2020/08/09

COVID-19 東京都の感染者数プロファイルの解析 [8月9日]

COVID-19 東京都の感染者数プロファイルの解析

[8月9日]

Profile analyses of COVID-19 affected numbers in Tokyo [August 9th, 2020]


東京都が本日8月9日に発表した感染者数は331名です。確定日の8月8日分は237名で,7日分は367名(76名追加)に,6日分は420名(17名追加)に変更されました。

変曲点(日別感染数のピーク)は確定日ベースの8月1日22時となり,昨日の解析結果からはほぼ12時間の増です。"τ×平均2"を見ると,7月24日の連休前後に低下した実効再生産数が,7月上旬から続いている一連の流れに滑らかに戻っています。

現在の状況は7月23日の"感染者数プロファイルの計算モデルとグラフの見方"とほぼ同じです。感染者数プロファイルには大きな変化はなく,収束の傾向は続いています。
 
グラフの見方」は図の下方に挙げてあります。
 
8月9日発表の東京都の確定日別データ(8月8日まで)に基づいています [図をクリックすると拡大]
"τ×平均2"が,"τ×増加率"よりも小さい(下方の)時は収束の傾向(実効再生産数が減少),大きい(上方の)時はいっそう拡大の傾向(実効再生産数が増大)を意味しています。なお,"τ×増加率"自体も日々のデータに応じた最適化により,更新されていることにご注意ください。

グラフの見方


感染確定日データの日別の感染者数の累計が,"累計obs"です。ただし,最新の値で割って,最大値が1となるようにした"累計obs'"をグラフにプロットしています。

累計obsに合致するようにロジスティック関数を最適化し,最適化した関数による計算値が"累計calc"です。この値を最新の累計obsで割った"累計obs'"と"累計calc'"をプロットしています。最新の"累計obs'"は1です。

"日別obs"は,日別の感染者数です。最適化した関数から計算される日別の感染者数が"日別calc"です。

最適化した関数から計算される内的自然増加率 r から計算される実効再生産数が,"τ×増加率"です。ここでの τ (tau) は,感染者が感染させてしまう平均日数で,値は7を採用しています。初期の頃の"τ×増加率"に1を加えた数が基本再生産数に対応すると考えられ,東京都の第1波では2,第2波では1.55程度です。

日別の感染者数から見積もることができる"τ×増加率"に相当する値について,素のデータが曜日ごとのばらつきが大きいため,7日間の移動平均をとった値が"τ×平均"です。第1波について"τ×平均1",第2波について"τ×平均2"としています。最新の3日間では7日間移動平均が適用できませんが,動向を把握するために,最新日は実際の値そのもの,前日では3日間の,前々日では5日間の移動平均を採用しています。そのため,最新日と前日の値の変動の幅は大きくなっています。

これら"τ×平均"は関数モデルが妥当ならば,"τ×増加率"に次第に合致するはずです。"τ×平均1"は第1波の"τ×増加率"によく沿っていて,"τ×平均2"は変化しながらも第2波の"τ×増加率"に追随しています。

"累計calc'""日別calc""τ×増加率"は日付を指定すれば計算できるので,数日後の値もプロットしています。

日別感染者数がピークに達するとき,"日別calc""τ×増加率"は変曲点に来ます。変曲点に来ると"τ×増加率"が初めのころの値の1/2となります。"τ×増加率""τ×平均"が次第に小さくなって,半分となる時期が感染のピークです。このときの累計感染者数を2倍すると,最大値になります。

"日別calc"はピークを挟んでグラフでは左右対称となります(偶関数です)。ピークの前と後では日別感染者数,および,その累計値(こちらは奇関数)はほとんど同じ値になります。

2020/08/08

COVID-19 東京都の感染者数プロファイルの解析 [8月8日]

COVID-19 東京都の感染者数プロファイルの解析

[8月8日]

Profile analyses of COVID-19 affected numbers in Tokyo [August 8th, 2020]


東京都が本日8月8日に発表した感染者数は429名です。確定日の8月7日分は288名で,6日分は403名(104名追加)に,5日分は413名(29名追加)に変更されました。発表された数は,1週間前の8月1日の472名(これまでの最大値)よりは少なくなっています。なお,確定日ベースの最大値は7月31日の475名です。

変曲点(日別感染数のピーク)は確定日ベースの8月1日10時となり,昨日の解析結果からはほぼ1日の増です。"τ×平均2"を見ると,7月24日の連休前後に低下した実効再生産数が,7月上旬から続いている一連の流れに戻っています。感染者数プロファイルには大きな変化はなく,収束の傾向は続いています。

連休前のデータを用いた7月24日と25日の解析では,変曲点を8月1日としていました。23日には"感染者数プロファイルの計算モデルとグラフの見方"を掲載したのですが,ほぼその結果と同じ状況になっています。7月の連休前後に発表された感染者数の影響を受けたものの,ほぼ2週間以上にわたって感染者数のプロファイルは同じ傾向にあったことになります。
 
グラフの見方」は図の下方に挙げてあります。
 
8月8日発表の東京都の確定日別データ(8月7日まで)に基づいています [図をクリックすると拡大]
"τ×平均2"が,"τ×増加率"よりも小さい(下方の)時は収束の傾向(実効再生産数が減少),大きい(上方の)時はいっそう拡大の傾向(実効再生産数が増大)を意味しています。なお,"τ×増加率"自体も日々のデータに応じた最適化により,更新されていることにご注意ください。

グラフの見方


感染確定日データの日別の感染者数の累計が,"累計obs"です。ただし,最新の値で割って,最大値が1となるようにした"累計obs'"をグラフにプロットしています。

累計obsに合致するようにロジスティック関数を最適化し,最適化した関数による計算値が"累計calc"です。この値を最新の累計obsで割った"累計obs'"と"累計calc'"をプロットしています。最新の"累計obs'"は1です。

"日別obs"は,日別の感染者数です。最適化した関数から計算される日別の感染者数が"日別calc"です。

最適化した関数から計算される内的自然増加率 r から計算される実効再生産数が,"τ×増加率"です。ここでの τ (tau) は,感染者が感染させてしまう平均日数で,値は7を採用しています。初期の頃の"τ×増加率"に1を加えた数が基本再生産数に対応すると考えられ,東京都の第1波では2,第2波では1.55程度です。

日別の感染者数から見積もることができる"τ×増加率"に相当する値について,素のデータが曜日ごとのばらつきが大きいため,7日間の移動平均をとった値が"τ×平均"です。第1波について"τ×平均1",第2波について"τ×平均2"としています。最新の3日間では7日間移動平均が適用できませんが,動向を把握するために,最新日は実際の値そのもの,前日では3日間の,前々日では5日間の移動平均を採用しています。そのため,最新日と前日の値の変動の幅は大きくなっています。

これら"τ×平均"は関数モデルが妥当ならば,"τ×増加率"に次第に合致するはずです。"τ×平均1"は第1波の"τ×増加率"によく沿っていて,"τ×平均2"は変化しながらも第2波の"τ×増加率"に追随しています。

"累計calc'""日別calc""τ×増加率"は日付を指定すれば計算できるので,数日後の値もプロットしています。

日別感染者数がピークに達するとき,"日別calc""τ×増加率"は変曲点に来ます。変曲点に来ると"τ×増加率"が初めのころの値の1/2となります。"τ×増加率""τ×平均"が次第に小さくなって,半分となる時期が感染のピークです。このときの累計感染者数を2倍すると,最大値になります。

"日別calc"はピークを挟んでグラフでは左右対称となります(偶関数です)。ピークの前と後では日別感染者数,および,その累計値(こちらは奇関数)はほとんど同じ値になります。

COVID-19 大阪府の感染者数プロファイルの解析 [8月8日]

COVID-19 大阪府の感染者数プロファイルの解析

[8月8日]

Profile analyses of COVID-19 affected numbers in Osaka Pref. [August 8th, 2020]


大阪府でのCOVID-19の感染者数(大阪府発表,8月8日現在)の累計値を,ロジスティック関数への最適化で解析しました。

解析については本ブログの"COVID-19 感染者数プロファイルの計算モデルと見方"のページをご覧ください。CompartmentモデルのSIRDモデルへの対応付けについては"COVID-19 感染者数プロファイルの概形"をご覧ください。

感染者数の累計値は,"累計obs'"が1となるように最新の値(最大値)で除し,同様に計算値も除して"累計calc'"としてグラフに示しています。日別の感染者数は棒グラフの"日別obs"で,大きく変動していますが,綠の実線の"日別calc"は計算値です。
 
プロファイルの初期の頃の"τ×増加率"に1を加えた数が基本再生産数に対応し,第1波はおよそ1.9,第2波は2.0です。東京都の第2波はおよそ1.5ですので,かなり大きい値です。

第2波は急峻に感染が拡大していましたが,8月2日に変曲点(日別感染者数のピーク)に達しました。現在は収束の段階に既に入っています。第2波の最終的な累計感染者数は第1波の約3倍と見積もられます。
 
大阪府の感染者数の累計データ(8月8日まで)に基づいています [クリックで拡大]

Data Source: 大阪モデル モニタリング指標の状況 http://www.pref.osaka.lg.jp/iryo/osakakansensho/corona_model.html
 
"τ×平均2"が,"τ×増加率"よりも小さい(下方の)時は収束の傾向(実効再生産数が減少),大きい(上方の)時はいっそう拡大の傾向(実効再生産数が増大)を意味しています。なお,"τ×増加率"自体も日々のデータに応じた最適化により,更新されていることにご注意ください。

2020/08/07

COVID-19 東京都の感染者数プロファイルの解析 [8月7日]

COVID-19 東京都の感染者数プロファイルの解析

[8月7日]

Profile analyses of COVID-19 affected numbers in Tokyo [August 7th, 2020]


東京都が本日8月7日に発表した感染者数は462名です。確定日の8月6日分は299名で,5日分は384名(114名追加)の大幅増に変更されました。4日の310名(27名追加)のほかに,7月28日まで遡って修正がありました。

発表された数は,1週間前の7月31日の463名に匹敵します。しかし,前日と前々日の数は先週よりもかなり少なく,前日と前々日よりも前の日々の増を多く含んでいます。

変曲点(日別感染数のピーク)は確定日ベースの7月31日9時となりました。1日と9時間の増です。"τ×平均2"を見ると,7月24日の連休前後に低下した実効再生産数が,7月上旬から続いている一連の流れに戻っているようです。それでも,感染者数プロファイルには大きな変化はなく,やはり収束の傾向にあります。
 
グラフの見方」は図の下方に挙げてあります。
8月7日発表の東京都の確定日別データ(8月6日まで)に基づいています [図をクリックすると拡大]
"τ×平均2"が,"τ×増加率"よりも小さい(下方の)時は収束の傾向(実効再生産数が減少),大きい(上方の)時はいっそう拡大の傾向(実効再生産数が増大)を意味しています。なお,"τ×増加率"自体も日々のデータに応じた最適化により,更新されていることにご注意ください。

グラフの見方


感染確定日データの日別の感染者数の累計が,"累計obs"です。ただし,最新の値で割って,最大値が1となるようにした"累計obs'"をグラフにプロットしています。

累計obsに合致するようにロジスティック関数を最適化し,最適化した関数による計算値が"累計calc"です。この値を最新の累計obsで割った"累計obs'"と"累計calc'"をプロットしています。最新の"累計obs'"は1です。

"日別obs"は,日別の感染者数です。最適化した関数から計算される日別の感染者数が"日別calc"です。

最適化した関数から計算される内的自然増加率 r から計算される実効再生産数が,"τ×増加率"です。ここでの τ (tau) は,感染者が感染させてしまう平均日数で,値は7を採用しています。初期の頃の"τ×増加率"に1を加えた数が基本再生産数に対応すると考えられ,東京都の第1波では2,第2波では1.55程度です。

日別の感染者数から見積もることができる"τ×増加率"に相当する値について,素のデータが曜日ごとのばらつきが大きいため,7日間の移動平均をとった値が"τ×平均"です。第1波について"τ×平均1",第2波について"τ×平均2"としています。最新の3日間では7日間移動平均が適用できませんが,動向を把握するために,最新日は実際の値そのもの,前日では3日間の,前々日では5日間の移動平均を採用しています。そのため,最新日と前日の値の変動の幅は大きくなっています。

これら"τ×平均"は関数モデルが妥当ならば,"τ×増加率"に次第に合致するはずです。"τ×平均1"は第1波の"τ×増加率"によく沿っていて,"τ×平均2"は変化しながらも第2波の"τ×増加率"に追随しています。

"累計calc'""日別calc""τ×増加率"は日付を指定すれば計算できるので,数日後の値もプロットしています。

日別感染者数がピークに達するとき,"日別calc""τ×増加率"は変曲点に来ます。変曲点に来ると"τ×増加率"が初めのころの値の1/2となります。"τ×増加率""τ×平均"が次第に小さくなって,半分となる時期が感染のピークです。このときの累計感染者数を2倍すると,最大値になります。

"日別calc"はピークを挟んでグラフでは左右対称となります(偶関数です)。ピークの前と後では日別感染者数,および,その累計値(こちらは奇関数)はほとんど同じ値になります。

2020/08/06

COVID-19 東京都の感染者数プロファイルの解析 [8月6日]

COVID-19 東京都の感染者数プロファイルの解析

[8月6日]

Profile analyses of COVID-19 affected numbers in Tokyo [August 6th, 2020]


東京都が本日8月6日に発表した感染者数は360名です。確定日の8月5分は270名で,4日分は283名(75名追加)に変更されました。

変曲点(日別感染数のピーク)は確定日ベースの7月30日0時となりました。実質的な変曲点はやはり30日です。感染者数プロファイルには変化がなく,変曲点を過ぎて1週間が経過すると関数パラメータの精度は向上しています。

 
グラフの見方」は図の下方に挙げてあります。
 
8月6日発表の東京都の確定日別データ(8月5日まで)に基づいています [図をクリックすると拡大]
 
"τ×平均2"が,"τ×増加率"よりも小さい(下方の)時は収束の傾向(実効再生産数が減少),大きい(上方の)時はいっそう拡大の傾向(実効再生産数が増大)を意味しています。なお,"τ×増加率"自体も日々のデータに応じた最適化により,更新されていることにご注意ください。

グラフの見方


感染確定日データの日別の感染者数の累計が,"累計obs"です。ただし,最新の値で割って,最大値が1となるようにした"累計obs'"をグラフにプロットしています。

累計obsに合致するようにロジスティック関数を最適化し,最適化した関数による計算値が"累計calc"です。この値を最新の累計obsで割った"累計obs'"と"累計calc'"をプロットしています。最新の"累計obs'"は1です。

"日別obs"は,日別の感染者数です。最適化した関数から計算される日別の感染者数が"日別calc"です。

最適化した関数から計算される内的自然増加率 r から計算される実効再生産数が,"τ×増加率"です。ここでの τ (tau) は,感染者が感染させてしまう平均日数で,値は7を採用しています。初期の頃の"τ×増加率"に1を加えた数が基本再生産数に対応すると考えられ,東京都の第1波では2,第2波では1.55程度です。

日別の感染者数から見積もることができる"τ×増加率"に相当する値について,素のデータが曜日ごとのばらつきが大きいため,7日間の移動平均をとった値が"τ×平均"です。第1波について"τ×平均1",第2波について"τ×平均2"としています。最新の3日間では7日間移動平均が適用できませんが,動向を把握するために,最新日は実際の値そのもの,前日では3日間の,前々日では5日間の移動平均を採用しています。そのため,最新日と前日の値の変動の幅は大きくなっています。

これら"τ×平均"は関数モデルが妥当ならば,"τ×増加率"に次第に合致するはずです。"τ×平均1"は第1波の"τ×増加率"によく沿っていて,"τ×平均2"は変化しながらも第2波の"τ×増加率"に追随しています。

"累計calc'""日別calc""τ×増加率"は日付を指定すれば計算できるので,数日後の値もプロットしています。

日別感染者数がピークに達するとき,"日別calc""τ×増加率"は変曲点に来ます。変曲点に来ると"τ×増加率"が初めのころの値の1/2となります。"τ×増加率""τ×平均"が次第に小さくなって,半分となる時期が感染のピークです。このときの累計感染者数を2倍すると,最大値になります。

"日別calc"はピークを挟んでグラフでは左右対称となります(偶関数です)。ピークの前と後では日別感染者数,および,その累計値(こちらは奇関数)はほとんど同じ値になります。

COVID-19 愛知県の感染者数プロファイルの解析 [8月6日]

COVID-19 愛知県の感染者数プロファイルの解析

[8月6日]

Profile analyses of COVID-19 affected numbers in Aichi Pref. [August 6th, 2020]


愛知県が本日8月6日までに発表した感染者数を用いて,新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染者数のプロファイルをロジスティック関数モデルにより解析しました

感染者数のデータは5月17日から8月6日までの累計感染者数です。5月17日の累計感染者数を0名としています。解析については本ブログの"COVID-19 感染者数プロファイルの計算モデルと見方"のページをご覧ください。CompartmentモデルのSIRDモデルへの対応付けについては"COVID-19 感染者数プロファイルの概形"をご覧ください。

日別の感染者数のばらつきが大きいにもかかわらず,最適化計算は最近の傾向を追随しています。"τ×平均"は"τ×増加率"ともよく合致しています。
 
"τ×増加率"が初めの頃の値1.66の半分の0.83に近い日付が変曲点(日別感染者数のピーク)となります。計算される変曲点の日付は7月31日で,既に感染者数のピークを過ぎています。
 
初めの頃の値1.66から基本再生産数は2.66と見積もられ,急峻な感染の拡大,そして収束を意味しています。ちなみに,本ブログでは,東京都の第2波の基本再生産数を1.55と見積もりました。とても緩やかな感染の拡大・収束の傾向を示しています。

"日別calc"は偶関数なので,変曲点を挟んで左右対称です。今後も同じ感染者数プロファイルが続くならば,8月末の日別感染者数は7月初めの感染者数(ほぼ0名)と等しくなるはずです。
 
グラフの見方」は図の下方にも挙げてあります。

愛知県が8月6日発表した感染者数のデータに基づいています [図をクリックすると拡大]
Data source:  愛知県新型コロナウイルス感染症対策サイト 
および https://github.com/code4nagoya/covid19/tree/development/data

"τ×平均2"が,"τ×増加率"よりも小さい(下方の)時は収束の傾向(実効再生産数が減少),大きい(上方の)時はいっそう拡大の傾向(実効再生産数が増大)を意味しています。なお,"τ×増加率"自体も日々のデータに応じた最適化により,更新されていることにご注意ください。

グラフの見方


感染確定日データの日別の感染者数の累計が,"累計obs"です。ただし,最新の値で割って,最大値が1となるようにした"累計obs'"をグラフにプロットしています。

累計obsに合致するようにロジスティック関数を最適化し,最適化した関数による計算値が"累計calc"です。この値を最新の累計obsで割った"累計obs'"と"累計calc'"をプロットしています。最新の"累計obs'"は1です。

"日別obs"は,日別の感染者数です。最適化した関数から計算される日別の感染者数が"日別calc"です。

最適化した関数から計算される内的自然増加率 r から計算される実効再生産数が,"τ×増加率"です。ここでの τ (tau) は,感染者が感染させてしまう平均日数で,値は7を採用しています。初期の頃の"τ×増加率"に1を加えた数が基本再生産数に対応すると考えられ,東京都の第1波では2,第2波では1.55程度です。

日別の感染者数から見積もることができる"τ×増加率"に相当する値について,素のデータが曜日ごとのばらつきが大きいため,7日間の移動平均をとった値が"τ×平均"です。第1波について"τ×平均1",第2波について"τ×平均2"としています。最新の3日間では7日間移動平均が適用できませんが,動向を把握するために,最新日は実際の値そのもの,前日では3日間の,前々日では5日間の移動平均を採用しています。そのため,最新日と前日の値の変動の幅は大きくなっています。

これら"τ×平均"は関数モデルが妥当ならば,"τ×増加率"に次第に合致するはずです。"τ×平均1"は第1波の"τ×増加率"によく沿っていて,"τ×平均2"は変化しながらも第2波の"τ×増加率"に追随しています。

"累計calc'""日別calc""τ×増加率"は日付を指定すれば計算できるので,数日後の値もプロットしています。

日別感染者数がピークに達するとき,"日別calc""τ×増加率"は変曲点に来ます。変曲点に来ると"τ×増加率"が初めのころの値の1/2となります。"τ×増加率""τ×平均"が次第に小さくなって,半分となる時期が感染のピークです。このときの累計感染者数を2倍すると,最大値になります。

"日別calc"はピークを挟んでグラフでは左右対称となります(偶関数です)。ピークの前と後では日別感染者数,および,その累計値(こちらは奇関数)はほとんど同じ値になります。

2020/08/05

COVID-19 東京都の感染者数プロファイルの解析 [8月5日]

COVID-19 東京都の感染者数プロファイルの解析

[8月5日]

Profile analyses of COVID-19 affected numbers in Tokyo [August 5th, 2020]


東京都が本日8月5日に発表した感染者数は263名です。確定日の8月4日分は208名で,3日分は243名(46名追加)に変更されました。 確定日ベースの31日分の473名(1名追加)がこれまでの最大です。

連休後の感染者数の増大で,"τ×平均2"が"τ×増加率"よりも大きかった値が,"τ×増加率"に近づいています。"τ×増加率"(実効再生産数)は,初期の値0.56の半分よりも小さい0.22まで低下しました。変曲点(日別感染数のピーク)は確定日ベースの7月29日19時となり,実質的な変曲点は30日と考えることができます。

第1波の環境収容力(累計感染者数)は5,150でしたが,第2波は現時点で15,300と算出されています。第2波がこれまでの経過で進行するならば,第1波の3倍の累計感染者数が見込まれます。
  
グラフの見方」は図の下方に挙げてあります。
 
8月5日発表の東京都の確定日別データ(8月4日まで)に基づいています [図をクリックすると拡大]
 
"τ×平均2"が,"τ×増加率"よりも小さい(下方の)時は収束の傾向(実効再生産数が減少),大きい(上方の)時はいっそう拡大の傾向(実効再生産数が増大)を意味しています。なお,"τ×増加率"自体も日々のデータに応じた最適化により,更新されていることにご注意ください。

グラフの見方


感染確定日データの日別の感染者数の累計が,"累計obs"です。ただし,最新の値で割って,最大値が1となるようにした"累計obs'"をグラフにプロットしています。

累計obsに合致するようにロジスティック関数を最適化し,最適化した関数による計算値が"累計calc"です。この値を最新の累計obsで割った"累計obs'"と"累計calc'"をプロットしています。最新の"累計obs'"は1です。

"日別obs"は,日別の感染者数です。最適化した関数から計算される日別の感染者数が"日別calc"です。

最適化した関数から計算される内的自然増加率 r から計算される実効再生産数が,"τ×増加率"です。ここでの τ (tau) は,感染者が感染させてしまう平均日数で,値は7を採用しています。初期の頃の"τ×増加率"に1を加えた数が基本再生産数に対応すると考えられ,東京都の第1波では2,第2波では1.55程度です。

日別の感染者数から見積もることができる"τ×増加率"に相当する値について,素のデータが曜日ごとのばらつきが大きいため,7日間の移動平均をとった値が"τ×平均"です。第1波について"τ×平均1",第2波について"τ×平均2"としています。最新の3日間では7日間移動平均が適用できませんが,動向を把握するために,最新日は実際の値そのもの,前日では3日間の,前々日では5日間の移動平均を採用しています。そのため,最新日と前日の値の変動の幅は大きくなっています。

これら"τ×平均"は関数モデルが妥当ならば,"τ×増加率"に次第に合致するはずです。"τ×平均1"は第1波の"τ×増加率"によく沿っていて,"τ×平均2"は変化しながらも第2波の"τ×増加率"に追随しています。

"累計calc'""日別calc""τ×増加率"は日付を指定すれば計算できるので,数日後の値もプロットしています。

日別感染者数がピークに達するとき,"日別calc""τ×増加率"は変曲点に来ます。変曲点に来ると"τ×増加率"が初めのころの値の1/2となります。"τ×増加率""τ×平均"が次第に小さくなって,半分となる時期が感染のピークです。このときの累計感染者数を2倍すると,最大値になります。

"日別calc"はピークを挟んでグラフでは左右対称となります(偶関数です)。ピークの前と後では日別感染者数,および,その累計値(こちらは奇関数)はほとんど同じ値になります。