2020/08/20

COVID-19 東京都の感染者数プロファイルの解析 [8月20日]

COVID-19 東京都の感染者数プロファイルの解析

[8月20日]

Profile analyses of COVID-19 affected numbers in Tokyo [August 20th, 2020]


東京都が本日8月20日に発表した感染者数は339名です。確定日の8月19日分は238名です。18日分は226名(80名追加)と大きく増え,17日分は145名(12名追加)となりました。本日の発表数のうち8名が遡及追加分です。
 
本日は日別数としては大きいのですが,累計数としては週の始めの少なかった日別数を補うような増加で,解析としてはこれまでの経過に沿っています。

変曲点(日別感染数のピーク)は確定日ベースの7月31日21時で,昨日の解析よりも約1時間遅くなった程度です。感染者数プロファイルには目立った変化はありません。
 
グラフの見方」は図の下方に挙げてあります。
 
8月20日発表の東京都の確定日別データ(8月19日まで)に基づいています [図をクリックすると拡大]
"τ×平均2"が,"τ×増加率"よりも小さい(下方の)時は収束の傾向(実効再生産数が減少),大きい(上方の)時はいっそう拡大の傾向(実効再生産数が増大)を意味しています。なお,"τ×増加率"自体も日々のデータに応じた最適化により,更新されていることにご注意ください。


グラフの見方


感染確定日データの日別の感染者数の累計が,"累計obs"です。ただし,最新の値で割って,最大値が1となるようにした"累計obs'"をグラフにプロットしています。

累計obsに合致するようにロジスティック関数を最適化し,最適化した関数による計算値が"累計calc"です。この値を最新の累計obsで割った"累計obs'"と"累計calc'"をプロットしています。最新の"累計obs'"は1です。

"日別obs"は,日別の感染者数です。最適化した関数から計算される日別の感染者数が"日別calc"です。

最適化した関数から計算される内的自然増加率 r から計算される実効再生産数が,"τ×増加率"です。ここでの τ (tau) は,感染者が感染させてしまう平均日数で,値は7を採用しています。初期の頃の"τ×増加率"に1を加えた数が基本再生産数に対応すると考えられ,東京都の第1波では2,第2波では1.55程度です。

日別の感染者数から見積もることができる"τ×増加率"に相当する値について,素のデータが曜日ごとのばらつきが大きいため,7日間の移動平均をとった値が"τ×平均"です。第1波について"τ×平均1",第2波について"τ×平均2"としています。最新の3日間では7日間移動平均が適用できませんが,動向を把握するために,最新日は実際の値そのもの,前日では3日間の,前々日では5日間の移動平均を採用しています。そのため,最新日と前日の値の変動の幅は大きくなっています。

これら"τ×平均"は関数モデルが妥当ならば,"τ×増加率"に次第に合致するはずです。"τ×平均1"は第1波の"τ×増加率"によく沿っていて,"τ×平均2"は変化しながらも第2波の"τ×増加率"に追随しています。

"累計calc'""日別calc""τ×増加率"は日付を指定すれば計算できるので,数日後の値もプロットしています。

日別感染者数がピークに達するとき,"日別calc""τ×増加率"は変曲点に来ます。変曲点に来ると"τ×増加率"が初めのころの値の1/2となります。"τ×増加率""τ×平均"が次第に小さくなって,半分となる時期が感染のピークです。このときの累計感染者数を2倍すると,最大値になります。

"日別calc"はピークを挟んでグラフでは左右対称となります(偶関数です)。ピークの前と後では日別感染者数,および,その累計値(こちらは奇関数)はほとんど同じ値になります。

2020/08/19

COVID-19 東京都の感染者数プロファイルの解析 [8月19日]

COVID-19 東京都の感染者数プロファイルの解析

[8月19日]

Profile analyses of COVID-19 affected numbers in Tokyo [August 19th, 2020]


東京都が本日8月19日に発表した感染者数は186名です。確定日の8月18日分は146名です。17日分は133名(26名追加),15日分は139名(3名追加)となりました。本日の発表数のうち14名は8月4日から15日まで遡った追加分です。直近の3日分として,先週と先々週の多かった日の1日分にも満たないくらい,数が少なくなっています。

変曲点(日別感染数のピーク)は確定日ベースの7月31日20時で,昨日の解析よりも約5時間早まりました。これはここ3日間の感染者数の減少傾向を反映したものです。感染者数プロファイルには目立った変化はなく,収束は次第により緩やかに(第1波の収束と,第2波の立上りにご注目ください)推移します。
 
グラフの見方」は図の下方に挙げてあります。
 
8月19日発表の東京都の確定日別データ(8月18日まで)に基づいています [図をクリックすると拡大]
"τ×平均2"が,"τ×増加率"よりも小さい(下方の)時は収束の傾向(実効再生産数が減少),大きい(上方の)時はいっそう拡大の傾向(実効再生産数が増大)を意味しています。なお,"τ×増加率"自体も日々のデータに応じた最適化により,更新されていることにご注意ください。


グラフの見方


感染確定日データの日別の感染者数の累計が,"累計obs"です。ただし,最新の値で割って,最大値が1となるようにした"累計obs'"をグラフにプロットしています。

累計obsに合致するようにロジスティック関数を最適化し,最適化した関数による計算値が"累計calc"です。この値を最新の累計obsで割った"累計obs'"と"累計calc'"をプロットしています。最新の"累計obs'"は1です。

"日別obs"は,日別の感染者数です。最適化した関数から計算される日別の感染者数が"日別calc"です。

最適化した関数から計算される内的自然増加率 r から計算される実効再生産数が,"τ×増加率"です。ここでの τ (tau) は,感染者が感染させてしまう平均日数で,値は7を採用しています。初期の頃の"τ×増加率"に1を加えた数が基本再生産数に対応すると考えられ,東京都の第1波では2,第2波では1.55程度です。

日別の感染者数から見積もることができる"τ×増加率"に相当する値について,素のデータが曜日ごとのばらつきが大きいため,7日間の移動平均をとった値が"τ×平均"です。第1波について"τ×平均1",第2波について"τ×平均2"としています。最新の3日間では7日間移動平均が適用できませんが,動向を把握するために,最新日は実際の値そのもの,前日では3日間の,前々日では5日間の移動平均を採用しています。そのため,最新日と前日の値の変動の幅は大きくなっています。

これら"τ×平均"は関数モデルが妥当ならば,"τ×増加率"に次第に合致するはずです。"τ×平均1"は第1波の"τ×増加率"によく沿っていて,"τ×平均2"は変化しながらも第2波の"τ×増加率"に追随しています。

"累計calc'""日別calc""τ×増加率"は日付を指定すれば計算できるので,数日後の値もプロットしています。

日別感染者数がピークに達するとき,"日別calc""τ×増加率"は変曲点に来ます。変曲点に来ると"τ×増加率"が初めのころの値の1/2となります。"τ×増加率""τ×平均"が次第に小さくなって,半分となる時期が感染のピークです。このときの累計感染者数を2倍すると,最大値になります。

"日別calc"はピークを挟んでグラフでは左右対称となります(偶関数です)。ピークの前と後では日別感染者数,および,その累計値(こちらは奇関数)はほとんど同じ値になります。

2020/08/18

COVID-19 東京都の感染者数プロファイルの解析 [8月18日]

COVID-19 東京都の感染者数プロファイルの解析

[8月18日]

Profile analyses of COVID-19 affected numbers in Tokyo [August 18th, 2020]


東京都が本日8月18日に発表した感染者数は207名です。確定日の8月17日分はわずか110名です。16日分は136名(43名追加),15日分は271名(25名追加)となりました。本日の発表数のうち21名は7月24日まで遡った追加分です。

変曲点(日別感染数のピーク)は確定日ベースの8月1日1時で,約1時間早まりましたが,値の変動はわずかです。感染者数プロファイルには変化はありません。
 
東京都と最新の埼玉県(8月11日掲載はこちら)のプロファイルを比較すると,環境収容力(第2波全体の累計感染者数を表す)が東京都は16,940,埼玉県は2,930で,日別感染者数のピークでは東京都が5.8倍となっています。この点を除けば,プロファイルの概形,すなわち内的自然増加率(基本再生産数)と変曲点の日時)が極めてよく合致し,まったく同じプロファイルといえます。東京型や埼玉型のような感染パターンを認知はできませんでした。
 
グラフの見方」は図の下方に挙げてあります。
 
8月18日発表の東京都の確定日別データ(8月17日まで)に基づいています [図をクリックすると拡大]
"τ×平均2"が,"τ×増加率"よりも小さい(下方の)時は収束の傾向(実効再生産数が減少),大きい(上方の)時はいっそう拡大の傾向(実効再生産数が増大)を意味しています。なお,"τ×増加率"自体も日々のデータに応じた最適化により,更新されていることにご注意ください。


グラフの見方


感染確定日データの日別の感染者数の累計が,"累計obs"です。ただし,最新の値で割って,最大値が1となるようにした"累計obs'"をグラフにプロットしています。

累計obsに合致するようにロジスティック関数を最適化し,最適化した関数による計算値が"累計calc"です。この値を最新の累計obsで割った"累計obs'"と"累計calc'"をプロットしています。最新の"累計obs'"は1です。

"日別obs"は,日別の感染者数です。最適化した関数から計算される日別の感染者数が"日別calc"です。

最適化した関数から計算される内的自然増加率 r から計算される実効再生産数が,"τ×増加率"です。ここでの τ (tau) は,感染者が感染させてしまう平均日数で,値は7を採用しています。初期の頃の"τ×増加率"に1を加えた数が基本再生産数に対応すると考えられ,東京都の第1波では2,第2波では1.55程度です。

日別の感染者数から見積もることができる"τ×増加率"に相当する値について,素のデータが曜日ごとのばらつきが大きいため,7日間の移動平均をとった値が"τ×平均"です。第1波について"τ×平均1",第2波について"τ×平均2"としています。最新の3日間では7日間移動平均が適用できませんが,動向を把握するために,最新日は実際の値そのもの,前日では3日間の,前々日では5日間の移動平均を採用しています。そのため,最新日と前日の値の変動の幅は大きくなっています。

これら"τ×平均"は関数モデルが妥当ならば,"τ×増加率"に次第に合致するはずです。"τ×平均1"は第1波の"τ×増加率"によく沿っていて,"τ×平均2"は変化しながらも第2波の"τ×増加率"に追随しています。

"累計calc'""日別calc""τ×増加率"は日付を指定すれば計算できるので,数日後の値もプロットしています。

日別感染者数がピークに達するとき,"日別calc""τ×増加率"は変曲点に来ます。変曲点に来ると"τ×増加率"が初めのころの値の1/2となります。"τ×増加率""τ×平均"が次第に小さくなって,半分となる時期が感染のピークです。このときの累計感染者数を2倍すると,最大値になります。

"日別calc"はピークを挟んでグラフでは左右対称となります(偶関数です)。ピークの前と後では日別感染者数,および,その累計値(こちらは奇関数)はほとんど同じ値になります。

2020/08/17

COVID-19 神奈川県の感染者数プロファイルの解析 [8月17日]

COVID-19 神奈川県の感染者数プロファイルの解析

[8月17日]

Profile analyses of COVID-19 affected numbers in Kanagawa Pref. [August 17th, 2020]


神奈川県のCOVID-19新型コロナウィルス感染症の感染者数のプロファイルを解析しました。使用した感染者数データは,5月23日"COVID-19 神奈川県の感染者数の推移と予測"と同じく,神奈川県が公表の感染者数の累計です。データは6月7日以降の感染者数で,この日付の累計感染者数を0としています。

解析については本ブログの"COVID-19 感染者数プロファイルの計算モデルと見方"のページをご覧ください。CompartmentモデルのSIRDモデルへの対応付けについては"COVID-19 感染者数プロファイルの概形"をご覧ください。

感染者数の累計値は,"累計obs'"が1となるように最新の値(最大値)で除し,同様に計算値も除して"累計calc'"としてグラフに示しています。日別の感染者数は棒グラフの"日別obs"で,大きく変動していますが,綠の実線の"日別calc"は計算値です。
 
"τ×増加率"は実効再生産数の目安となる値で,最初の頃の値から今回のプロファイルの基本再生産数はおよそ1.5と見積もられ,東京都の値とほぼ同じ値です。

日別の感染者数のピークとなる変曲点として,これまでのデータからは8月16日と見積もられました。しかし,変曲点の近傍に現時点があり,この値はまだまだ確定的ではありません。

"τ×平均"と"τ×増加率"が互いに沿いながら一様に下降していれば,感染の傾向もほぼ一様であることを意味します。しかし,神奈川県の場合は"τ×平均"が大きく上下しています。下方への減少は,連休などによる発表数の減少を、上方への突出は連休後の増加,またはクラスターの発生を示唆しています。

8月に入ってからクラスターの発生がたびたび報道され(神奈川新聞を参照しました),これらクラスターがプロファイルに影響を与えています。8月12日までのデータでは,8月7日と変曲点が計算されました。その後のクラスター発生を考慮し,昨日までのデータからクラスター感染者数の分を除外して計算した結果,青い実線の"日別Xcalc"が得られました。このプロファイルの変曲点は8月11日です。このプロファイルの変曲点から現時点のプロファイルの感染者数には約450名もの増加があります。この増加数はクラスター分をかなり上まっています。プロファイルが左右対称になることから,最終的な感染者数の増大は約900名にもなります。
 
神奈川県のCOVID-19感染者数のプロファイル解析(8月17日) [図をクリックすると拡大します]
Data source: 神奈川県公表"新型コロナウイルス感染症対策 陽性患者数及び陽性患者の属性データ"
http://www.pref.kanagawa.jp/docs/t3u/dst/s0060925.html

COVID-19 東京都の感染者数プロファイルの解析 [8月17日]

COVID-19 東京都の感染者数プロファイルの解析

[8月17日]

Profile analyses of COVID-19 affected numbers in Tokyo [August 17th, 2020]


東京都が本日8月17日に発表した感染者数は161名です。確定日の8月16日分はわずか93名です。15日分は246名(53名追加)となりました。月曜日は発表数が少なく,10日の発表数は197名でした。やはり感染者数は減少しつつあります。

変曲点(日別感染数のピーク)は確定日ベースの8月1日2時で,約2時間早まりましたが,値の変動はわずかです。感染者数プロファイルには変化はありません。
 
区部の10万人あたりの感染者数では,これまで際立って多かった新宿区の数が減少し,最近多い中央区,港区,渋谷区と同じような数になっています。その他の区部と市部の感染者数には目立って多いものは見受けられません。

グラフの見方」は図の下方に挙げてあります。
 
8月17日発表の東京都の確定日別データ(8月16日まで)に基づいています [図をクリックすると拡大]
"τ×平均2"が,"τ×増加率"よりも小さい(下方の)時は収束の傾向(実効再生産数が減少),大きい(上方の)時はいっそう拡大の傾向(実効再生産数が増大)を意味しています。なお,"τ×増加率"自体も日々のデータに応じた最適化により,更新されていることにご注意ください。


グラフの見方


感染確定日データの日別の感染者数の累計が,"累計obs"です。ただし,最新の値で割って,最大値が1となるようにした"累計obs'"をグラフにプロットしています。

累計obsに合致するようにロジスティック関数を最適化し,最適化した関数による計算値が"累計calc"です。この値を最新の累計obsで割った"累計obs'"と"累計calc'"をプロットしています。最新の"累計obs'"は1です。

"日別obs"は,日別の感染者数です。最適化した関数から計算される日別の感染者数が"日別calc"です。

最適化した関数から計算される内的自然増加率 r から計算される実効再生産数が,"τ×増加率"です。ここでの τ (tau) は,感染者が感染させてしまう平均日数で,値は7を採用しています。初期の頃の"τ×増加率"に1を加えた数が基本再生産数に対応すると考えられ,東京都の第1波では2,第2波では1.55程度です。

日別の感染者数から見積もることができる"τ×増加率"に相当する値について,素のデータが曜日ごとのばらつきが大きいため,7日間の移動平均をとった値が"τ×平均"です。第1波について"τ×平均1",第2波について"τ×平均2"としています。最新の3日間では7日間移動平均が適用できませんが,動向を把握するために,最新日は実際の値そのもの,前日では3日間の,前々日では5日間の移動平均を採用しています。そのため,最新日と前日の値の変動の幅は大きくなっています。

これら"τ×平均"は関数モデルが妥当ならば,"τ×増加率"に次第に合致するはずです。"τ×平均1"は第1波の"τ×増加率"によく沿っていて,"τ×平均2"は変化しながらも第2波の"τ×増加率"に追随しています。

"累計calc'""日別calc""τ×増加率"は日付を指定すれば計算できるので,数日後の値もプロットしています。

日別感染者数がピークに達するとき,"日別calc""τ×増加率"は変曲点に来ます。変曲点に来ると"τ×増加率"が初めのころの値の1/2となります。"τ×増加率""τ×平均"が次第に小さくなって,半分となる時期が感染のピークです。このときの累計感染者数を2倍すると,最大値になります。

"日別calc"はピークを挟んでグラフでは左右対称となります(偶関数です)。ピークの前と後では日別感染者数,および,その累計値(こちらは奇関数)はほとんど同じ値になります。

COVID-19 沖縄県の感染者数プロファイルの解析 [8月16日]

COVID-19 沖縄県の感染者数プロファイルの解析

[8月16日]

Profile analyses of COVID-19 affected numbers in Okinawa Pref. [August 16th, 2020]


沖縄県のCOVID-19新型コロナウィルス感染症の感染者数のプロファイルを解析しました。使用した感染者数データは,沖縄県が公表の"沖縄県における新型コロナウイルス感染症発生状況"における感染者数の累計です。データは7月1日以降の感染者数で,この日付の累計感染者数を0としています。

解析については本ブログの"COVID-19 感染者数プロファイルの計算モデルと見方"のページをご覧ください。CompartmentモデルのSIRDモデルへの対応付けについては"COVID-19 感染者数プロファイルの概形"をご覧ください。

感染者数の累計値は,"累計obs'"が1となるように最新の値(最大値)で除し,同様に計算値も除して"累計calc'"としてグラフに示しています。日別の感染者数は棒グラフの"日別obs"で,大きく変動していますが,綠の実線の"日別calc"は計算値です。
 
"τ×増加率"は実効再生産数の目安となる値で,最初の頃の値から今回のプロファイルの基本再生産数はおよそ2.5と見積もられ,大きな値です。日別の感染者数のピークとなる変曲点は8月8日で,この日値はこの1週間の解析ではほぼ一定です。既にピークを10日間過ぎています。
 
"τ×平均"が"τ×増加率"に沿ってほぼ一様に下降しており,感染者数が減少する傾向が図にも明瞭に表れています。17日以降のグラフは,これまでのプロファイルが継続するとしたときの計算値です。感染の拡大が急であったことから,新たな感染プロファイルが現れなければ,速やかな収束の傾向を辿ると考えられます。

沖縄県のCOVID-19感染者数のプロファイル解析(8月16日) [図をクリックすると拡大します]

Data source: 沖縄県公表"沖縄県における新型コロナウイルス感染症発生状況"
https://www.pref.okinawa.jp/site/hoken/chiikihoken/kekkaku/covid19_hasseijoukyou.html

2020/08/16

COVID-19 東京都の感染者数プロファイルの解析 [8月16日]

COVID-19 東京都の感染者数プロファイルの解析

[8月16日]

Profile analyses of COVID-19 affected numbers in Tokyo [August 16th, 2020]


東京都が本日8月16日に発表した感染者数は260名です。確定日の8月15日分は193名です。14日分は291名(47名追加)に,13日分は423名(14名追加)に変更されました。

変曲点(日別感染数のピーク)は確定日ベースの8月1日4時で,昨日の解析と同じです。感染者数プロファイルには変化は無く,この傾向が続けば,収束は遅々として1月半は続きます。
 
第2波のこれまでの累計の計算値は12,640名で,全体としての累計は17,000名と見込まれます。これは第1波の3.3倍です。

グラフの見方」は図の下方に挙げてあります。
 
8月16日発表の東京都の確定日別データ(8月15日まで)に基づいています [図をクリックすると拡大]
"τ×平均2"が,"τ×増加率"よりも小さい(下方の)時は収束の傾向(実効再生産数が減少),大きい(上方の)時はいっそう拡大の傾向(実効再生産数が増大)を意味しています。なお,"τ×増加率"自体も日々のデータに応じた最適化により,更新されていることにご注意ください。


グラフの見方


感染確定日データの日別の感染者数の累計が,"累計obs"です。ただし,最新の値で割って,最大値が1となるようにした"累計obs'"をグラフにプロットしています。

累計obsに合致するようにロジスティック関数を最適化し,最適化した関数による計算値が"累計calc"です。この値を最新の累計obsで割った"累計obs'"と"累計calc'"をプロットしています。最新の"累計obs'"は1です。

"日別obs"は,日別の感染者数です。最適化した関数から計算される日別の感染者数が"日別calc"です。

最適化した関数から計算される内的自然増加率 r から計算される実効再生産数が,"τ×増加率"です。ここでの τ (tau) は,感染者が感染させてしまう平均日数で,値は7を採用しています。初期の頃の"τ×増加率"に1を加えた数が基本再生産数に対応すると考えられ,東京都の第1波では2,第2波では1.55程度です。

日別の感染者数から見積もることができる"τ×増加率"に相当する値について,素のデータが曜日ごとのばらつきが大きいため,7日間の移動平均をとった値が"τ×平均"です。第1波について"τ×平均1",第2波について"τ×平均2"としています。最新の3日間では7日間移動平均が適用できませんが,動向を把握するために,最新日は実際の値そのもの,前日では3日間の,前々日では5日間の移動平均を採用しています。そのため,最新日と前日の値の変動の幅は大きくなっています。

これら"τ×平均"は関数モデルが妥当ならば,"τ×増加率"に次第に合致するはずです。"τ×平均1"は第1波の"τ×増加率"によく沿っていて,"τ×平均2"は変化しながらも第2波の"τ×増加率"に追随しています。

"累計calc'""日別calc""τ×増加率"は日付を指定すれば計算できるので,数日後の値もプロットしています。

日別感染者数がピークに達するとき,"日別calc""τ×増加率"は変曲点に来ます。変曲点に来ると"τ×増加率"が初めのころの値の1/2となります。"τ×増加率""τ×平均"が次第に小さくなって,半分となる時期が感染のピークです。このときの累計感染者数を2倍すると,最大値になります。

"日別calc"はピークを挟んでグラフでは左右対称となります(偶関数です)。ピークの前と後では日別感染者数,および,その累計値(こちらは奇関数)はほとんど同じ値になります。