日別calc"です。

最適化した関数から計算される内的自然増加率 r から計算される実効再生産数が,"τ×増加率"です。ここでの τ (tau) は,感染者が感染させてしまう平均日数で,値は7を採用しています。初期の頃の"τ×増加率"に1を加えた数が基本再生産数に対応すると考えられ,東京都の第1波では2,第2波では1.55程度です。

日別の感染者数から見積もることができる"τ×増加率"に相当する値について,素のデータが曜日ごとのばらつきが大きいため,7日間の移動平均をとった値が"τ×平均"です。第1波について"τ×平均1",第2波について"τ×平均2"としています。最新の3日間では7日間移動平均が適用できませんが,動向を把握するために,最新日は実際の値そのもの,前日では3日間の,前々日では5日間の移動平均を採用しています。そのため,最新日と前日の値の変動の幅は大きくなっています。

これら"τ×平均"は関数モデルが妥当ならば,"τ×増加率"に次第に合致するはずです。"τ×平均1"は第1波の"τ×増加率"によく沿っていて,"τ×平均2"は変化しながらも第2波の"τ×増加率"に追随しています。

"累計calc'""日別calc""τ×増加率"は日付を指定すれば計算できるので,数日後の値もプロットしています。

日別感染者数がピークに達するとき,"日別calc""τ×増加率"は変曲点に来ます。変曲点に来ると"τ×増加率"が初めのころの値の1/2となります。"τ×増加率""τ×平均"が次第に小さくなって,半分となる時期が感染のピークです。このときの累計感染者数を2倍すると,最大値になります。

"日別calc"はピークを挟んでグラフでは左右対称となります(偶関数です)。ピークの前と後では日別感染者数,および,その累計値(こちらは奇関数)はほとんど同じ値になります。

2020/08/03

COVID-19 東京都の感染者数プロファイルの解析 [8月3日]

COVID-19 東京都の感染者数プロファイルの解析

[8月3日]

Profile analyses of COVID-19 affected numbers in Tokyo [August 3rd, 2020]


東京都が本日8月3日に発表した感染者数は258名で,確定日別のデータは4日になってから更新がありました。以下は更新後のデータを用いた記述に変更されました。

確定日の8月2日分は133名で,1日分は329名(37名追加)に,7月31日分は462名(78名追加)にと大きな追加変更がありました。 確定日ベースで31日分がこれまでの最大です。

"τ×平均2"が"τ×増加率"よりも値が大きかったのですが,小さめの値となりました。1週間前の土曜日から月曜日にかけての"日別obs"よりもがここ数日は値は大きいのですが,"τ×平均2"と"τ×増加率"がともにやや小さくなりつつあります。グラフには明らかに収束への傾向が出ています。変曲点(日別感染数のピーク)は確定日ベースの7月29日23時です。

このブログでは,計算やグラフの作成にはWindows版のMicrosoft Excelを用いています。日時の扱いは,例えば,確定日の人数はその確定日の午前0時に起こった事象としています。計算される変曲点などの日時,グラフの日付などはこのような時刻の取り扱いに依存しています。

上記の7月29日23時という日時は,実質的に30日を意味しています。データの確度とばらつき,得られる結果の精度を考慮すると,目途としての日時であると考えましょう。ただし,相対的な日時の増減には意味はあります。
 
グラフの見方」は図の下方に挙げてあります。
 
8月3日(4日更新)発表の東京都の確定日別データ(8月2日まで)に基づいています [図をクリックすると拡大]
 
"τ×平均2"が,"τ×増加率"よりも小さい(下方の)時は収束の傾向(実効再生産数が減少),大きい(上方の)時はいっそう拡大の傾向(実効再生産数が増大)を意味しています。なお,"τ×増加率"自体も日々のデータに応じた最適化により,更新されていることにご注意ください。

グラフの見方


感染確定日データの日別の感染者数の累計が,"累計obs"です。ただし,最新の値で割って,最大値が1となるようにした"累計obs'"をグラフにプロットしています。

累計obsに合致するようにロジスティック関数を最適化し,最適化した関数による計算値が"累計calc"です。この値を最新の累計obsで割った"累計obs'"と"累計calc'"をプロットしています。最新の"累計obs'"は1です。

"日別obs"は,日別の感染者数です。最適化した関数から計算される日別の感染者数が"日別calc"です。

最適化した関数から計算される内的自然増加率 r から計算される実効再生産数が,"τ×増加率"です。ここでの τ (tau) は,感染者が感染させてしまう平均日数で,値は7を採用しています。初期の頃の"τ×増加率"に1を加えた数が基本再生産数に対応すると考えられ,東京都の第1波では2,第2波では1.55程度です。

日別の感染者数から見積もることができる"τ×増加率"に相当する値について,素のデータが曜日ごとのばらつきが大きいため,7日間の移動平均をとった値が"τ×平均"です。第1波について"τ×平均1",第2波について"τ×平均2"としています。最新の3日間では7日間移動平均が適用できませんが,動向を把握するために,最新日は実際の値そのもの,前日では3日間の,前々日では5日間の移動平均を採用しています。そのため,最新日と前日の値の変動の幅は大きくなっています。

これら"τ×平均"は関数モデルが妥当ならば,"τ×増加率"に次第に合致するはずです。"τ×平均1"は第1波の"τ×増加率"によく沿っていて,"τ×平均2"は変化しながらも第2波の"τ×増加率"に追随しています。

"累計calc'""日別calc""τ×増加率"は日付を指定すれば計算できるので,数日後の値もプロットしています。

日別感染者数がピークに達するとき,"日別calc""τ×増加率"は変曲点に来ます。変曲点に来ると"τ×増加率"が初めのころの値の1/2となります。"τ×増加率""τ×平均"が次第に小さくなって,半分となる時期が感染のピークです。このときの累計感染者数を2倍すると,最大値になります。

"日別calc"はピークを挟んでグラフでは左右対称となります(偶関数です)。ピークの前と後では日別感染者数,および,その累計値(こちらは奇関数)はほとんど同じ値になります。

2020/08/02

COVID-19 東京都の感染者数プロファイルの解析 [8月2日]

COVID-19 東京都の感染者数プロファイルの解析

[8月2日]

Profile analyses of COVID-19 affected numbers in Tokyo [August 2nd, 2020]


東京都が本日8月2日に発表した感染者数は292名で,すべてが確定日の8月1日の分です。7月31日分の384名に変更はありませんでした。このようなケースは初めてでしょう。

"τ×平均2"が"τ×増加率"よりも値が大きかったのですが,同じ値となりました。"日別obs"が"日別calc"と,1日値も7日間平均値もほぼ等しくなりました。変曲点(日別感染数のピーク)は確定日ベースの7月29日23時のままです。

グラフの見方」は図の下方に挙げてあります。
 
8月2日発表の東京都の確定日別データ(8月1日まで)に基づいています [図をクリックすると拡大]
 
"τ×平均2"が,"τ×増加率"よりも小さい(下方の)時は収束の傾向(実効再生産数が減少),大きい(上方の)時はいっそう拡大の傾向(実効再生産数が増大)を意味しています。なお,"τ×増加率"自体も日々のデータに応じた最適化により,更新されていることにご注意ください。

グラフの見方


感染確定日データの日別の感染者数の累計が,"累計obs"です。ただし,最新の値で割って,最大値が1となるようにした"累計obs'"をグラフにプロットしています。

累計obsに合致するようにロジスティック関数を最適化し,最適化した関数による計算値が"累計calc"です。この値を最新の累計obsで割った"累計obs'"と"累計calc'"をプロットしています。最新の"累計obs'"は1です。

"日別obs"は,日別の感染者数です。最適化した関数から計算される日別の感染者数が"日別calc"です。

最適化した関数から計算される内的自然増加率 r から計算される実効再生産数が,"τ×増加率"です。ここでの τ (tau) は,感染者が感染させてしまう平均日数で,値は7を採用しています。初期の頃の"τ×増加率"に1を加えた数が基本再生産数に対応すると考えられ,東京都の第1波では2,第2波では1.55程度です。

日別の感染者数から見積もることができる"τ×増加率"に相当する値について,素のデータが曜日ごとのばらつきが大きいため,7日間の移動平均をとった値が"τ×平均"です。第1波について"τ×平均1",第2波について"τ×平均2"としています。最新の3日間では7日間移動平均が適用できませんが,動向を把握するために,最新日は実際の値そのもの,前日では3日間の,前々日では5日間の移動平均を採用しています。そのため,最新日と前日の値の変動の幅は大きくなっています。

これら"τ×平均"は関数モデルが妥当ならば,"τ×増加率"に次第に合致するはずです。"τ×平均1"は第1波の"τ×増加率"によく沿っていて,"τ×平均2"は変化しながらも第2波の"τ×増加率"に追随しています。

"累計calc'""日別calc""τ×増加率"は日付を指定すれば計算できるので,数日後の値もプロットしています。

日別感染者数がピークに達するとき,"日別calc""τ×増加率"は変曲点に来ます。変曲点に来ると"τ×増加率"が初めのころの値の1/2となります。"τ×増加率""τ×平均"が次第に小さくなって,半分となる時期が感染のピークです。このときの累計感染者数を2倍すると,最大値になります。

"日別calc"はピークを挟んでグラフでは左右対称となります(偶関数です)。ピークの前と後では日別感染者数,および,その累計値(こちらは奇関数)はほとんど同じ値になります。

COVID-19 東京都の感染者数プロファイルの解析 [8月1日]

COVID-19 東京都の感染者数プロファイルの解析

[8月1日]

Profile analyses of COVID-19 affected numbers in Tokyo [August 1st, 2020]


東京都が本日8月1日に発表した感染者数は472名で,31日のこれまでの最大値463名を更新しました。確定日別のデータは,31日分が384名です。30日分が397名(79名追加)となり,29日分が451名(7名追加)でこれまでの最大です。

29日から31日の"τ×平均2"が"τ×増加率"よりも値が大きくなり,連休中の小さかった分を打ち消し,感染者数の増大を示しています。

"日別obs"の7日間平均は"日別calc"の7日間平均値にほぼ等しくなりました。"τ×増加率"のカーブが示す感染ピークは確定日ベースの7月30日に移りつつあります。

グラフの見方」は図の下方に挙げてあります。
 
8月1日発表の東京都の確定日別データ(7月31日まで)に基づいています [図をクリックすると拡大]
 
"τ×平均2"が,"τ×増加率"よりも小さい(下方の)時は収束の傾向(実効再生産数が減少),大きい(上方の)時はいっそう拡大の傾向(実効再生産数が増大)を意味しています。なお,"τ×増加率"自体も日々のデータに応じた最適化により,更新されていることにご注意ください。

グラフの見方


感染確定日データの日別の感染者数の累計が,"累計obs"です。ただし,最新の値で割って,最大値が1となるようにした"累計obs'"をグラフにプロットしています。

累計obsに合致するようにロジスティック関数を最適化し,最適化した関数による計算値が"累計calc"です。この値を最新の累計obsで割った"累計obs'"と"累計calc'"をプロットしています。最新の"累計obs'"は1です。

"日別obs"は,日別の感染者数です。最適化した関数から計算される日別の感染者数が"日別calc"です。

最適化した関数から計算される内的自然増加率 r から計算される実効再生産数が,"τ×増加率"です。ここでの τ (tau) は,感染者が感染させてしまう平均日数で,値は7を採用しています。初期の頃の"τ×増加率"に1を加えた数が基本再生産数に対応すると考えられ,東京都の第1波では2,第2波では1.55程度です。

日別の感染者数から見積もることができる"τ×増加率"に相当する値について,素のデータが曜日ごとのばらつきが大きいため,7日間の移動平均をとった値が"τ×平均"です。第1波について"τ×平均1",第2波について"τ×平均2"としています。最新の3日間では7日間移動平均が適用できませんが,動向を把握するために,最新日は実際の値そのもの,前日では3日間の,前々日では5日間の移動平均を採用しています。そのため,最新日と前日の値の変動の幅は大きくなっています。

これら"τ×平均"は関数モデルが妥当ならば,"τ×増加率"に次第に合致するはずです。"τ×平均1"は第1波の"τ×増加率"によく沿っていて,"τ×平均2"は変化しながらも第2波の"τ×増加率"に追随しています。

"累計calc'""日別calc""τ×増加率"は日付を指定すれば計算できるので,数日後の値もプロットしています。

日別感染者数がピークに達するとき,"日別calc""τ×増加率"は変曲点に来ます。変曲点に来ると"τ×増加率"が初めのころの値の1/2となります。"τ×増加率""τ×平均"が次第に小さくなって,半分となる時期が感染のピークです。このときの累計感染者数を2倍すると,最大値になります。

"日別calc"はピークを挟んでグラフでは左右対称となります(偶関数です)。ピークの前と後では日別感染者数,および,その累計値(こちらは奇関数)はほとんど同じ値になります。

2020/07/31

COVID-19 東京都の感染者数プロファイルの解析 [7月31日]

COVID-19 東京都の感染者数プロファイルの解析

[7月31日]

Profile analyses of COVID-19 affected numbers in Tokyo [July 31, 2020]


東京都が本日7月31日に発表した感染者数は463名で,木曜日30日のこれまでの最大値367名を大きく越えました。確定日別のデータは,30日分が318名です。29日分が444名と140名も追加され,過去最大となりました。

連休直後は"τ×平均2"が"τ×増加率"よりも値が小さかったのですが,29日と30日の値はかなり大きくなりました。連休中の小さかった分を帳消しにする傾向です。

"日別obs"の7日間平均は"日別calc"の7日間平均値に近くなりましたが,まだ小さめに推移しています。"τ×増加率"のカーブが示す感染ピークは確定日ベースの7月29日のままで,変更はありません。

東京都の第2波の基本再生産数は1.55程度で,私が別途見積もった大阪府の2.0に近い値や愛知県の2.5に近い値よりは低い値で,感染のピークにも既に達していると推察されます。

グラフの見方」は図の下方に挙げてあります。
 
7月31日発表の東京都の確定日別データ(7月30日まで)に基づいています [図をクリックすると拡大]
"τ×平均2"が,"τ×増加率"よりも小さい(下方の)時は収束の傾向(実効再生産数が減少),大きい(上方の)時はいっそう拡大の傾向(実効再生産数が増大)を意味しています。なお,"τ×増加率"自体も日々のデータに応じた最適化により,更新されていることにご注意ください。

グラフの見方


感染確定日データの日別の感染者数の累計が,"累計obs"です。ただし,最新の値で割って,最大値が1となるようにした"累計obs'"をグラフにプロットしています。

累計obsに合致するようにロジスティック関数を最適化し,最適化した関数による計算値が"累計calc"です。この値を最新の累計obsで割った"累計obs'"と"累計calc'"をプロットしています。最新の"累計obs'"は1です。

"日別obs"は,日別の感染者数です。最適化した関数から計算される日別の感染者数が"日別calc"です。

最適化した関数から計算される内的自然増加率 r から計算される実効再生産数が,"τ×増加率"です。ここでの τ (tau) は,感染者が感染させてしまう平均日数で,値は7を採用しています。初期の頃の"τ×増加率"に1を加えた数が基本再生産数に対応すると考えられ,東京都の第1波では2,第2波では1.55程度です。

日別の感染者数から見積もることができる"τ×増加率"に相当する値について,素のデータが曜日ごとのばらつきが大きいため,7日間の移動平均をとった値が"τ×平均"です。第1波について"τ×平均1",第2波について"τ×平均2"としています。最新の3日間では7日間移動平均が適用できませんが,動向を把握するために,最新日は実際の値そのもの,前日では3日間の,前々日では5日間の移動平均を採用しています。そのため,最新日と前日の値の変動の幅は大きくなっています。

これら"τ×平均"は関数モデルが妥当ならば,"τ×増加率"に次第に合致するはずです。"τ×平均1"は第1波の"τ×増加率"によく沿っていて,"τ×平均2"は変化しながらも第2波の"τ×増加率"に追随しています。

"累計calc'""日別calc""τ×増加率"は日付を指定すれば計算できるので,数日後の値もプロットしています。

日別感染者数がピークに達するとき,"日別calc""τ×増加率"は変曲点に来ます。変曲点に来ると"τ×増加率"が初めのころの値の1/2となります。"τ×増加率""τ×平均"が次第に小さくなって,半分となる時期が感染のピークです。このときの累計感染者数を2倍すると,最大値になります。

"日別calc"はピークを挟んでグラフでは左右対称となります(偶関数です)。ピークの前と後では日別感染者数,および,その累計値(こちらは奇関数)はほとんど同じ値になります。

2020/07/30

COVID-19 東京都の感染者数プロファイルの解析 [7月30日]

COVID-19 東京都の感染者数プロファイルの解析

[7月30日]

Profile analyses of COVID-19 affected numbers in Tokyo [July 30, 2020]


東京都が本日7月30日に発表した感染者数は367名で,先週木曜日の23日の最大値366名を越えました。確定日別のデータは,29日分が304名です。28日分が266名と56名追加に,27日分が241名(5名追加)に増えました。

連休直後は"τ×平均2"が"τ×増加率"よりも値が小さかったのですが,28日と29日の値は大きくなりました。

"τ×増加率"のカーブが示す感染ピークは確定日ベースの7月29日のままです。感染者数の"日別calc"のピークは滑らかなので,今後のデータの推移によっては多少の変動があり得ます。

グラフの見方」は図の下方に挙げてあります。
 
7月30日発表の東京都の確定日別データ(7月29日まで)に基づいています [図をクリックすると拡大]
"τ×平均2"が,"τ×増加率"よりも小さい(下方の)時は収束の傾向(実効再生産数が減少),大きい(上方の)時はいっそう拡大の傾向(実効再生産数が増大)を意味しています。なお,"τ×増加率"自体も日々のデータに応じた最適化により,更新されていることにご注意ください。

グラフの見方


感染確定日データの日別の感染者数の累計が,"累計obs"です。ただし,最新の値で割って,最大値が1となるようにした"累計obs'"をグラフにプロットしています。

累計obsに合致するようにロジスティック関数を最適化し,最適化した関数による計算値が"累計calc"です。この値を最新の累計obsで割った"累計obs'"と"累計calc'"をプロットしています。最新の"累計obs'"は1です。

"日別obs"は,日別の感染者数です。最適化した関数から計算される日別の感染者数が"日別calc"です。

最適化した関数から計算される内的自然増加率 r から計算される実効再生産数が,"τ×増加率"です。ここでの τ (tau) は,感染者が感染させてしまう平均日数で,値は7を採用しています。初期の頃の"τ×増加率"に1を加えた数が基本再生産数に対応すると考えられ,東京都の第1波では2,第2波では1.55程度です。

日別の感染者数から見積もることができる"τ×増加率"に相当する値について,素のデータが曜日ごとのばらつきが大きいため,7日間の移動平均をとった値が"τ×平均"です。第1波について"τ×平均1",第2波について"τ×平均2"としています。最新の3日間では7日間移動平均が適用できませんが,動向を把握するために,最新日は実際の値そのもの,前日では3日間の,前々日では5日間の移動平均を採用しています。そのため,最新日と前日の値の変動の幅は大きくなっています。

これら"τ×平均"は関数モデルが妥当ならば,"τ×増加率"に次第に合致するはずです。"τ×平均1"は第1波の"τ×増加率"によく沿っていて,"τ×平均2"は変化しながらも第2波の"τ×増加率"に追随しています。

"累計calc'""日別calc""τ×増加率"は日付を指定すれば計算できるので,数日後の値もプロットしています。

日別感染者数がピークに達するとき,"日別calc""τ×増加率"は変曲点に来ます。変曲点に来ると"τ×増加率"が初めのころの値の1/2となります。"τ×増加率""τ×平均"が次第に小さくなって,半分となる時期が感染のピークです。このときの累計感染者数を2倍すると,最大値になります。

"日別calc"はピークを挟んでグラフでは左右対称となります(偶関数です)。ピークの前と後では日別感染者数,および,その累計値(こちらは奇関数)はほとんど同じ値になります。

COVID-19 日本の感染者数プロファイルの解析 [7月30日]

COVID-19 日本の感染者数プロファイルの解析

[7月30日]

Profile analyses of COVID-19 affected numbers in Japan [July 30, 2020]



日本国内でのCOVID-19の感染者数(朝日新聞発表,7月30日現在)の累計値を,ロジスティック関数への最適化で解析しました。
 
7月18日に掲載した前回の解析の結果からはプロファイルの概形には大きな変更はありません。日別の感染者数は棒グラフの"日別obs"で,大きく変動しています。綠の実線の"日別calc"はこれらをよく追随しています。

"τ×増加率"は関数から得られる実効再生産数に相当する値(独自に定義しています),"τ×平均"は日別感染者数から算出される実効再生産数の相当値です。計算モデルが妥当ならば,累計数が増えるにしたがって"τ×平均"は"τ×増加率"に近づきます。
第1波ではこの様子がよく顕れています。第2波の現在の値は0.44程度です。

プロファイルの初期の頃の"τ×増加率"に1を加えた数が基本再生産数に対応し,第1波はおよそ1.8で東京都よりは小さめ,第2波は1.6程度でやや大きめです。第1波は東京都よりは緩やかに,第2波はすこし急に感染が拡大しています。ただし,これらの特徴は,東京都も含めた日本全体をひとまとめで解析した結果で,得られる値は小さめです。

実効再生産数が初期の頃の値の半分になると,変曲点(日別感染者数のピーク)です。第2波では0.28に相当しますが,まだまだ先です。

 
7月30日までの日本国内の感染者数の累計データに基づいています [クリックで拡大]
"τ×平均2"が,"τ×増加率"よりも小さい(下方の)時は収束の傾向(実効再生産数が減少),大きい(上方の)時はいっそう拡大の傾向(実効再生産数が増大)を意味しています。なお,"τ×増加率"自体も日々のデータに応じた最適化により,更新されていることにご注意ください。

計算モデルとグラフの見方は,"COVID-19 感染者数プロファイルの計算モデルと見方"
(https://ysatow.blogspot.com/2020/07/covid-19_23.html)
をご覧下さい。