2020/07/21

COVID-19 東京都の感染者数プロファイルの解析 [7月21日]

COVID-19 東京都の感染者数プロファイルの解析

[7月21日]

Profile analyses of COVID-19 affected numbers in Tokyo [July 21, 2020]


東京都が本日7月21日に発表した感染者数は237名でした。確定日別のデータは20日が170名です。19日分は125(26名追加)名に,18日分は233(+25名)名に増えました。さらに,7月5日に遡って感染者数の更新がありました。

先週の火曜日発表の感染者数は168名でしたので,やはりますます増えています。

このブログで報告しているデータは,検査により陽性であることを医師が確認した日別の"確定日別"のものです。実際に感染してから医師の確認までは,少なくとも7日間程度の時差があるものと考えられ,グラフの日付を前に7日間程度移すと感染日の様子を知ることができます。

7月8日頃の"τ×平均2"は"τ×増加率"よりも値が大きくなっています。これは新宿区などでの検査で多くの陽性者が検出されたことを反映しています。先週の16日頃は感染者数が増えたのにも拘らず,"τ×増加率"よりも値が小さくなっています。この傾向が続けば,変曲点(日別感染者数のピーク)の日付が早まりそうです。

実際に感染する感染ピークが来週の半ばならば,今週の連休から来週を,感染にさらに気をつけて過ごしてはいかがでしょうか。するともう8月です。梅雨も明けて,学校は夏休み。4-5月の長い自粛に比べて,これでピークを乗り越えられるとしたら,自分達の身を守るためにも,皆さんどうしますか?

グラフの見方」は図の下方に挙げてあります。
 
7月21日発表の東京都の確定日別データ(7月20日まで)に基づいています [クリックで拡大]

計算,理論,説明などは,7月2日分(7月3日にアップ)をご覧ください。

"τ×平均2"が,"τ×増加率"よりも小さい(下方の)時は収束の傾向(実効再生産数が減少),大きい(上方の)時はいっそう拡大の傾向(実効再生産数が増大)を意味しています。なお,"τ×増加率"自体も日々のデータに応じた最適化により,更新されていることにご注意ください。

グラフの見方

 
感染確定日データの日別の感染者数の累計が,"累計obs"です。ただし,最新の値で割って,最大値が1となるようにした"累計obs'"をグラフにプロットしています。

累計obsに合致するようにロジスティック関数を最適化し,最適化した関数による計算値が"累計calc"です。この値を最新の累計obsで割った"累計calc'"をプロットしています。

"日別obs"は,日別の感染者数です。最適化した関数から計算される日別の感染者数が"日別calc"です。

最適化した関数から計算される内的自然増加率 r から計算される実効再生産数が,"τ×増加率"です。ここでの τ (tau) は,感染者が感染させてしまう平均日数で,値は7を採用しています。初期の頃の"τ×増加率"に1を加えた数が基本再生産数に対応すると考えられ,第1波では2,第2波では1.55程度です。

日別の感染者数から見積もることができる,"τ×増加率"に相当する値について,素のデータが曜日ごとのばらつきが大きいため,7日間の移動平均をとった値が"τ×平均"です。第1波について"τ×平均1",第2波について"τ×平均2"としています。最新の3日間では7日間移動平均が適用できませんが,動向を把握するために,最新日は実際の値そのもの,前日では3日間の,前々日では5日間の移動平均を採用しています。そのため,最新日と前日の値の変動の幅は大きくなっています。

これら"τ×平均"は関数モデルが妥当ならば,"τ×増加率"に次第に合致するはずです。"τ×平均1"は第1波の"τ×増加率"によく沿っていて,"τ×平均2"は変化しながらも第2波の"τ×増加率"に追随しています。

"累計calc'""日別calc""τ×増加率"は日付を指定すれば計算できるので,数日後の値もプロットしています。

日別感染者数がピークに達するとき,"日別calc""τ×増加率"は変曲点に来ます。変曲点に来ると"τ×増加率"が初めのころの値の1/2となります。"τ×増加率""τ×平均"が次第に小さくなって,半分となる時期が感染のピークです。まだまだ先のようです。

"日別calc"はピークを挟んでグラフでは左右対称となります(偶関数です)。ピークの前と後では日別感染者数,および,その累計はほとんど同じ値になります。

2020/07/20

COVID-19 東京都の感染者数プロファイルの解析 [7月20日]

COVID-19 東京都の感染者数プロファイルの解析

[7月20日]

Profile analyses of COVID-19 affected numbers in Tokyo [July 20, 2020]


東京都が本日7月20日に発表した感染者数は168名でした。確定日別のデータは19日が99名です。18日分は208(56名追加)名に増えました。

先週の月曜日発表の感染者数は119名でしたので,やはりますます増えています。

このブログで報告しているデータは,検査により陽性であることを医師が確認した日別の"確定日別"のものです。実際に感染してから医師の確認までは,少なくとも7日間程度の時差があるものと考えられます。

"τ×平均2"は"τ×増加率"ともに少し下向きになってきたようです。これらは,先に掲載した"COVID-19 感染者数プロファイルの概形"の図3の実効再生産数 RLe のプロットに対応します。実効再生産数が半分になる変曲点が感染者数のピークとなります。

ピークすなわち変曲点の日付が仮に8月5日だとすると,実際の感染のピークは7日前の7月29日の前となります。まだまだ変曲点の日付は誤差が大きいのですが,実際の感染のピークは来週の半ばとなりそうです。

実際に感染する感染ピークが来週の半ばならば,今週の連休から来週を気をつけて過ごしてはいかがでしょうか。するともう8月です。梅雨も明けて,学校は夏休み。4-5月の長い自粛に比べて,これでピークを乗り越えられるとしたら,自分達の身を守るためにも,皆さんどうしますか?


グラフの見方」は図の下方に挙げてあります。

7月20日発表の東京都の確定日別データ(7月19日まで)に基づいています [クリックで拡大]

計算,理論,説明などは,7月2日分(7月3日にアップ)をご覧ください。 

"τ×平均2"が,"τ×増加率"よりも小さい(下方の)時は収束の傾向(実効再生産数が減少),大きい(上方の)時はいっそう拡大の傾向(実効再生産数が増大)を意味しています。なお,"τ×増加率"自体も日々のデータに応じた最適化により,更新されていることにご注意ください。


グラフの見方

 
感染確定日データの日別の感染者数の累計が,"累計obs"です。ただし,最新の値で割って,最大値が1となるようにした"累計obs'"をグラフにプロットしています。

累計obsに合致するようにロジスティック関数を最適化し,最適化した関数による計算値が"累計calc"です。この値を最新の累計obsで割った"累計calc'"をプロットしています。

"日別obs"は,日別の感染者数です。最適化した関数から計算される日別の感染者数が"日別calc"です。

最適化した関数から計算される内的自然増加率 r から計算される実効再生産数が,"τ×増加率"です。ここでの τ (tau) は,感染者が感染させてしまう平均日数で,値は7を採用しています。初期の頃の"τ×増加率"に1を加えた数が基本再生産数に対応すると考えられ,第1波では2,第2波では1.55程度です。

日別の感染者数から見積もることができる,"τ×増加率"に相当する値について,素のデータが曜日ごとのばらつきが大きいため,7日間の移動平均をとった値が"τ×平均"です。第1波について"τ×平均1",第2波について"τ×平均2"としています。最新の3日間では7日間移動平均が適用できませんが,動向を把握するために,最新日は実際の値そのもの,前日では3日間の,前々日では5日間の移動平均を採用しています。そのため,最新日と前日の値の変動の幅は大きくなっています。

これら"τ×平均"は関数モデルが妥当ならば,"τ×増加率"に次第に合致するはずです。"τ×平均1"は第1波の"τ×増加率"によく沿っていて,"τ×平均2"は変化しながらも第2波の"τ×増加率"に追随しています。

"累計calc'""日別calc""τ×増加率"は日付を指定すれば計算できるので,数日後の値もプロットしています。

日別感染者数がピークに達するとき,"日別calc""τ×増加率"は変曲点に来ます。変曲点に来ると"τ×増加率"が初めのころの値の1/2となります。"τ×増加率""τ×平均"が次第に小さくなって,半分となる時期が感染のピークです。まだまだ先のようです。

"日別calc"はピークを挟んでグラフでは左右対称となります(偶関数です)。ピークの前と後では日別感染者数,および,その累計はほとんど同じ値になります。

2020/07/19

COVID-19 東京都の感染者数プロファイルの解析 [7月19日]

COVID-19 東京都の感染者数プロファイルの解析

[7月19日]

Profile analyses of COVID-19 affected numbers in Tokyo [July 19, 2020]


東京都が本日7月19日に発表した感染者数は188名でした。確定日別のデータは18日が152名です。17日分は280(32名追加)名に増えました。

日曜日から水曜日の発表の感染者数は相変わらず値が小さくなっています。累計感染者数は直近の最大値が1になるように,スケールを調整してグラフ化しています。そのため,累計感染者が大きくなるにつれて,累計のプロットは下方に圧縮されていきます。 

"τ×平均2"は"τ×増加率"ともに少し下向きになってきたようです。これらは,本日掲載の"COVID-19 感染者数プロファイルの概形"の図3の実効再生産数 RLe のプロットに対応します。変曲点はまだ先です。

グラフの見方」は図の下方に挙げてあります。

7月19日発表の東京都の確定日別データ(7月18日まで)に基づいています [クリックで拡大]

計算,理論,説明などは,7月2日分(7月3日にアップ)をご覧ください。
 
"τ×平均2"が,"τ×増加率"よりも小さい(下方の)時は収束の傾向(実効再生産数が減少),大きい(上方の)時はいっそう拡大の傾向(実効再生産数が増大)を意味しています。なお,"τ×増加率"自体も日々のデータに応じた最適化により,更新されていることにご注意ください。


グラフの見方

 
感染確定日データの日別の感染者数の累計が,"累計obs"です。ただし,最新の値で割って,最大値が1となるようにした"累計obs'"をグラフにプロットしています。

累計obsに合致するようにロジスティック関数を最適化し,最適化した関数による計算値が"累計calc"です。この値を最新の累計obsで割った"累計calc'"をプロットしています。

"日別obs"は,日別の感染者数です。最適化した関数から計算される日別の感染者数が"日別calc"です。

最適化した関数から計算される内的自然増加率 r から計算される実効再生産数が,"τ×増加率"です。ここでの τ (tau) は,感染者が感染させてしまう平均日数で,値は7を採用しています。初期の頃の"τ×増加率"に1を加えた数が基本再生産数に対応すると考えられ,第1波では2,第2波では1.55程度です。

日別の感染者数から見積もることができる,"τ×増加率"に相当する値について,素のデータが曜日ごとのばらつきが大きいため,7日間の移動平均をとった値が"τ×平均"です。第1波について"τ×平均1",第2波について"τ×平均2"としています。最新の3日間では7日間移動平均が適用できませんが,動向を把握するために,最新日は実際の値そのもの,前日では3日間の,前々日では5日間の移動平均を採用しています。

これら"τ×平均"は関数モデルが妥当ならば,"τ×増加率"に次第に合致するはずです。"τ×平均1"は第1波の"τ×増加率"によく沿っていて,"τ×平均2"は変化しながらも第2波の"τ×増加率"に追随しています。

"累計calc'""日別calc""τ×増加率"は日付を指定すれば計算できるので,数日後の値もプロットしています。

日別感染者数がピークに達するとき,"日別calc""τ×増加率"は変曲点に来ます。変曲点に来ると"τ×増加率"が初めのころの値の1/2となります。"τ×増加率""τ×平均"が次第に小さくなって,半分となる時期が感染のピークです。まだまだ先のようです。

"日別calc"はピークを挟んでグラフでは左右対称となります(偶関数です)。ピークの前と後では日別感染者数,および,その累計はほとんど同じ値になります。

COVID-19 感染者数プロファイルの概形 [東京都: 7月18日]

COVID-19 感染者数プロファイルの概形

[東京都: 7月18日]

Modeled Profiles for COVID-19 affected numbers [Tokyo: July 17, 2020]


ロジスティック(logistlic)関数を,報告された東京都の累計の感染者数に最適化しました。第2波の最適化により得られたロジスティック関数モデルのパラメーターから,SIRD compartment モデルのパラメーターを得て,両者を比較しました。

報告値は,東京都が7月19日に発表した感染者数のうち,17日までは確定日別のデータを,18日は発表ベースの値をもとに,日別の累計感染者数としました。最適化の結果とその見方は,前日のブログをご覧ください。

SIRD モデルでは,ある感染者の集団について,
  感受性者 Susceptible βSI 感染者 Infectious γI 元感染者 Recovered ; μI 死亡者 Death
のように4つの群に分けます。それぞれの群の人数を群のイニシャルで表します。各群の人数の合計 P が集団の大きさを決める人数です。また,感受性者から感染者への移行の速さに β感染者から元感染者への移行の速さ(感染惹起日数の逆数)に γ感染者から死者への移行の速さに μ を用います。

ロジスティック関数の内的自然増加率 r,および感染惹起日数 τ の値7から,SIRD モデルの β γ を求めました。致死率が4%に近くなるように μ を決めました(若い年代で感染者が増えているので致死率はこれよりは低くなるでしょう)。集団のサイズ P は,I+R+Dロジスティック関数の(累計)感染者数 N と環境サイズ K に等しくなるよう決めました。

図から,感染者数のプロファイルから,時間の経過に伴う感染者数などの推移を概観できます。現段階では, 内的自然増加率 r はかなり精度よく求まってきましたので,プロファイルの概形は決まってきました。しかし,環境サイズ K と感染のピーク(変曲点)の日付の精度はまだ不十分です。

なお,このブログで記述する内容は,非専門家の私が個人的に構成したもので,正確さには努めてはおりますが,綿密に検証されたものではありません。また,将来の予測となるものでもありません。 

図1は,こうして求めたパラメーターによるSIRDモデルの計算結果(連立微分方程式の解法はRK4数値計算)です。-dS/dt が日別の感染者数(S の減少分,すなわちの I+R+D 増加分)です。
Fig. 1. SIR model for Tokyo COVID-19 affected numbers as of July 18, 2020[クリックで拡大

図2は,最適化した累計感染者数 N 日別の感染者数 dN/dt ,対応するSIRDモデルの累計感染者数 I+R+D 日別の感染者数-dS/dt です。
Fig. 2. SIR-modeled affected numbers from the optimized logistic-function model クリックで拡大

図3は,ロジステック関数からの日別感染者数と実効再生産数 RLe,SIRモデルでの日別感染者数と実効再生産数 R0e Re です。実効再生産数 RLe がこのブログで定義して用いているもので,dN/dt = (1/τ) RLe I の式の累計感染者数 N の増減を示す項です。 

実効再生産数 R0eR0(S/P) で,基本再生産数 R0 から時間経過(感受性者数 S の減少)に伴って算出されるものです。よく使用される実効再生産数R0eとここでのRLeの関係は R0e ≈ 2RLe-τr+1 です。Re R0e-1 で,dI/dt = γ Re I の式の感染者数 I の増減を示す項です。
Fig. 3. Daily cases of affected numbers and reproduction numbers クリックで拡大

最適化した関数から計算される内的自然増加率 r から計算される"τ×増加率"がこのブログでの実効再生産数です。初期の頃の"τ×増加率"に1を加えた数が基本再生産数R0 に対応すると考えられ,R0τr+1 です。東京都の第1波では2,第2波では1.55程度です。

日別感染者数がピークに達するとき,累計感染者数と"τ×増加率"は変曲点に来ます(矢印)。時間が経過すると0に収束します。変曲点に来ると,実効再生産数の"τ×増加率"が初めの頃の値の1/2となります。

SIRD モデルの基本再生産数と実効再生産数は感染者数 I に関するもので, R0e Re 感染者数のピークの日付に前者は1,後者は0となります。しかし,日別の感染者数のピークとは合致せず,遅れがあります(図1および図3)。 感染者の数ピークは,感染者数の変化量のピーク(変曲点)から,東京都の場合は7日ほど,遅れて到来します。変曲点から2週間程度は感染力を持つ感染者の数 I は最も多い状態にあります。この期間にことさら注意すべきで,感染者数(I+R+D)のピークを過ぎてからクラスターがなぜ発生し易いかも理解できると思います。

図3をよく見ると,28日あたりでロジスティック関数値が少し大きめ,126日当たりで少し小さめです。この様子が解析にも表れているように見受けられます。Gompertz 関数ならば,SIRD モデルの日別の感染者数への合致が改善されるかもしれません。ただ,実際のデータのばらつきと確度,最適化の簡便さ,SIRD モデルへの適用性から,ロジスティック関数が適していると考えています。

SIRD モデルも含めたcompartmentモデルの問題点は,計算にあたって,集団の大きさを決める人数 P の値が必要なことです。この値を東京都の人口などと仮定すると,数百万,数十万の感染者数の値(数万人の死者などの値)が出てきてしまいます。

私のロジスティック関数の最適化では, 環境サイズ K を仮定しないで,最適化から求めています。また,増幅率と実効再生産数も環境サイズに依存しないため,compartmentモデルのような問題点はありません。たとえば,日本全体の実効再生産数は東京都の値とほぼ等しいので,両者の感染プロファイルは互いに近いものとなります。変曲点と環境サイズはそれぞれの最適化から算出されます。

2020/07/18

COVID-19 東京都の感染者数プロファイルの解析 [7月18日]

COVID-19 東京都の感染者数プロファイルの解析

[7月18日]

Profile analyses of COVID-19 affected numbers in Tokyo [July 18, 2020]


東京都が本日7月18日に発表した感染者数は290名でした。確定日別のデータは17日が248名です。16日分は285(46名追加)名に増えました。

先週の木曜日から土曜日の発表日ベースでの合計は673名でしたが,今週は869名へと増えました。綠の実線の"日別calc"の17日の計算値は265で,まだ増え続けています。

グラフの見方」は図の下方に挙げてあります。

7月18日発表の東京都の確定日別データ(7月17日まで)に基づいています [クリックで拡大]
計算,理論,説明などは,7月2日分(7月3日にアップ)をご覧ください。
 
"τ×平均2"が,"τ×増加率"よりも小さい(下方の)時は収束の傾向(実効再生産数が減少),大きい(上方の)時はいっそう拡大の傾向(実効再生産数が増大)を意味しています。なお,"τ×増加率"自体も日々のデータに応じた最適化により,更新されていることにご注意ください。


グラフの見方

 
感染確定日データの日別の感染者数の累計が,"累計obs"です。ただし,最新の値で割って,最大値が1となるようにした"累計obs'"をグラフにプロットしています。

累計obsに合致するようにロジスティック関数を最適化し,最適化した関数による計算値が"累計calc"です。この値を最新の累計obsで割った"累計calc'"をプロットしています。

"日別obs"は,日別の感染者数です。最適化した関数から計算される日別の感染者数が"日別calc"です。

最適化した関数から計算される内的自然増加率 r から計算される実効再生産数が,"τ×増加率"です。ここでの τ (tau) は,感染者が感染させてしまう平均日数で,値は7を採用しています。初期の頃の"τ×増加率"に1を加えた数が基本再生産数に対応すると考えられ,第1波では2,第2波では1.55程度です。

日別の感染者数から見積もることができる,"τ×増加率"に相当する値について,素のデータが曜日ごとのばらつきが大きいため,7日間の移動平均をとった値が"τ×平均"です。第1波について"τ×平均1",第2波について"τ×平均2"としています。最新の3日間では7日間移動平均が適用できませんが,動向を把握するために,最新日は実際の値そのもの,前日では3日間の,前々日では5日間の移動平均を採用しています。

これら"τ×平均"は関数モデルが妥当ならば,"τ×増加率"に次第に合致するはずです。"τ×平均1"は第1波の"τ×増加率"によく沿っていて,"τ×平均2"は変化しながらも第2波の"τ×増加率"に追随しています。

"累計calc'""日別calc""τ×増加率"は日付を指定すれば計算できるので,数日後の値もプロットしています。

日別感染者数がピークに達するとき,"日別calc""τ×増加率"は変曲点に来ます。変曲点に来ると"τ×増加率"が初めのころの値の1/2となります。"τ×増加率""τ×平均"が次第に小さくなって,半分となる時期が感染のピークです。まだまだ先のようです。

"日別calc"はピークを挟んでグラフでは左右対称となります(偶関数です)。ピークの前と後では日別感染者数,および,その累計はほとんど同じ値になります。

COVID-19 日本の感染者数プロファイルの解析 [7月17日]

COVID-19 日本の感染者数プロファイルの解析

[7月17日]

Profile analyses of COVID-19 affected numbers in Japan [July 17, 2020]


日本国内でのCOVID-19感染者数(朝日新聞発表,7月18日現在)の累計値を,ロジスティック関数への最適化で解析しました。

先週の後半よりも感染者数が大幅に増え,棒グラフの"日別obs"は大きく変動しています。綠の実線の"日別calc"はこれらをよく追随しています。この先もまだまだ増えそうです。

"τ×増加率"は関数から得られる実効再生産数に相当する値(ロジスティック関数について独自に定義しています),"τ×平均"は日別の感染者数から算出した実効再生産数の相当値です。計算モデルが妥当ならば,累計数が増えるにしたがって,"τ×平均"は"τ×増加率"に近づくはずです。第1波はこれを示しています。第2波の値は現在0.5程度です。

初期の頃の"τ×増加率"に1を加えた数が基本再生産数に対応すると考えられ,第1波はおよそ1.8で東京都よりは小さめ,第2波はこれまでの経過からは1.6程度でやや大きめです。第1波は東京都よりは緩やかに,第2波はすこし急に感染が拡大しているようです。ただし,これらの特徴は,東京都も含めた日本全体をひとまとめで解析した結果です。

グラフの見方」は図の下方に挙げました。
 
7月18日まで掲載の日本国内の感染者数の累計データに基づいています [クリックで拡大]
計算,理論,説明などは,7月2日分(7月3日にアップ)をご覧ください。
 
"τ×平均2"が,"τ×増加率"よりも小さい(下方の)時は収束の傾向(実効再生産数が減少),大きい(上方の)時はいっそう拡大の傾向(実効再生産数が増大)を意味しています。なお,"τ×増加率"自体も日々のデータに応じた最適化により,更新されていることにご注意ください。


グラフの見方


感染確定日データの日別の感染者数の累計が,"累計obs"です。ただし,最新の値で割って,最大値が1となるようにした"累計obs'"をグラフにプロットしています。

累計obsに合致するようにロジスティック関数を最適化し,最適化した関数による計算値が"累計calc"です。この値を最新の累計obsで割った"累計calc'"をプロットしています。

"日別obs"は,日別の感染者数です。最適化した関数から計算される日別の感染者数が"日別calc"です。

最適化した関数から計算される内的自然増加率 r から計算される実効再生産数が,"τ×増加率"です。ここでの τ (tau) は,感染者が感染させてしまう平均日数で,値は7を採用しています。

日別の感染者数から見積もることができる,"τ×増加率"に相当する値について,素のデータが曜日ごとのばらつきが大きいため,7日間の移動平均をとった値が"τ×平均"です。第1波について"τ×平均1",第2波について"τ×平均2"としています。最新の3日間では7日間移動平均が適用できませんが,動向を把握するために,最新日は実際の値そのもの,前日では3日間の,前々日では5日間の移動平均を採用しています。

これら"τ×平均"は関数モデルが妥当ならば,"τ×増加率"に次第に合致するはずです。"τ×平均1"は第1波の"τ×増加率"によく沿っていて,"τ×平均2"は変化しながらも第2波の"τ×増加率"に追随しています。

"累計calc'""日別calc""τ×増加率"は日付を指定すれば計算できるので,数日後の値もプロットしています。

日別感染者数がピークに達するとき,"日別calc""τ×増加率"は変曲点に来ます。変曲点に来ると"τ×増加率"が初めのころの値の1/2となります。"τ×増加率""τ×平均"が次第に小さくなって,半分となる時期が感染のピークです。まだまだ先のようです。

"日別calc"はピークを挟んでグラフでは左右対称となります(偶関数です)。ピークの前と後では日別感染者数,および,その累計はほとんど同じ値になります。