COVID-19 愛知県の感染者数プロファイルの解析
[8月6日]
Profile analyses of COVID-19 affected numbers in Aichi Pref. [August 6th, 2020]
愛知県が本日8月6日までに発表した感染者数を用いて,新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染者数のプロファイルをロジスティック関数モデルにより解析しました。
感染者数のデータは5月17日から8月6日までの累計感染者数です。5月17日の累計感染者数を0名としています。解析については本ブログの"COVID-19 感染者数プロファイルの計算モデルと見方"のページをご覧ください。CompartmentモデルのSIRDモデルへの対応付けについては"COVID-19 感染者数プロファイルの概形"をご覧ください。
日別の感染者数のばらつきが大きいにもかかわらず,最適化計算は最近の傾向を追随しています。"τ×平均"は"τ×増加率"ともよく合致しています。
"τ×増加率"が初めの頃の値1.66の半分の0.83に近い日付が変曲点(日別感染者数のピーク)となります。計算される変曲点の日付は7月31日で,既に感染者数のピークを過ぎています。
初めの頃の値1.66から基本再生産数は2.66と見積もられ,急峻な感染の拡大,そして収束を意味しています。ちなみに,本ブログでは,東京都の第2波の基本再生産数を1.55と見積もりました。とても緩やかな感染の拡大・収束の傾向を示しています。
"日別calc"は偶関数なので,変曲点を挟んで左右対称です。今後も同じ感染者数プロファイルが続くならば,8月末の日別感染者数は7月初めの感染者数(ほぼ0名)と等しくなるはずです。
初めの頃の値1.66から基本再生産数は2.66と見積もられ,急峻な感染の拡大,そして収束を意味しています。ちなみに,本ブログでは,東京都の第2波の基本再生産数を1.55と見積もりました。とても緩やかな感染の拡大・収束の傾向を示しています。
"日別calc"は偶関数なので,変曲点を挟んで左右対称です。今後も同じ感染者数プロファイルが続くならば,8月末の日別感染者数は7月初めの感染者数(ほぼ0名)と等しくなるはずです。
「グラフの見方」は図の下方にも挙げてあります。
愛知県が8月6日発表した感染者数のデータに基づいています [図をクリックすると拡大] |
および https://github.com/code4nagoya/covid19/tree/development/data
"τ×平均2"が,"τ×増加率"よりも小さい(下方の)時は収束の傾向(実効再生産数が減少),大きい(上方の)時はいっそう拡大の傾向(実効再生産数が増大)を意味しています。なお,"τ×増加率"自体も日々のデータに応じた最適化により,更新されていることにご注意ください。
グラフの見方
感染確定日データの日別の感染者数の累計が,"累計obs"です。ただし,最新の値で割って,最大値が1となるようにした"累計obs'"をグラフにプロットしています。
累計obsに合致するようにロジスティック関数を最適化し,最適化した関数による計算値が"累計calc"です。この値を最新の累計obsで割った"累計obs'"と"累計calc'"をプロットしています。最新の"累計obs'"は1です。
"日別obs"は,日別の感染者数です。最適化した関数から計算される日別の感染者数が"日別calc"です。
最適化した関数から計算される内的自然増加率 r から計算される実効再生産数が,"τ×増加率"です。ここでの τ
(tau) は,感染者が感染させてしまう平均日数で,値は7を採用しています。初期の頃の"τ×増加率"に1を加えた数が基本再生産数に対応すると考えられ,東京都の第1波では2,第2波では1.55程度です。
日別の感染者数から見積もることができる"τ×増加率"に相当する値について,素のデータが曜日ごとのばらつきが大きいため,7日間の移動平均をとった値が"τ×平均"です。第1波について"τ×平均1",第2波について"τ×平均2"としています。最新の3日間では7日間移動平均が適用できませんが,動向を把握するために,最新日は実際の値そのもの,前日では3日間の,前々日では5日間の移動平均を採用しています。そのため,最新日と前日の値の変動の幅は大きくなっています。
これら"τ×平均"は関数モデルが妥当ならば,"τ×増加率"に次第に合致するはずです。"τ×平均1"は第1波の"τ×増加率"によく沿っていて,"τ×平均2"は変化しながらも第2波の"τ×増加率"に追随しています。
"累計calc'","日別calc"と"τ×増加率"は日付を指定すれば計算できるので,数日後の値もプロットしています。
日別感染者数がピークに達するとき,"日別calc"と"τ×増加率"は変曲点に来ます。変曲点に来ると"τ×増加率"が初めのころの値の1/2となります。"τ×増加率"と"τ×平均"が次第に小さくなって,半分となる時期が感染のピークです。このときの累計感染者数を2倍すると,最大値になります。
"日別calc"はピークを挟んでグラフでは左右対称となります(偶関数です)。ピークの前と後では日別感染者数,および,その累計値(こちらは奇関数)はほとんど同じ値になります。