2020/08/16

COVID-19 東京都の感染者数プロファイルの解析 [8月16日]

COVID-19 東京都の感染者数プロファイルの解析

[8月16日]

Profile analyses of COVID-19 affected numbers in Tokyo [August 16th, 2020]


東京都が本日8月16日に発表した感染者数は260名です。確定日の8月15日分は193名です。14日分は291名(47名追加)に,13日分は423名(14名追加)に変更されました。

変曲点(日別感染数のピーク)は確定日ベースの8月1日4時で,昨日の解析と同じです。感染者数プロファイルには変化は無く,この傾向が続けば,収束は遅々として1月半は続きます。
 
第2波のこれまでの累計の計算値は12,640名で,全体としての累計は17,000名と見込まれます。これは第1波の3.3倍です。

グラフの見方」は図の下方に挙げてあります。
 
8月16日発表の東京都の確定日別データ(8月15日まで)に基づいています [図をクリックすると拡大]
"τ×平均2"が,"τ×増加率"よりも小さい(下方の)時は収束の傾向(実効再生産数が減少),大きい(上方の)時はいっそう拡大の傾向(実効再生産数が増大)を意味しています。なお,"τ×増加率"自体も日々のデータに応じた最適化により,更新されていることにご注意ください。


グラフの見方


感染確定日データの日別の感染者数の累計が,"累計obs"です。ただし,最新の値で割って,最大値が1となるようにした"累計obs'"をグラフにプロットしています。

累計obsに合致するようにロジスティック関数を最適化し,最適化した関数による計算値が"累計calc"です。この値を最新の累計obsで割った"累計obs'"と"累計calc'"をプロットしています。最新の"累計obs'"は1です。

"日別obs"は,日別の感染者数です。最適化した関数から計算される日別の感染者数が"日別calc"です。

最適化した関数から計算される内的自然増加率 r から計算される実効再生産数が,"τ×増加率"です。ここでの τ (tau) は,感染者が感染させてしまう平均日数で,値は7を採用しています。初期の頃の"τ×増加率"に1を加えた数が基本再生産数に対応すると考えられ,東京都の第1波では2,第2波では1.55程度です。

日別の感染者数から見積もることができる"τ×増加率"に相当する値について,素のデータが曜日ごとのばらつきが大きいため,7日間の移動平均をとった値が"τ×平均"です。第1波について"τ×平均1",第2波について"τ×平均2"としています。最新の3日間では7日間移動平均が適用できませんが,動向を把握するために,最新日は実際の値そのもの,前日では3日間の,前々日では5日間の移動平均を採用しています。そのため,最新日と前日の値の変動の幅は大きくなっています。

これら"τ×平均"は関数モデルが妥当ならば,"τ×増加率"に次第に合致するはずです。"τ×平均1"は第1波の"τ×増加率"によく沿っていて,"τ×平均2"は変化しながらも第2波の"τ×増加率"に追随しています。

"累計calc'""日別calc""τ×増加率"は日付を指定すれば計算できるので,数日後の値もプロットしています。

日別感染者数がピークに達するとき,"日別calc""τ×増加率"は変曲点に来ます。変曲点に来ると"τ×増加率"が初めのころの値の1/2となります。"τ×増加率""τ×平均"が次第に小さくなって,半分となる時期が感染のピークです。このときの累計感染者数を2倍すると,最大値になります。

"日別calc"はピークを挟んでグラフでは左右対称となります(偶関数です)。ピークの前と後では日別感染者数,および,その累計値(こちらは奇関数)はほとんど同じ値になります。

2020/08/15

COVID-19 東京都の感染者数プロファイルの解析 [8月15日]

COVID-19 東京都の感染者数プロファイルの解析

[8月15日]

Profile analyses of COVID-19 affected numbers in Tokyo [August 15th, 2020]


東京都が本日8月15日に発表した感染者数は385名です。確定日の8月14日分は244名と大きな数です。13日分は409名(126名追加)へと大幅に増えました。12日分は243名(12名追加)に変更されました。

昨日と本日の感染者数が多かったため,連休で少なかった累計数の分が解消されました。変曲点(日別感染数のピーク)は確定日ベースの8月1日4時で,昨日の解析よりも約6時間遅くなりました。日々の発表数のばらつきが大きいため,変曲点は7月31日と8月1日を中心に,解析の日毎に前後していますが,ほぼ一定しています。感染者数プロファイルには大きな変化はなく,収束の傾向は続いています。 
 
致死率は1.9%まで低下し,低下の傾向は続いています。また,重症者の数も小さな値に留まっています。6月1日以降の感染者については致死率は0.3%を下回っています。感染者の半数以上が若い人たちであることが低下の主因です。一方,40代から70歳未満の中高年の感染者が増えているとの指摘もあります。

グラフの見方」は図の下方に挙げてあります。
 
8月15日発表の東京都の確定日別データ(8月14日まで)に基づいています [図をクリックすると拡大]
"τ×平均2"が,"τ×増加率"よりも小さい(下方の)時は収束の傾向(実効再生産数が減少),大きい(上方の)時はいっそう拡大の傾向(実効再生産数が増大)を意味しています。なお,"τ×増加率"自体も日々のデータに応じた最適化により,更新されていることにご注意ください。


グラフの見方


感染確定日データの日別の感染者数の累計が,"累計obs"です。ただし,最新の値で割って,最大値が1となるようにした"累計obs'"をグラフにプロットしています。

累計obsに合致するようにロジスティック関数を最適化し,最適化した関数による計算値が"累計calc"です。この値を最新の累計obsで割った"累計obs'"と"累計calc'"をプロットしています。最新の"累計obs'"は1です。

"日別obs"は,日別の感染者数です。最適化した関数から計算される日別の感染者数が"日別calc"です。

最適化した関数から計算される内的自然増加率 r から計算される実効再生産数が,"τ×増加率"です。ここでの τ (tau) は,感染者が感染させてしまう平均日数で,値は7を採用しています。初期の頃の"τ×増加率"に1を加えた数が基本再生産数に対応すると考えられ,東京都の第1波では2,第2波では1.55程度です。

日別の感染者数から見積もることができる"τ×増加率"に相当する値について,素のデータが曜日ごとのばらつきが大きいため,7日間の移動平均をとった値が"τ×平均"です。第1波について"τ×平均1",第2波について"τ×平均2"としています。最新の3日間では7日間移動平均が適用できませんが,動向を把握するために,最新日は実際の値そのもの,前日では3日間の,前々日では5日間の移動平均を採用しています。そのため,最新日と前日の値の変動の幅は大きくなっています。

これら"τ×平均"は関数モデルが妥当ならば,"τ×増加率"に次第に合致するはずです。"τ×平均1"は第1波の"τ×増加率"によく沿っていて,"τ×平均2"は変化しながらも第2波の"τ×増加率"に追随しています。

"累計calc'""日別calc""τ×増加率"は日付を指定すれば計算できるので,数日後の値もプロットしています。

日別感染者数がピークに達するとき,"日別calc""τ×増加率"は変曲点に来ます。変曲点に来ると"τ×増加率"が初めのころの値の1/2となります。"τ×増加率""τ×平均"が次第に小さくなって,半分となる時期が感染のピークです。このときの累計感染者数を2倍すると,最大値になります。

"日別calc"はピークを挟んでグラフでは左右対称となります(偶関数です)。ピークの前と後では日別感染者数,および,その累計値(こちらは奇関数)はほとんど同じ値になります。

2020/08/14

COVID-19 東京都の感染者数プロファイルの解析 [8月14日]

COVID-19 東京都の感染者数プロファイルの解析

[8月14日]

Profile analyses of COVID-19 affected numbers in Tokyo [August 14th, 2020]


東京都が本日8月14日に発表した感染者数は389名です。確定日の8月13日分は283名と大きな数です。12日分は231名(96名追加)に増えました。11日分は201名(9名追加)に変更されました。

連休で少なかった分が半ば解消されましたが,それでもまだ累計感染者数としてはまだ50名分ほど少ないです。変曲点(日別感染数のピーク)は確定日ベースの7月31日22時で,昨日の解析よりも約2時間早まっています。日々の発表数のばらつきが大きいため,変曲点は7月31日と8月1日を中心に多少の前後することがあるでしょう。 

現在の状況は7月23日の"感染者数プロファイルの計算モデルとグラフの見方"とほぼ同じです。感染者数プロファイルには大きな変化はなく,収束の傾向は続いています。 

ブログで解析している変曲点などの日時は発表日または診断確定日(東京都)を基準としています。実際に感染が生じたのは,これらの日付の概ね7日前から9日前になります。 変曲点から12日間を経過しているので,感染のリスクは現在は相当に低下しているはずです。
 
グラフの見方」は図の下方に挙げてあります。
  
8月14日発表の東京都の確定日別データ(8月13日まで)に基づいています [図をクリックすると拡大]
"τ×平均2"が,"τ×増加率"よりも小さい(下方の)時は収束の傾向(実効再生産数が減少),大きい(上方の)時はいっそう拡大の傾向(実効再生産数が増大)を意味しています。なお,"τ×増加率"自体も日々のデータに応じた最適化により,更新されていることにご注意ください。
 

グラフの見方


感染確定日データの日別の感染者数の累計が,"累計obs"です。ただし,最新の値で割って,最大値が1となるようにした"累計obs'"をグラフにプロットしています。

累計obsに合致するようにロジスティック関数を最適化し,最適化した関数による計算値が"累計calc"です。この値を最新の累計obsで割った"累計obs'"と"累計calc'"をプロットしています。最新の"累計obs'"は1です。

"日別obs"は,日別の感染者数です。最適化した関数から計算される日別の感染者数が"日別calc"です。

最適化した関数から計算される内的自然増加率 r から計算される実効再生産数が,"τ×増加率"です。ここでの τ (tau) は,感染者が感染させてしまう平均日数で,値は7を採用しています。初期の頃の"τ×増加率"に1を加えた数が基本再生産数に対応すると考えられ,東京都の第1波では2,第2波では1.55程度です。

日別の感染者数から見積もることができる"τ×増加率"に相当する値について,素のデータが曜日ごとのばらつきが大きいため,7日間の移動平均をとった値が"τ×平均"です。第1波について"τ×平均1",第2波について"τ×平均2"としています。最新の3日間では7日間移動平均が適用できませんが,動向を把握するために,最新日は実際の値そのもの,前日では3日間の,前々日では5日間の移動平均を採用しています。そのため,最新日と前日の値の変動の幅は大きくなっています。

これら"τ×平均"は関数モデルが妥当ならば,"τ×増加率"に次第に合致するはずです。"τ×平均1"は第1波の"τ×増加率"によく沿っていて,"τ×平均2"は変化しながらも第2波の"τ×増加率"に追随しています。

"累計calc'""日別calc""τ×増加率"は日付を指定すれば計算できるので,数日後の値もプロットしています。

日別感染者数がピークに達するとき,"日別calc""τ×増加率"は変曲点に来ます。変曲点に来ると"τ×増加率"が初めのころの値の1/2となります。"τ×増加率""τ×平均"が次第に小さくなって,半分となる時期が感染のピークです。このときの累計感染者数を2倍すると,最大値になります。

"日別calc"はピークを挟んでグラフでは左右対称となります(偶関数です)。ピークの前と後では日別感染者数,および,その累計値(こちらは奇関数)はほとんど同じ値になります。

2020/08/13

COVID-19 東京都の感染者数プロファイルの解析 [8月13日]

COVID-19 東京都の感染者数プロファイルの解析

[8月13日]

Profile analyses of COVID-19 affected numbers in Tokyo [August 13th, 2020]


東京都が本日8月13日に発表した感染者数は226名です。確定日の8月12日分は135名と少なく,11日分は192名(64名追加)に増えました。10日分は119名(5名追加)に変更されましたが,数が少ないことに変わりはありません。

緑の実線の"日別calc"よりも"日別obs"が少ない日が続いています。そのため,"τ×平均2"はこれまでの経過よりも値が小さくなっています。連休で少なった数が明金曜日にどのように影響が現れる注目です。変曲点(日別感染数のピーク)は確定日ベースの8月1日0時で,昨日の解析よりも約16時間早まっています。日々の発表数のばらつきが大きいため,変曲点は7月31日と8月1日を中心に多少の前後することがあるでしょう。 

現在の状況は7月23日の"感染者数プロファイルの計算モデルとグラフの見方"とほぼ同じです。感染者数プロファイルには大きな変化はなく,収束の傾向は続いています。 

ブログで解析している変曲点などの日時は発表日または診断確定日(東京都)を基準としています。実際に感染が生じたのは,これらの日付の概ね7日前から9日前になります。 変曲点から12日間を経過しているので,感染のリスクは現在は相当に低下しているはずです。
 
お盆を迎えると発表される感染者数が少なくなり,お盆後には大きく増えると予想されます。それでも,実効再生産数が既に1/3まで低下しているので,プロファイルの大勢にはあまり影響しないでしょう。

グラフの見方」は図の下方に挙げてあります。
 
8月13日発表の東京都の確定日別データ(8月12日まで)に基づいています [図をクリックすると拡大]
 "τ×平均2"が,"τ×増加率"よりも小さい(下方の)時は収束の傾向(実効再生産数が減少),大きい(上方の)時はいっそう拡大の傾向(実効再生産数が増大)を意味しています。なお,"τ×増加率"自体も日々のデータに応じた最適化により,更新されていることにご注意ください。

グラフの見方


感染確定日データの日別の感染者数の累計が,"累計obs"です。ただし,最新の値で割って,最大値が1となるようにした"累計obs'"をグラフにプロットしています。

累計obsに合致するようにロジスティック関数を最適化し,最適化した関数による計算値が"累計calc"です。この値を最新の累計obsで割った"累計obs'"と"累計calc'"をプロットしています。最新の"累計obs'"は1です。

"日別obs"は,日別の感染者数です。最適化した関数から計算される日別の感染者数が"日別calc"です。

最適化した関数から計算される内的自然増加率 r から計算される実効再生産数が,"τ×増加率"です。ここでの τ (tau) は,感染者が感染させてしまう平均日数で,値は7を採用しています。初期の頃の"τ×増加率"に1を加えた数が基本再生産数に対応すると考えられ,東京都の第1波では2,第2波では1.55程度です。

日別の感染者数から見積もることができる"τ×増加率"に相当する値について,素のデータが曜日ごとのばらつきが大きいため,7日間の移動平均をとった値が"τ×平均"です。第1波について"τ×平均1",第2波について"τ×平均2"としています。最新の3日間では7日間移動平均が適用できませんが,動向を把握するために,最新日は実際の値そのもの,前日では3日間の,前々日では5日間の移動平均を採用しています。そのため,最新日と前日の値の変動の幅は大きくなっています。

これら"τ×平均"は関数モデルが妥当ならば,"τ×増加率"に次第に合致するはずです。"τ×平均1"は第1波の"τ×増加率"によく沿っていて,"τ×平均2"は変化しながらも第2波の"τ×増加率"に追随しています。

"累計calc'""日別calc""τ×増加率"は日付を指定すれば計算できるので,数日後の値もプロットしています。

日別感染者数がピークに達するとき,"日別calc""τ×増加率"は変曲点に来ます。変曲点に来ると"τ×増加率"が初めのころの値の1/2となります。"τ×増加率""τ×平均"が次第に小さくなって,半分となる時期が感染のピークです。このときの累計感染者数を2倍すると,最大値になります。

"日別calc"はピークを挟んでグラフでは左右対称となります(偶関数です)。ピークの前と後では日別感染者数,および,その累計値(こちらは奇関数)はほとんど同じ値になります。

2020/08/12

COVID-19 福岡県の感染者数プロファイルの解析 [8月12日]

COVID-19 福岡県の感染者数プロファイルの解析

[8月12日]

Profile analyses of COVID-19 affected numbers in Fukuoka Pref. [August 12th, 2020]


福岡県のCOVID-19新型コロナウィルス感染症の感染者数のプロファイルを解析しました。使用した感染者数データと方法は,前回6月6日記載の"COVID-19 福岡県の感染者数の推移と予測"と同じです。ただし,データは6月20日以降の感染者数で,この日付の累計感染者数を0としています。

解析については本ブログの"COVID-19 感染者数プロファイルの計算モデルと見方"のページをご覧ください。CompartmentモデルのSIRDモデルへの対応付けについては"COVID-19 感染者数プロファイルの概形"をご覧ください。

感染者数の累計値は,"累計obs'"が1となるように最新の値(最大値)で除し,同様に計算値も除して"累計calc'"としてグラフに示しています。日別の感染者数は棒グラフの"日別obs"で,大きく変動していますが,綠の実線の"日別calc"は計算値です。
 
"τ×増加率"は実効再生産数の目安となる値で,最初の頃の値から今回のプロファイルの基本再生産数は2.1と見積もられ,やや大きな値です。日別の感染者数のピークとなる変曲点は8月3日で,既にピークは過ぎています。"τ×平均"が"τ×増加率"に沿って下降しており,感染者数が減少する傾向が図にも明瞭に表れています。

福岡県のCOVID-19感染者数のプロファイル解析(8月12日) [図をクリックすると拡大します]

Data source: 福岡県 新型コロナウイルス感染症 陽性患者発表情報
https://ckan.open-governmentdata.org/dataset/401000_pref_fukuoka_covid19_patients

COVID-19 東京都の感染者数プロファイルの解析 [8月12日]

COVID-19 東京都の感染者数プロファイルの解析

[8月12日]

Profile analyses of COVID-19 affected numbers in Tokyo [August 12th, 2020]


東京都が本日8月12日に発表した感染者数は222名です。確定日の8月11日分は128名と少なく,10日分は114名(38名追加)に,9日分は224名(23名追加)に,8日分も347名(23名追加)に変更されました。12日発表数は,前日分が少なくなり,過去の数日分が増えるような修正となっています。収束期には次第に数が減っていくので,こうした状況が多くなるでしょう。

緑の実線の"日別calc"よりも"日別obs"が少ない日が続いています。そのため,"τ×平均2"はこれまでの経過よりも値が小さくなっています。しかし,変曲点(日別感染数のピーク)は確定日ベースの8月1日16時で,昨日の解析結果と大差ありません。 
 
現在の状況は7月23日の"感染者数プロファイルの計算モデルとグラフの見方"とほぼ同じです。感染者数プロファイルには大きな変化はなく,収束の傾向は続いています。

お盆を迎えると発表される感染者数が少なくなり,お盆後には大きく増えると予想されます。それでも,実効再生産数が既に1/3まで低下しているので,プロファイルの大勢にはあまり影響しないでしょう。

グラフの見方」は図の下方に挙げてあります。
8月12日発表の東京都の確定日別データ(8月11日まで)に基づいています [図をクリックすると拡大]
"τ×平均2"が,"τ×増加率"よりも小さい(下方の)時は収束の傾向(実効再生産数が減少),大きい(上方の)時はいっそう拡大の傾向(実効再生産数が増大)を意味しています。なお,"τ×増加率"自体も日々のデータに応じた最適化により,更新されていることにご注意ください。

グラフの見方


感染確定日データの日別の感染者数の累計が,"累計obs"です。ただし,最新の値で割って,最大値が1となるようにした"累計obs'"をグラフにプロットしています。

累計obsに合致するようにロジスティック関数を最適化し,最適化した関数による計算値が"累計calc"です。この値を最新の累計obsで割った"累計obs'"と"累計calc'"をプロットしています。最新の"累計obs'"は1です。

"日別obs"は,日別の感染者数です。最適化した関数から計算される日別の感染者数が"日別calc"です。

最適化した関数から計算される内的自然増加率 r から計算される実効再生産数が,"τ×増加率"です。ここでの τ (tau) は,感染者が感染させてしまう平均日数で,値は7を採用しています。初期の頃の"τ×増加率"に1を加えた数が基本再生産数に対応すると考えられ,東京都の第1波では2,第2波では1.55程度です。

日別の感染者数から見積もることができる"τ×増加率"に相当する値について,素のデータが曜日ごとのばらつきが大きいため,7日間の移動平均をとった値が"τ×平均"です。第1波について"τ×平均1",第2波について"τ×平均2"としています。最新の3日間では7日間移動平均が適用できませんが,動向を把握するために,最新日は実際の値そのもの,前日では3日間の,前々日では5日間の移動平均を採用しています。そのため,最新日と前日の値の変動の幅は大きくなっています。

これら"τ×平均"は関数モデルが妥当ならば,"τ×増加率"に次第に合致するはずです。"τ×平均1"は第1波の"τ×増加率"によく沿っていて,"τ×平均2"は変化しながらも第2波の"τ×増加率"に追随しています。

"累計calc'""日別calc""τ×増加率"は日付を指定すれば計算できるので,数日後の値もプロットしています。

日別感染者数がピークに達するとき,"日別calc""τ×増加率"は変曲点に来ます。変曲点に来ると"τ×増加率"が初めのころの値の1/2となります。"τ×増加率""τ×平均"が次第に小さくなって,半分となる時期が感染のピークです。このときの累計感染者数を2倍すると,最大値になります。

"日別calc"はピークを挟んでグラフでは左右対称となります(偶関数です)。ピークの前と後では日別感染者数,および,その累計値(こちらは奇関数)はほとんど同じ値になります。

2020/08/11

COVID-19 東京都の感染者数プロファイルの解析 [8月11日]

COVID-19 東京都の感染者数プロファイルの解析

[8月11日]

Profile analyses of COVID-19 affected numbers in Tokyo [August 11th, 2020]


東京都が本日8月11日に発表した感染者数は188名です。確定日の8月10日分は75名と少なく,9日分は201名(76名追加)に,8日分は322名(23名追加)に変更されました。

本日は連休後の火曜日で,またお盆を控え,発表される感染者数は少なくなっていると思われ,"τ×平均2"はこれまでの経過よりも値が小さくなっています。しかし,変曲点(日別感染数のピーク)は確定日ベースの8月1日19時で,昨日の解析結果と大差ありません。 
 
現在の状況は7月23日の"感染者数プロファイルの計算モデルとグラフの見方"とほぼ同じです。感染者数プロファイルには大きな変化はなく,収束の傾向は続いています。

お盆を迎えると発表される感染者数が少なくなり,お盆後には大きく増えると予想されます。それでも,実効再生産数が既に1/3まで低下しているので,プロファイルの大勢にはあまり影響しないでしょう。

グラフの見方」は図の下方に挙げてあります。

8月11日発表の東京都の確定日別データ(8月10日まで)に基づいています [図をクリックすると拡大]

"τ×平均2"が,"τ×増加率"よりも小さい(下方の)時は収束の傾向(実効再生産数が減少),大きい(上方の)時はいっそう拡大の傾向(実効再生産数が増大)を意味しています。なお,"τ×増加率"自体も日々のデータに応じた最適化により,更新されていることにご注意ください。

グラフの見方


感染確定日データの日別の感染者数の累計が,"累計obs"です。ただし,最新の値で割って,最大値が1となるようにした"累計obs'"をグラフにプロットしています。

累計obsに合致するようにロジスティック関数を最適化し,最適化した関数による計算値が"累計calc"です。この値を最新の累計obsで割った"累計obs'"と"累計calc'"をプロットしています。最新の"累計obs'"は1です。

"日別obs"は,日別の感染者数です。最適化した関数から計算される日別の感染者数が"日別calc"です。

最適化した関数から計算される内的自然増加率 r から計算される実効再生産数が,"τ×増加率"です。ここでの τ (tau) は,感染者が感染させてしまう平均日数で,値は7を採用しています。初期の頃の"τ×増加率"に1を加えた数が基本再生産数に対応すると考えられ,東京都の第1波では2,第2波では1.55程度です。

日別の感染者数から見積もることができる"τ×増加率"に相当する値について,素のデータが曜日ごとのばらつきが大きいため,7日間の移動平均をとった値が"τ×平均"です。第1波について"τ×平均1",第2波について"τ×平均2"としています。最新の3日間では7日間移動平均が適用できませんが,動向を把握するために,最新日は実際の値そのもの,前日では3日間の,前々日では5日間の移動平均を採用しています。そのため,最新日と前日の値の変動の幅は大きくなっています。

これら"τ×平均"は関数モデルが妥当ならば,"τ×増加率"に次第に合致するはずです。"τ×平均1"は第1波の"τ×増加率"によく沿っていて,"τ×平均2"は変化しながらも第2波の"τ×増加率"に追随しています。

"累計calc'""日別calc""τ×増加率"は日付を指定すれば計算できるので,数日後の値もプロットしています。

日別感染者数がピークに達するとき,"日別calc""τ×増加率"は変曲点に来ます。変曲点に来ると"τ×増加率"が初めのころの値の1/2となります。"τ×増加率""τ×平均"が次第に小さくなって,半分となる時期が感染のピークです。このときの累計感染者数を2倍すると,最大値になります。

"日別calc"はピークを挟んでグラフでは左右対称となります(偶関数です)。ピークの前と後では日別感染者数,および,その累計値(こちらは奇関数)はほとんど同じ値になります。