2020/07/25

COVID-19 東京都の感染者数プロファイルの解析 [7月25日]

COVID-19 東京都の感染者数プロファイルの解析

[7月25日]

Profile analyses of COVID-19 affected numbers in Tokyo [July 25, 2020]


東京都が本日7月24日に発表した感染者数は295名でした。先週の土曜日の290名とほぼ同じ数です。連休2日間とこの週末の検査が,また感染者数にどう影響するかは来週になってからの数値に現れるでしょう。確定日別のデータは,24日分が190名と少なかったのですが,23日分が259(57名追加)に大きく増えました。データは7月9日まで遡って47名もの追加修正がありました。

"τ×平均2"が"τ×増加率"よりも値がやや小さい状態が継続しています。"累計obs"のカーブには,ピークに近づきつつある様子が現れています。
 
"τ×増加率"が初めの頃の半分の0.27に近い日付が変曲点(日別感染者数のピーク)となります。計算される変曲点の日付は8月1日と変わりません。実際に感染する"感染ピーク"は今週末と推測されます。報道される感染者数は8月上旬にかけてまだまだ増えるはずで,来週も感染しないように配慮して過ごしましょう。
 
グラフの見方」は図の下方に挙げてあります。
 
7月25日発表の東京都の確定日別データ(7月24日まで)に基づいています [図をクリックすると拡大]

"τ×平均2"が,"τ×増加率"よりも小さい(下方の)時は収束の傾向(実効再生産数が減少),大きい(上方の)時はいっそう拡大の傾向(実効再生産数が増大)を意味しています。なお,"τ×増加率"自体も日々のデータに応じた最適化により,更新されていることにご注意ください。

グラフの見方


感染確定日データの日別の感染者数の累計が,"累計obs"です。ただし,最新の値で割って,最大値が1となるようにした"累計obs'"をグラフにプロットしています。

累計obsに合致するようにロジスティック関数を最適化し,最適化した関数による計算値が"累計calc"です。この値を最新の累計obsで割った"累計obs'"と"累計calc'"をプロットしています。最新の"累計obs'"は1です。

"日別obs"は,日別の感染者数です。最適化した関数から計算される日別の感染者数が"日別calc"です。

最適化した関数から計算される内的自然増加率 r から計算される実効再生産数が,"τ×増加率"です。ここでの τ (tau) は,感染者が感染させてしまう平均日数で,値は7を採用しています。初期の頃の"τ×増加率"に1を加えた数が基本再生産数に対応すると考えられ,東京都の第1波では2,第2波では1.55程度です。

日別の感染者数から見積もることができる"τ×増加率"に相当する値について,素のデータが曜日ごとのばらつきが大きいため,7日間の移動平均をとった値が"τ×平均"です。第1波について"τ×平均1",第2波について"τ×平均2"としています。最新の3日間では7日間移動平均が適用できませんが,動向を把握するために,最新日は実際の値そのもの,前日では3日間の,前々日では5日間の移動平均を採用しています。そのため,最新日と前日の値の変動の幅は大きくなっています。

これら"τ×平均"は関数モデルが妥当ならば,"τ×増加率"に次第に合致するはずです。"τ×平均1"は第1波の"τ×増加率"によく沿っていて,"τ×平均2"は変化しながらも第2波の"τ×増加率"に追随しています。

"累計calc'""日別calc""τ×増加率"は日付を指定すれば計算できるので,数日後の値もプロットしています。

日別感染者数がピークに達するとき,"日別calc""τ×増加率"は変曲点に来ます。変曲点に来ると"τ×増加率"が初めのころの値の1/2となります。"τ×増加率""τ×平均"が次第に小さくなって,半分となる時期が感染のピークです。このときの累計感染者数を2倍すると,最大値になります。

"日別calc"はピークを挟んでグラフでは左右対称となります(偶関数です)。ピークの前と後では日別感染者数,および,その累計値(こちらは奇関数)はほとんど同じ値になります。

2020/07/24

COVID-19 東京都の感染者数プロファイルの解析 [7月24日]

COVID-19 東京都の感染者数プロファイルの解析

[7月24日]

Profile analyses of COVID-19 affected numbers in Tokyo [July 24, 2020]


東京都が本日7月24日に発表した感染者数は260名でした。先週金曜日の295名よりも少なくなっていますが,連休2日目であることが関係していると思われます。確定日別のデータは,23日分が202名と少なく,22日分が374(43名追加)に大きく増えました。

日別の感染者数のばらつきが大きいにもかかわらず,計算は最近の傾向を追随し,"τ×平均2"は"τ×増加率"よりも値がやや小さい状態が継続しています。
 
"τ×増加率"が初めの頃の半分の0.27に近い日付が変曲点(日別感染者数のピーク)となります。計算される変曲点の日付は8月1日に早まり,実際に感染する"感染ピーク"は今週末から来週の初めと推測されます。このように早まったのは,"夜の街"などで自粛の傾向が強まったり,多くの人が感染にいっそう気をつけたためでしょうか。
 
グラフの見方」は図の下方に挙げてあります。

7月24日発表の東京都の確定日別データ(7月23日まで)に基づいています [図をクリックすると拡大]
"τ×平均2"が,"τ×増加率"よりも小さい(下方の)時は収束の傾向(実効再生産数が減少),大きい(上方の)時はいっそう拡大の傾向(実効再生産数が増大)を意味しています。なお,"τ×増加率"自体も日々のデータに応じた最適化により,更新されていることにご注意ください。

グラフの見方


感染確定日データの日別の感染者数の累計が,"累計obs"です。ただし,最新の値で割って,最大値が1となるようにした"累計obs'"をグラフにプロットしています。

累計obsに合致するようにロジスティック関数を最適化し,最適化した関数による計算値が"累計calc"です。この値を最新の累計obsで割った"累計obs'"と"累計calc'"をプロットしています。最新の"累計obs'"は1です。

"日別obs"は,日別の感染者数です。最適化した関数から計算される日別の感染者数が"日別calc"です。

最適化した関数から計算される内的自然増加率 r から計算される実効再生産数が,"τ×増加率"です。ここでの τ (tau) は,感染者が感染させてしまう平均日数で,値は7を採用しています。初期の頃の"τ×増加率"に1を加えた数が基本再生産数に対応すると考えられ,東京都の第1波では2,第2波では1.55程度です。

日別の感染者数から見積もることができる"τ×増加率"に相当する値について,素のデータが曜日ごとのばらつきが大きいため,7日間の移動平均をとった値が"τ×平均"です。第1波について"τ×平均1",第2波について"τ×平均2"としています。最新の3日間では7日間移動平均が適用できませんが,動向を把握するために,最新日は実際の値そのもの,前日では3日間の,前々日では5日間の移動平均を採用しています。そのため,最新日と前日の値の変動の幅は大きくなっています。

これら"τ×平均"は関数モデルが妥当ならば,"τ×増加率"に次第に合致するはずです。"τ×平均1"は第1波の"τ×増加率"によく沿っていて,"τ×平均2"は変化しながらも第2波の"τ×増加率"に追随しています。

"累計calc'""日別calc""τ×増加率"は日付を指定すれば計算できるので,数日後の値もプロットしています。

日別感染者数がピークに達するとき,"日別calc""τ×増加率"は変曲点に来ます。変曲点に来ると"τ×増加率"が初めのころの値の1/2となります。"τ×増加率""τ×平均"が次第に小さくなって,半分となる時期が感染のピークです。このときの累計感染者数を2倍すると,最大値になります。

"日別calc"はピークを挟んでグラフでは左右対称となります(偶関数です)。ピークの前と後では日別感染者数,および,その累計値(こちらは奇関数)はほとんど同じ値になります。

2020/07/23

COVID-19 東京都の感染者数プロファイルの解析 [7月23日]

COVID-19 東京都の感染者数プロファイルの解析

[7月23日]

Profile analyses of COVID-19 affected numbers in Tokyo [July 23, 2020]


東京都が本日7月23日に発表した感染者数は366名でした。先週金曜日のこれまでの最大数293名を大きく超えています。確定日別のデータは22日が331名です。21日分は222(35名追加)名になど,過去に遡って感染者数の更新がありました。

日別の感染者数のばらつきが大きいにもかかわらず,計算は傾向を追随し,"τ×平均2"は"τ×増加率"よりも値がやや小さくなりながら推移しています。
 
"τ×増加率"が初めの頃の半分の0.27に近い日付が変曲点(日別感染者数のピーク)となります。計算される変曲点の日付が早まりつつあり,実際に感染する"感染ピーク"は今週末から来週の初めと考えたほうが良さそうです。
 
グラフの見方」は図の下方に挙げてあります。
 
7月23日発表の東京都の確定日別データ(7月22日まで)に基づいています [図をクリックすると拡大]

計算,理論,説明などは,7月2日分(7月3日にアップ)をご覧ください。

"τ×平均2"が,"τ×増加率"よりも小さい(下方の)時は収束の傾向(実効再生産数が減少),大きい(上方の)時はいっそう拡大の傾向(実効再生産数が増大)を意味しています。なお,"τ×増加率"自体も日々のデータに応じた最適化により,更新されていることにご注意ください。

グラフの見方


感染確定日データの日別の感染者数の累計が,"累計obs"です。ただし,最新の値で割って,最大値が1となるようにした"累計obs'"をグラフにプロットしています。

累計obsに合致するようにロジスティック関数を最適化し,最適化した関数による計算値が"累計calc"です。この値を最新の累計obsで割った"累計obs'"と"累計calc'"をプロットしています。最新の"累計obs'"は1です。

"日別obs"は,日別の感染者数です。最適化した関数から計算される日別の感染者数が"日別calc"です。

最適化した関数から計算される内的自然増加率 r から計算される実効再生産数が,"τ×増加率"です。ここでの τ (tau) は,感染者が感染させてしまう平均日数で,値は7を採用しています。初期の頃の"τ×増加率"に1を加えた数が基本再生産数に対応すると考えられ,東京都の第1波では2,第2波では1.55程度です。

日別の感染者数から見積もることができる"τ×増加率"に相当する値について,素のデータが曜日ごとのばらつきが大きいため,7日間の移動平均をとった値が"τ×平均"です。第1波について"τ×平均1",第2波について"τ×平均2"としています。最新の3日間では7日間移動平均が適用できませんが,動向を把握するために,最新日は実際の値そのもの,前日では3日間の,前々日では5日間の移動平均を採用しています。そのため,最新日と前日の値の変動の幅は大きくなっています。

これら"τ×平均"は関数モデルが妥当ならば,"τ×増加率"に次第に合致するはずです。"τ×平均1"は第1波の"τ×増加率"によく沿っていて,"τ×平均2"は変化しながらも第2波の"τ×増加率"に追随しています。

"累計calc'""日別calc""τ×増加率"は日付を指定すれば計算できるので,数日後の値もプロットしています。

日別感染者数がピークに達するとき,"日別calc""τ×増加率"は変曲点に来ます。変曲点に来ると"τ×増加率"が初めのころの値の1/2となります。"τ×増加率""τ×平均"が次第に小さくなって,半分となる時期が感染のピークです。このときの累計感染者数を2倍すると,最大値になります。

"日別calc"はピークを挟んでグラフでは左右対称となります(偶関数です)。ピークの前と後では日別感染者数,および,その累計値(こちらは奇関数)はほとんど同じ値になります。

COVID-19 感染者数プロファイルの計算モデルと見方


COVID-19 感染者数プロファイルの計算モデルと見方

 
ロジスティック関数は,
   N = K/{1+exp[-r(t-T)]}                      1)
で表されます。

N はある時刻 t での個体数(感染者数の累計数)。
K は環境収容力とよばれ,ここでは最大となる感染個体数を表します。
r は内的自然増加率とよばれ,1個体がとりうる最大の増加率です。
T は変曲点(N K の半分となる,またはNの増加数が最大となる点)の時刻です。

ロジスティック関数は,関数の微分の形であるロジスティック方程式
   dN/d = r N (1-N/K)                        2)
の微分方程式の解です。ここでは,時刻を日の単位としているので,ロジスティック方程式の値は各時刻(日)における増加数を表しています。

ある集団について,第1波,第2波のように,あるいは,いくつかの小集団1,小集団2のように,複数の感染者数プロファイルから成っているとき,それらの合計として累計感染者数 NT を考えています。NT は,それぞれが式1)で表される感染者数プロファイル j の累計感染者数 Nj の和です。
   NT = Nj                            3)

解析では,報告されている日々の累計感染者数 No について, 累計感染者数 NT の計算値 Nc を最適化しています。最適化は,次式の Rw を最小にする非線形の最小二乗法によっています。
   Rw = w(No-Nc)2                       4)
ここでの w は個々(日々)の累計感染者数の確からしさを反映した重みです。この最小二乗法で, 各々の感染者数プロファイル j についての環境収容力 Kj,内的自然増加率 rj と変曲点の時刻 Tj の3つのパラメータが得られます。

ロジスティック関数モデルによる感染者数プロファイルを図に例として示します。計算は,東京都の第2波を想定し,環境収容力 K を 17,600,内的自然増加率 r を 0.08,変曲点の日付を8月1日としています。このブログでは確定日別の感染者数を用いており,実際に感染が起きたのは7日間ほど前と考えられ,確定日が8月1日ならば感染日は7月25日頃と思われます。

日本全体のモデルでは,内的自然増加率は東京都の場合とほぼ同じなので,プロファイルの概形もほぼ同じです。ただし,変曲点の日付は数日の遅れ,環境収容力は数倍となっています。


ロジスティック関数による計算モデルと見方 [図をクリックすると拡大

グラフの見方


感染確定日データの日別の感染者数の累計が,"累計obs"です。ただし,最新の値で割って,最大値が1となるようにした"累計obs'"をグラフにプロットしています。

累計obsに合致するようにロジスティック関数を最適化し,最適化した関数による計算値が"累計calc"です。この値を最新の累計obsで割った"累計obs'"と"累計calc'"をプロットしています。東京都の場合は第1波と第2波の合計で算出しており,最新の"累計obs'"は1です。

"日別obs"は日別の感染者数です。最適化した関数から計算される日別の感染者数が"日別calc"です。

最適化した関数から計算される内的自然増加率 r から
   RLe = τ r/{1+exp[r(t-T)]}                     5)
により計算される実効再生産数RLeが,"τ×増加率"です。ここでの τ (tau) は,感染者が感染させてしまう平均日数で,値は7を採用しています。初期の頃の"τ×増加率"(τr)に1を加えた数が基本再生産R0に対応すると考えられ,東京都の第1波では2,第2波では1.55程度です。よく使用される実効再生産数 R0e とここでの RLe との関係は R0e ≈ 2RLe-τr+1 です。

日別の感染者数から, τ ×(日増加数)÷(累計数)により見積もることができる"τ×平均"について,素のデータは曜日ごとのばらつきが大きいため,7日間の移動平均をとった値を"τ×平均"としています。第1波について"τ×平均1",第2波について"τ×平均2"としています。最新の3日間では7日間移動平均が適用できませんが,動向を把握するために,最新日は実際の値そのもの,前日では3日間の,前々日では5日間の移動平均を採用しています。そのため,最新日と前日の値の変動の幅は大きくなっています。

なお,東京都の確定日別データの最新日(発表日の前日)の数値は集計途中の値が発表され,集計が進んだときの値の約80%と,小さく見積もられています。最適化では,最新日の発表日ベースの値が後日の集計後の値に近いことから,この発表日ベースの値を確定日別の最新値の仮の値としています(前々日以後は確定日別の数値に更新します)。

"τ×平均"は関数モデルには依存しません。関数モデルが妥当ならば,"τ×平均""τ×増加率"に次第に合致するはずです。"τ×平均1"は第1波の"τ×増加率"によく沿っていて,"τ×平均2"は変化しながらも第2波の"τ×増加率"に追随しています。

"累計calc'""日別calc""τ×増加率"は日付を指定すれば計算できるので,数日後の値もプロットしています。

日別感染者数がピークに達するとき,"日別calc""τ×増加率"は変曲点に来ます。変曲点に来ると"τ×増加率"が初めの頃の値の1/2となります。"τ×増加率""τ×平均"が次第に小さくなって,半分となる時期が日別感染者数のピークです。このときの累計感染者数を2倍すると,最大値になります。

"日別calc"はピークを挟んでグラフでは左右対称となります(偶関数です)。ピークの前と後では日別感染者数,および,その累計値(こちらは奇関数)はほとんど同じ値になります。"τ×増加率"(奇関数)は累計値を日付を反転した形になっています。

2020/07/22

COVID-19 東京都の感染者数プロファイルの解析 [7月22日]

COVID-19 東京都の感染者数プロファイルの解析

[7月22日]

Profile analyses of COVID-19 affected numbers in Tokyo [July 22, 2020]


東京都が本日7月22日に発表した感染者数は238名でした。確定日別のデータは21日が187名です。20日分は205(33名追加)名に,19日分は137(+12名)名に増え,過去に遡って感染者数の更新がありました。

先週の水曜日発表の感染者数は165名でしたので,まだまだ増え続けています。木曜日から土曜日は発表される数が多いのですが,休日を挟むのでどのような数になるでしょうか。

このブログで報告しているデータは,検査により陽性であることを医師が確認した日別の"確定日別"のものです。実際に感染してから医師の確認までは,7日間程度の時差(4月の頃よりも短くなった)があるものと考えられ,グラフの日付を前に7日間程度移すと感染日の様子を知ることができます(図1)。

先週の16日頃は感染者数が増えたのにも拘らず,"τ×平均2"は"τ×増加率"よりも値が小さくなっています。"τ×増加率"が初めの頃の半分の0.27に近い日付が変曲点(日別感染者数のピーク)となります。計算される変曲点の日付が早まりつつあるので,実際に感染する"感染ピーク"は来週の初めと考えたほうが良さそうです。自分達の身を守るためにも,皆さんはどのように考えて行動しますか?
 

Fig. 2. 年齢階級別の感染者数
東京都の最近の感染者は20代が多くを占めています。図2に7月14日から20日までの年齢階級別の感染者数(%)を示します。大多数が20代から40代です。

東京都の致死率は5月末には5.8%もありました。その後は下がり続け,7月13日には4%,本日は3.3%まで下がりました。

図2の感染者の年齢割合に,7月8日の年齢階級別の致死率を乗じて全感染者に対する致死率を算出すると,1.4%になります。この値は,台湾やオーストラリアなどの致死率の低い国々に匹敵する低さです。

致死率1.4%で第2波が経過するとしても,第2波の感染者数が1万5千名ならば,死亡者数は210名となります。50代以上の感染者が最近増えつつあるとの指摘があり,そうならば致死率は高くなります。感染しないように,罹患率を下げることが肝要です。

グラフの見方」は図の下方に挙げてあります。
 
Fig. 1. 7月22日発表の東京都の確定日別データ(7月21日まで)に基づいています [クリックで拡大]

計算,理論,説明などは,7月2日分(7月3日にアップ)をご覧ください。

"τ×平均2"が,"τ×増加率"よりも小さい(下方の)時は収束の傾向(実効再生産数が減少),大きい(上方の)時はいっそう拡大の傾向(実効再生産数が増大)を意味しています。なお,"τ×増加率"自体も日々のデータに応じた最適化により,更新されていることにご注意ください。

グラフの見方


感染確定日データの日別の感染者数の累計が,"累計obs"です。ただし,最新の値で割って,最大値が1となるようにした"累計obs'"をグラフにプロットしています。

累計obsに合致するようにロジスティック関数を最適化し,最適化した関数による計算値が"累計calc"です。この値を最新の累計obsで割った"累計obs'"と"累計calc'"をプロットしています。最新の"累計obs'"は1です。

"日別obs"は,日別の感染者数です。最適化した関数から計算される日別の感染者数が"日別calc"です。

最適化した関数から計算される内的自然増加率 r から計算される実効再生産数が,"τ×増加率"です。ここでの τ (tau) は,感染者が感染させてしまう平均日数で,値は7を採用しています。初期の頃の"τ×増加率"に1を加えた数が基本再生産数に対応すると考えられ,東京都の第1波では2,第2波では1.55程度です。

日別の感染者数から見積もることができる"τ×増加率"に相当する値について,素のデータが曜日ごとのばらつきが大きいため,7日間の移動平均をとった値が"τ×平均"です。第1波について"τ×平均1",第2波について"τ×平均2"としています。最新の3日間では7日間移動平均が適用できませんが,動向を把握するために,最新日は実際の値そのもの,前日では3日間の,前々日では5日間の移動平均を採用しています。そのため,最新日と前日の値の変動の幅は大きくなっています。

これら"τ×平均"は関数モデルが妥当ならば,"τ×増加率"に次第に合致するはずです。"τ×平均1"は第1波の"τ×増加率"によく沿っていて,"τ×平均2"は変化しながらも第2波の"τ×増加率"に追随しています。

"累計calc'""日別calc""τ×増加率"は日付を指定すれば計算できるので,数日後の値もプロットしています。

日別感染者数がピークに達するとき,"日別calc""τ×増加率"は変曲点に来ます。変曲点に来ると"τ×増加率"が初めのころの値の1/2となります。"τ×増加率""τ×平均"が次第に小さくなって,半分となる時期が感染のピークです。このときの累計感染者数を2倍すると,最大値になります。

"日別calc"はピークを挟んでグラフでは左右対称となります(偶関数です)。ピークの前と後では日別感染者数,および,その累計値(こちらは奇関数)はほとんど同じ値になります。

2020/07/21

COVID-19 東京都の感染者数プロファイルの解析 [7月21日]

COVID-19 東京都の感染者数プロファイルの解析

[7月21日]

Profile analyses of COVID-19 affected numbers in Tokyo [July 21, 2020]


東京都が本日7月21日に発表した感染者数は237名でした。確定日別のデータは20日が170名です。19日分は125(26名追加)名に,18日分は233(+25名)名に増えました。さらに,7月5日に遡って感染者数の更新がありました。

先週の火曜日発表の感染者数は168名でしたので,やはりますます増えています。

このブログで報告しているデータは,検査により陽性であることを医師が確認した日別の"確定日別"のものです。実際に感染してから医師の確認までは,少なくとも7日間程度の時差があるものと考えられ,グラフの日付を前に7日間程度移すと感染日の様子を知ることができます。

7月8日頃の"τ×平均2"は"τ×増加率"よりも値が大きくなっています。これは新宿区などでの検査で多くの陽性者が検出されたことを反映しています。先週の16日頃は感染者数が増えたのにも拘らず,"τ×増加率"よりも値が小さくなっています。この傾向が続けば,変曲点(日別感染者数のピーク)の日付が早まりそうです。

実際に感染する感染ピークが来週の半ばならば,今週の連休から来週を,感染にさらに気をつけて過ごしてはいかがでしょうか。するともう8月です。梅雨も明けて,学校は夏休み。4-5月の長い自粛に比べて,これでピークを乗り越えられるとしたら,自分達の身を守るためにも,皆さんどうしますか?

グラフの見方」は図の下方に挙げてあります。
 
7月21日発表の東京都の確定日別データ(7月20日まで)に基づいています [クリックで拡大]

計算,理論,説明などは,7月2日分(7月3日にアップ)をご覧ください。

"τ×平均2"が,"τ×増加率"よりも小さい(下方の)時は収束の傾向(実効再生産数が減少),大きい(上方の)時はいっそう拡大の傾向(実効再生産数が増大)を意味しています。なお,"τ×増加率"自体も日々のデータに応じた最適化により,更新されていることにご注意ください。

グラフの見方

 
感染確定日データの日別の感染者数の累計が,"累計obs"です。ただし,最新の値で割って,最大値が1となるようにした"累計obs'"をグラフにプロットしています。

累計obsに合致するようにロジスティック関数を最適化し,最適化した関数による計算値が"累計calc"です。この値を最新の累計obsで割った"累計calc'"をプロットしています。

"日別obs"は,日別の感染者数です。最適化した関数から計算される日別の感染者数が"日別calc"です。

最適化した関数から計算される内的自然増加率 r から計算される実効再生産数が,"τ×増加率"です。ここでの τ (tau) は,感染者が感染させてしまう平均日数で,値は7を採用しています。初期の頃の"τ×増加率"に1を加えた数が基本再生産数に対応すると考えられ,第1波では2,第2波では1.55程度です。

日別の感染者数から見積もることができる,"τ×増加率"に相当する値について,素のデータが曜日ごとのばらつきが大きいため,7日間の移動平均をとった値が"τ×平均"です。第1波について"τ×平均1",第2波について"τ×平均2"としています。最新の3日間では7日間移動平均が適用できませんが,動向を把握するために,最新日は実際の値そのもの,前日では3日間の,前々日では5日間の移動平均を採用しています。そのため,最新日と前日の値の変動の幅は大きくなっています。

これら"τ×平均"は関数モデルが妥当ならば,"τ×増加率"に次第に合致するはずです。"τ×平均1"は第1波の"τ×増加率"によく沿っていて,"τ×平均2"は変化しながらも第2波の"τ×増加率"に追随しています。

"累計calc'""日別calc""τ×増加率"は日付を指定すれば計算できるので,数日後の値もプロットしています。

日別感染者数がピークに達するとき,"日別calc""τ×増加率"は変曲点に来ます。変曲点に来ると"τ×増加率"が初めのころの値の1/2となります。"τ×増加率""τ×平均"が次第に小さくなって,半分となる時期が感染のピークです。まだまだ先のようです。

"日別calc"はピークを挟んでグラフでは左右対称となります(偶関数です)。ピークの前と後では日別感染者数,および,その累計はほとんど同じ値になります。